今では秒針まで正確に動く時計が当たり前だ。しかしそんな時間は
存在しない。あるのは天体の運行だけだ。だから、うるう秒、うるう年を
導入してまで、地球と太陽の動きに合わせる。カウントダウンの瞬間、飛んで
おれは地球にいなかった、なんて遊びには大した意味はない。
紅白は、一人の女の独壇場だった。ワン・ウーマン・ショウと言っても過言でない。
彼女を責める気持ちはない。選んだ人間が、浅はかだったというだけだ。
おかげで女性陣は歌い始めるのに、大したエネルギーを必要だったろう。
聞いているオレたちにも、曲に集中するために、必要な「切り替え」を強要する
しんどい番組だった。もともとウチでは彼女が美人の部類か対立が存在する。
私はあの、しゃくれアゴの人物が美人とは思えない。
さて、今年のごあいさつを申し上げる。
その年に到達したイメージを言葉にするのが、私流の年賀状だ。
だからおめでたくはないし、不幸があったところにも、平気で送る。
一瞬にしてめくられるのが、なんかもったいないから、たくさん字を書く
ようになった。大学の友人の奥方から「この人、大丈夫?」と言われる
らしい。一方で、毎年楽しみにしている、と書いてくださる元上司もいる。
大分前から私は、正気と狂気のはざまにいる。だから脈絡がおかしな
文章も書く。全体として不思議なイメージが伝わればそれでいい。
紅白で2番目に良かったのがパヒュームだった。
全身を使ったメッセージ。それが彼女らの印象だ。視覚的に捉えても芸術の域に
達していると思う。それに加えてNHKの技術陣の光の使い方、見事でした。
紅白で最も印象に残ったのは泉谷しげるだろう。なんかやるとは言っていたが
乱暴な言葉の中に、沁みるほどの優しいメッセージがあった。それは、はからずも
春夏秋冬の歌詞を補足する内容となったのだが、これがひとりひとりに宛てた
今年を締めくくる素晴らしいメッセージとなった。
このくらい聴くものに訴えることができる者を歌手という。