松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

不覚の鼻水

2022-10-24 14:09:27 | 日記・エッセイ・コラム
 チャペルのウエディングって、悪くないスね。完成された「演出効果」みたいなものを感じました。
 リハーサルが直前でレクチャーを受けたのですが。娘が覚える事が多く、かなり不安なようでした。ただ歩き方が良いと、カメラマンか誰かが言いました。
 扉が開いた時、あっと思いました、全員がこっちに向かってカメラとケータイを構えているじゃあ、あーりませんか。席に座ってないで、みな前に来ているような圧迫感がありました。

 その後は順調に進み、誓いの言葉の直前だったと思います。後ろ姿なのに、娘が突然激しく肩を震わせて泣いているようでした。神父さんが一度下がって、何か布のようなものを持って、娘に渡し、言葉を掛けました。娘は頷いて大丈夫だと伝えたようでした。

 自分の役割が終わって、撮影しようとカメラに手を掛けて、それを見守っていたオレは不覚にも動揺してしまいました。
 娘の気持ちがダイレクトに伝わって来て、鼓動が速くなり激しく動揺しました。
 2年も待って、それでもやりたかった事の一端が見えました。

 目の前にはオルガンに合わせて歌う聖歌隊。その右から2番目の女性は、歳は若くないようですが、楽譜の持ち方と声が半端ない。顔を隠すように高く掲げ、バイブレーションを効かせた歌声はひときわ高く大きく、それに耳を傾けるオレの中のダムが決壊寸前となりました。

 涙が出るというよりは、鼻水が鼻の中を上下に移動し、垂れないように我慢することに必死でした。
 これはダメだと思った時、ある事に気がつきました。着替えしたこの服には、ハンカチもティッシュも入ってない。しまったあ。

 仕方なく妻にそっと声を掛けました。「ティッシュ、くれ」
 そして不思議に思いました。
 ちっとも悲しくないのに、なんでこうなるの。不覚を取ったわ~。

 完~全に、オレが泣いているのがバレバレじゃないか。

 娘を手放すのが悲しいんじゃないよ~。誰か、分かってくれ~。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする