チャペルのウエディングって、悪くないスね。完成された「演出効果」みたいなものを感じました。
リハーサルが直前でレクチャーを受けたのですが。娘が覚える事が多く、かなり不安なようでした。ただ歩き方が良いと、カメラマンか誰かが言いました。
扉が開いた時、あっと思いました、全員がこっちに向かってカメラとケータイを構えているじゃあ、あーりませんか。席に座ってないで、みな前に来ているような圧迫感がありました。
その後は順調に進み、誓いの言葉の直前だったと思います。後ろ姿なのに、娘が突然激しく肩を震わせて泣いているようでした。神父さんが一度下がって、何か布のようなものを持って、娘に渡し、言葉を掛けました。娘は頷いて大丈夫だと伝えたようでした。
自分の役割が終わって、撮影しようとカメラに手を掛けて、それを見守っていたオレは不覚にも動揺してしまいました。
娘の気持ちがダイレクトに伝わって来て、鼓動が速くなり激しく動揺しました。
2年も待って、それでもやりたかった事の一端が見えました。
目の前にはオルガンに合わせて歌う聖歌隊。その右から2番目の女性は、歳は若くないようですが、楽譜の持ち方と声が半端ない。顔を隠すように高く掲げ、バイブレーションを効かせた歌声はひときわ高く大きく、それに耳を傾けるオレの中のダムが決壊寸前となりました。
涙が出るというよりは、鼻水が鼻の中を上下に移動し、垂れないように我慢することに必死でした。
これはダメだと思った時、ある事に気がつきました。着替えしたこの服には、ハンカチもティッシュも入ってない。しまったあ。
仕方なく妻にそっと声を掛けました。「ティッシュ、くれ」
そして不思議に思いました。
ちっとも悲しくないのに、なんでこうなるの。不覚を取ったわ~。
完~全に、オレが泣いているのがバレバレじゃないか。
娘を手放すのが悲しいんじゃないよ~。誰か、分かってくれ~。