大分減って来た年賀状。だからこそ、こだわる。未だに送って来る人は、ふるいに掛けられて、残ったつわもの揃いだ。仙台方面からの彼氏。トラの版画を彫ったのに、刷らずに原版の写真を送ってくる。暮れの掃除で、家族が偶然発見した小学校時代の作品。これは天才だ。黒とダイダイと青の絵の具が残ってる。刷るより迫力があるかも知れない。「彫りの深い」顔だから。映像で紹介したいが、ぐっと我慢する。
御年85歳という大先輩。毎年、干支の版画を彫って送ってくれる。コロナを飲み込む大きな口を開けたトラ。3色刷り。25年間、奥様の介護を続けながら尚、これだけのものを作れる才能。言葉尻から、もう限界が近い事が読み取れる。いやとっくに、限界を超えたのかも知れない。前にお会いした時、真実を漏らされて、「早まった事はしないでね」と思わず余計な言葉を掛けずにいられなかった。それほど人生に疲れて見えた。
オレは、そういう人にプレッシャーを掛け続けているのかも知れない。
今、かみなり様の大サービスが続いている。書く前から今までかれこれ1時間。眩しいほどの張り切りよう。地響きも、だだだ~んと。
オレの年賀状は、何度読んでも分からず、夢にまで出て来るそうだ。オレがその年齢に達して、果たして今のように書けるだろうか。はなはだ疑問だ。或る意味、この方にはプレッシャーを掛け続けなければ、ならないのかも。