5年がかりで、やっと認められた万能細胞。すでに可哀想な人生です。
でも、そういうアカデミズムに邪魔されて、こんちけで(秋田弁です)
人里離れた山奥で、ひっそり研究にいそしむ人を「マッドサイエンテスト」
と呼びます。
こういう人は案外、昔から存在したのかも知れませんよ。例えばコナン・ドイル
の「失われた世界」の中の「ドクター・モローの島」のように。
忘れた頃に話題になる「UMA」未確認生物は、案外そうやって生まれた
可哀想な半獣半人なのかも知れません。
このSTAP細胞は、iPS細胞と違って胎盤にもなれるという。
ということは、受精卵の状態まで戻った自分の細胞から、
もうひとりの自分ができる可能性を示している。もちろん人道的な
問題は別にしての話。そこまでのステップは、何段階か問題が
あるようだが、もちろんSFとしての話だ。
そうすると、魂の移植ができるならば、永遠に若返った体を次々
乗り換えて生きていくことが可能となる。これが「非(ナル)Aの世界」の
ギルバート・ゴッセンとなるのだ。いやー、昔読んだSFが、俄然、現実味
を帯びてまいりました。
それと別に、細胞に刺激を加えると若返るという性質。これも重要な意味
を持っていますね。生体内でこれが可能となれば、上のような、まどろっこしい
操作すら必要無くなります。この考えを進めていくと、平均年齢3000歳の
超高齢社会が出現します。どの人も自分の得意分野を徹底して研究する
ことができます。その結果、平和な社会が訪れるかどうか。SF小説では
そううまくはいきません。そろそろ死んでみたい、と思うかも知れません。
そもそも魂の成長が目的なので、輪廻を繰り返した方が速く、次の
ステップに進めるのかも知れません。
別の副産物も考えられます。中には、にわとりが原子を変換できるように
カルシウム以外の物質からカルシウムの殻を作るように、
今有害な放射性物質を、無害な安定した元素に変換する技術が
生まれていることでしょう。
そういう楽しい夢を、どうせなら
観ようじゃ、あーりませんか。