日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

ある小児科医の独り言(16)

2009-02-16 11:51:29 | Weblog
 中川昭一財務相が、ローマで行われた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)終了後の記者会見で、酩酊状態で話していた。本人は、「風邪薬を(ローマに向かう)飛行機の中で飲んだ。それが多めになってしまったことが原因。酒も飛行機で飲み、その相乗効果で誤解を招いたのは事実で申し訳ない」と陳謝しているが。
 世界中が深刻な状態で、それも、100年に1度あるかないかの経済的な危機的状態での国際会議の時に、こんな状態で記者会見に臨むなんて、信じられないなあ。
 麻生内閣の支持率は、とうとう、10%を切ってしまった!中川さんを選んだのは麻生総理だが、麻生総理も2カ月に1回は、問題発言を繰り返している。そんな麻生さんが、中川さんに強く出れるのかなあ。健康管理が出来ないと、ちゃんとした政治も出来ないのでは。
 小泉元首相がにわかに注目を浴びてきた。自民党の支持率が少しだが上がっているのだ。小泉さんは、マスコミを使うのが実に上手だ(その点、小沢さんは、極めて下手だが)。マスコミをあおり立て、それを世論にして、今まできている。
 貴乃花が優勝した時、「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」と言った。そして、2001年5月の時の内閣支持率は、何と91.3%にも達していたのだ。
 奇人変人と言われているが、本人は、そう思っていない様だ。今がチャンスだと思って言った感じで、その後、何も言わずにサッとロシアに行っている(20日に帰国するのかな?)のが、その証拠?!
 野党は、小泉さんの再来を恐れている。今の自民党には、選挙に勝てる顔の人がいないのだ。麻生さんでは負ける、そう思っての発言ではないのだろうか。小泉さん、よくぞ言ってくれたと思っている国民は多いと思う。
 ところで、中川さんの酩酊状態の原因の推測とその予防策を私になりに述べると・・・。
 恐らく、抗ヒスタミン剤を飲んで、それにアルコールを服用した為に、増強された為だと思われる。個人差があり、眠気の副作用が強く出てしまっても、何ら不思議でない。風邪症状が強いからと言うことで、量を沢山飲んでしまった感じだが、薬なんて、倍服用すれば倍効く何てことはないはずで、ある一定量を過ぎると、急にガクッと副作用が沢山来て、効き過ぎることが多いはず。それをアドバイスできるちゃんとしたドクターはいなかったのかなあ。又、赤ら顔になっているので、私であれば、即、五苓散+黄連解毒湯を一緒にして服用するけどなあ(顔色が青白い時は、五苓散のみ)。ひどい時には、ブドウ糖点滴って方法もあったと思うけどなあ。

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ある小児科医の独り言(15)

2009-02-16 09:18:56 | Weblog
 昨日(日)の17時過ぎに、新患で、8カ月の男児が熱で来た。金曜から高熱があり、3日目だった。少しピリピリしていると言う。土曜には、他の小児科の医院にかかっている。状況からして、突発性発疹症の感じだ。けいれん止めのダイアップをすかさず使用し(8時間後にも使用する様に言って)、白虎加人参湯を処方した。
 20時前に、他の患者さんが来たので、それで病院の外来に診察に行くと、(遠方なので、心配して)その子がまだいた。顔が赤ら顔で、少しきつそうだ。母親も5月にお産だそうで、とても不安そう。で、採血をして(尿は取れなかったが)ウイルスだと確認した。興奮気味で手足の先が少し冷たかったので、黄連解毒湯+葛根湯をそれぞれ0.66包ずつに生食10mlを注腸した。すると、嘘の様に、穏やかな顔付きになって帰って行った。
 23時前に、又、呼ばれた。新患で、9カ月の女児で、嘔吐下痢がこの日(日)の夕方から始まっている。熱が高いのに、顔が青白い。葛根湯+五苓散をそれぞれ0.5包ずつに生食10mlを注腸し、五苓散のみを処方して、明日来る様にして帰した。
 還暦前の自分にとっては、夜の救急はきついけど、まあ、昔程、自分が一言嫌みを言わなくて診療できるドクターになったかな。


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ある小児科医の独り言(14)

2009-02-15 18:07:41 | Weblog
 2月14日の「熊本日日新聞」に、熊本のある短大で調査した「野生度調査」の結果が記載されていた。30項目の質問を県内の男女学生268人に実施している。何と、野性度20%以下が67%との結果が出ている。乳幼児を持つ保護者284人に対しても同じ質問が行われ、野生のパワーがないが一番多くて39%となっている。
 野宿が出来ない、水洗トイレでしか用を足せない、素足であるけない、などの野生度が確実に低下しているとの結果が出たのだ。
 生物学的に、男性には、テストステロンなる男性ホルモンが女性よりも明らかに高い。12歳まではさほど性差がなかったのに、それからと言うモノ、男の子は、精巣から否応なしにこのテストステロンを大量に浴びることになる。(歳取って、テストステロンが少なくなって、女性の更年期の様に、元気なくなる時期もある様だが)
 このテストステロンの適切な分泌が、男たるものの積極性や勇気や男らしさを生むこととなる。それが上手く出る為には、次の状況下が必要(らしい)。
1、テストステロンの分泌は朝が高い。従って、そのリズムに合わせて、暗くなれば寝て、朝日と共に起きる生活が必至。つまり、夜更かしと朝寝坊は厳禁となる。
2、3次元の視覚刺激、例えば、テレビやパソコンの画面などばかり見ていると、テストステロンの分泌は、低下してしまう。立体的な肌を通しての触れ合いが大切だ。
3、適度な肉体的疲労感が大切である。TVゲームばかりして脳だけを疲れさせ、体が運動不足に陥っていると、テストステロンの分泌は確実に低下する。
4、時には、はめを外した行動をすることも大切。
5、適度な期待や褒め言葉やプレッシャーを与えることも大切である。(よく遊び、よく学べ。仕事の出来る人は、遊びも上手)
 飼い慣らされたネコは、ネズミを見ても追い駆けなくなる傾向にあるそうだ。男の子も、不自由ない世界、決められた世界に飼い慣らされていると、オスの野生性をなくしてしまうかもね?!

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アル小児科医の独り言(13)

2009-02-15 09:42:06 | Weblog
 朝、NHKでかってスピードのメンバーの「今井絵理子」さんのことを取り上げていた。離婚を経験し、難聴の息子を持ち、手話を交えた演奏活動をし、本を出版し、正に、強く優しく生きて、周りの人に勇気を与えている。
 いろんな出来事が彼女に力を与え、いい方向に力強く動いていると思う。
 いろんな出来事が人を強くしていく。やはり、若い時の苦労は、買ってでもせよとの先人の教えは、当たっていると思う。
 若い時に、頂点に上り詰めると、後が大変だ。下がるばかりで、その傾きが急なほど、落ち込むことになる。いつも低空飛行だと、落ち込みも少ないので、ちょっと上がると、嬉しさも倍増する感じかな。
 周りを見てみると、いろんな人がいる。長生きしている人を見てみると、そんな人は、例外なくニコニコと柔和な顔をして、周りに感謝の気持ちを伝えている。頭が低くて、時々、手を合わせている姿を見る。人の悪口はあまり言わない様だなあ。そして、こちらの話にも耳を傾けてくれて、時々、尋ねてくる。これが長生きの秘訣かなあ。
 徳川家康に関する所で、長寿のコツは、「気は長く、勤めは堅く、色薄く、食細うして、心は広かれ」とある。
 私は、「感動」「緊張」「くつろぎ」「継続」「好奇心」の「カキクケコ」が、老後には特に大切だと思っているけど。
 小さい時からいやいやながら勉強をしていると、大学に入っても勉強がいやになり、社会人になっても、解答のはっきりしない問題を積極的にどんどん自分で作ってそれを解くと言う努力をしなくなるんじゃないのかなとつい思ってしまう。
 勉強なんて、いつから始めてもいい訳だし、日本の様に、高校卒業生が一斉に寒い時期に一緒になって受験をして、それで将来の進路がほぼ決まる場合もある何て、何か不自然だなあ。少なくとも、年に2回あって、高校の時には、基礎を、大学でそれをもっと自分なりに探究するというのが、本スジじゃないのかなあ。大学に入っても、高校の基礎をやり直している何て、日本の教育、おかしいし、それを早く改めようとどうしてしないのかなあ。
 オーストラリアのゴールドコーストには、フランスで始まったボランティア運動の流れで、1980年代から「U3A」が始まっている。University of The Third Ageの略で、退職した人々の生活向上をはかる目的のもの。
 生徒も講師も第3の世代(欧米流の考え方では、第1の世代とは、親に養ってもらう世代、第2の世代は、子どもを育てる世代)と言われる55歳以上の退職者等で、国籍、民族、資格の有無など一切問わずに会員になることが出来る。年に1回会費を納めれば、ここでやっている科目は好きなだけコースを取ることが出来る。会費は、年間わずか30ドルだが、教える方も会費を払うと言うのがおもしろい。
 生きることは、学ぶこと、いつまでも、子どもの様に目を輝かしてい生きて行きたいと思います。

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ある小児科医の独り言(12)

2009-02-14 15:45:45 | Weblog
 狭い世界にいると、周りが見えなくなる。これは、確かなことかな。オウム真理教の信徒達は、その世界では、通じていたが、一般社会からは受け入れられなかった。それで、尚更、オウムの世界に入って行ってしまっていた感じがする。
 政治の世界にしても、官僚の世界にしても、教員の世界にしても、警察官の世界にしても、公務員の世界にしても、ずっとその世界に入りっぱなしだと、周りが見えなくなるのではと思っている。
 しかし、自分では、長いことそれに気が付かないことが大半なのだ(少なくとも、自分はそうであったし、今も、完全には、それから脱却できていないかも知れないけど)。
 医療の世界でも同じだ。そんな中で、例えば、社会人に一度なったのに、再び、医学生になったり、看護学生になったりして頑張っている人がいる。昔もちょっとはいたが、今は、不況時代の影響か、そんな人が多くなっている。そんな人達は、やはり、現役の人とは意気込みが違っている感じだ。目的意識をしっかり持っているので、人一倍頑張っている感じだ。
 受験の世界に永いこと置かれていると、学歴や学部や学校で、その人の能力を判断しようとついしてしまう。その呪縛が取れるのに、自分の場合、かなりの時間を要した。
 人生80年、今や、いろんな生き方が出来るのだ。10年経てば、それまでに得たものの価値は、半分になるとも言われている。となると、有名大学に首尾良く入学出来ても、40年後の定年の時には、その価値は16分の1でしかないことになる。が、当の本人は、定年後も、過去の栄光にまだ酔っているケースもあるかな。
 人生は、20年×4で、20年で一区切りの人生が、4つあることになる(中には、5つの人もいるだろうけど)。
 初めの20年は、正に、若葉マークの人生だ。
 次の20年は、失敗が許される人生だ。
 3番目の20年は、主に前の20年使って、最も輝いて頑張れる人生だ。
 そして、人生80年の現在は、最後の20年は、人によっては、実にさまざまな生き方の出来る人生になるはず。
 定年後、慎ましやかに年金生活をする人、まだ、仕事をエネルギッシュにする人、ガラッと生き方を変えて他の事に目を向けて突進する人、趣味に生きる人、ボランティアに生きる人、体を急に壊して寝込んでしまう人、いろいろだと思う。
 (記事は、昨年、宮崎小児科医会会報に投稿したもの。今年は、オーストラリアのグラッドストーン市の3つの学校で、太鼓を教えることが既に決まっている)

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ある小児科医の独り言(11)

2009-02-14 08:13:19 | Weblog
 人間って、体ごと経験しないと分からない。身近なモノから学ぶことが多い。沢山の人を集めて、そこで立派な話を、立派な講師から聞いても、モノにならないことが多いと思う。
 平和のことをホントに分かろうとしたら、戦争を経験するしかないが、しかし、広島や長崎の原爆記念館に行ってみると、平和の大切さを少し実感できる感じだ。
 長崎の原爆記念館の人が言っていた、「被害者の中には、被爆当時のことを一切語ろうとしない人、いますよ。思い出したくもないんでしょうね・・・」と。
 人間は、神様じゃないから、間違うことは、仕方のないこと。それで深く反省して、間違いを再び起こさなくなれば、しめたもの。しかも、間違っている人の気持ちも理解できる様になれて、更にいいかも知れない。
 タバコの問題にしても、良くないと分かっているのに、止められないのだ。戦争では、スゴイ数の人がアット言う間に亡くなってしまう。戦争は悪いことだと分かっているのに、してしまうのだ。
 科学技術が発達してしまった時代、広島の原爆、たったの一発で、最終的には、それで30万人近くの人が亡くなっているのだ。一度でも許されない失敗もあるのだ。9・11で沢山の人が亡くなったけど、核兵器を使うと、そんな数では済まされないのだ。
 佐伯市が韓国語講座を開いた時、すぐに私は飛び付いた。韓国の先生(現在、別府大学の教授になっておられる)が教え、最後までいい講義を受けることが出来た。 その生徒の中に、(無農薬、自然栽培を心掛けて)農業をしている○田さんと言う、顎髭をはやした人がいた。彼は、そこでの韓国語の知識で、1人で韓国に行き、それを私達に話してくれた。それを聞いて、私も、1人で韓国に行くことを思いついたのである。それまでは、韓国に付いては、いろんな噂が流れていた。しかし、実際に行ってきた○田さんの話は、私にとっては、強烈であった。
 「韓国、全然危なくないよ、韓国の農家の現状を見たかったんで、田舎に行くと、(こんな田舎まで日本人はまず来ないと言って)驚いていて、とても親切にしてもらった。どこに行っても、よくしてもらったよ・・・。自分の韓国語、通じたよ。講義内容の前3分の2ぐらいまでをしっかりものにしていれば、まず、困らないよ・・・」
 教育では、生きた教材が大切、これに勝るモノはないかな。


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ある小児科医の独り言(10)

2009-02-13 15:01:13 | Weblog
 昨年の9月1日に、「英語村」に付いて、上天草市の川端市長に、メイルで送った。
 で、今日、2月の上天草市の広報誌を見て、驚いた。上天草市に、「英語村」が出来るのだ。
 で、私が提言する前にそんな構想があったのか、私の提言でそうなったのか、定かではないが、・・・この上天草市に英語村が日本で初めてって感じで大がかりに出来ること、スゴイスゴイスゴイと思います。それと同時に、この若き川端市長にエールを送りたい。

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20080827/1
http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20080829/3
http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20080901/3


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ある小児科医の独り言(その9)

2009-02-13 08:29:26 | Weblog
政治家が、「・・・します」と公約しても、なかなかそうはならない。経済学者が、予想を立てても、なかなかそうはなっていない。
 医者が病気を治す場合、患者さんにとっては、治るか治らないのか、治るとしたら、いつ頃そうなるのか、それが知りたい。しかし、医者も、それがよく分からない事が多いのだ。
 人間には、個人差がある。薬を上げても、その反応はいろいろで、副作用の出方に付いても同じだ。
 原因も治療も、突き詰めるとよく分からない病気が大半だ。
 今、まだ、インフルエンザが流行っているが、これ一つをとっても、問題は山積している。(学校保健法では)解熱して48時間で登校可となっている。しかし、子どもの場合は、それ以後も、まだ、他人に伝染するし、2峰性と言って、熱が下がった後に再び熱が上がることもしばしば経験する。インフルエンザに心筋炎が合併していて、学校で突然死なんて事があっても不思議ではない。世間では、インフルエンザ何て、風邪の延長と思っている人もいるけど。
 熱が出てまだ半日経っていないんですが、検査をした方がいいんでしょうか?、タミフル危ないと聞いたのですが、大丈夫でしょうか?、タミフル使ってもAソ連型だと効かないと聞いているんですけど、どうしたらいいでしょうか?、登園許可書・登校許可書をインフルエンザと書いてもらえないでしょうか?(インフルエンザと書くと、欠席にならない。親が何故か皆勤の記録を強く願っている)。
 ゴホンゴホンと咳をしていても、休めない。周りにウイルスをまき散らす。マスクがよく売れているが、その効果は、しないよりはいいと思うが、完全でないことは確かなこと。
 経験的に、やはり、隔離に勝るモノはないと思っている。12月に大流行しても、冬休みに突入し、年明けの学校が始まる頃には、下火になっていることが多い。3月までずっとインフルエンザが流行していても、春休み入ると、嘘の様に、少なくなる。つまり、子ども同士の接触が少なくなれば、確実に、下火になるのだ。
 麻疹や水痘やインフルエンザでは、その後しばらく、免疫力が落ちている。それで、再び、他の病気や型の違うインフルエンザに再びなったり、合併症で苦しんでいるケースが多い。
 私なりの治療は、発症したら、抗生物質を出来るだけ使わずに、(葛根湯→柴胡桂枝湯など)漢方中心で行き、普段から、バランスの取れた食事・適度の運動・充分な睡眠・プラス思考を心掛け、電動歯ブラシで1日3回歯をしっかりと磨いておくこと?!不幸にして、インフルエンザになったら、早めに休みを取って充分に休養することが大切だと思います。

*私自身は、インフルエンザの流行時期には、柴胡桂枝湯を2週間おきに、3日連続で朝夕と服用している。外来でも、要望に応じて患者さんに処方しているが、多くの例で、インフルエンザにかかっても、軽くて済んでいる。又、水痘や流行性耳下腺炎や急性胃腸炎を起こすウイルス感染でも、少なからず、効果があっている。かって中国でのSARS流行を食い止めたのは、漢方薬でした。


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ある小児科医の独り言(8)

2009-02-12 17:56:18 | Weblog
 医師免許を手にして、臨床を始めてから30年以上も経過した。そして、もう直ぐ還暦を迎えようとしている。自分の場合、運が良かったのか、周りに恵まれたのか、多分、両方だと思うけど、まあ、救急医療ばかりをしていた割には、無難にここまでよく来れた方だと思っている。1人常勤小児科医での病院生活と、1人でのベッドを持っての開業医生活、トータル18年間もしていた。今は、二人だけど。
 1人と複数でする時の心境、全く違う。裁判沙汰になったこと、もちろんあるし、その一歩手前まで入れると、100件どころじゃないと思う。が、それでも、大きなトラブル、少なかった方だと思っている。
 睡眠不足でフラフラになって働いている時、「何かあったら、忙しいでは理由にならないよ!訴えられたら負けになるよ」とあるドクターから忠告されたこともある。救急医療では、いきなり初診で来て、その場で患者さんとのコミュニケーションを取らないといけない訳で、こちらとしてはいい治し方をしてきたと思っていても、親御さんからは、そう思われないケースも多々ある。
 入院させて短期間で帰すと、入院しなくても良かったのではと思われるし、外来で時間外にも頑張ってやむなく入院させると、もっと早く入院させてもらいたかったと言われるし、なかなか難しい。新生児・未熟児医療だと、親御さんが付き添っていないだけに、こちらの深夜の苦労は全く見ていない訳で、後で後遺症が残ったり、帰る時に捨て台詞を言われると、ホントに華厳の滝に真っ逆さまに落ちる様な感じになる(何度もあったな)。
 「先生の言うこと分かるが、兎に角、俺の言う様にしてくれ!」と言われて、こちろのメンツなく、(検査や点滴や時間外診療など)そうせざるを得ないケースも多々あった。
 しかし、私も歳を取って丸くなったのか、そんな親御さんを恨む訳でもなく、全て自分の肥やしにしてもらえたと思って感謝している。
 時間外に来て、外来で、父親が一言も言わずに、帰るケースが今も多い。退院する時、若いお父さんが、寝そべっていて、何も言わないケースもある。が、それで腹を立てることも、もう、なくなってしまった。これも、歳のせいかなあ。
 時代がそんな時代なのだ。他人の為に犠牲的精神でもって生きることが馬鹿みたいに言われることもあるのに、ドクターに関しては、主治医なら深夜でも来るのが当たり前って感じになっている気がするけど。
 医者も人間、やはり、1週間に1回、ゆっくりと休みたいと思うのだが、救急病院の勤務医や開業医だと、なかなかそうはいかないかな。
 今年も医学部の人気は相変わらず高いが、犠牲的精神の高さはどうなのかなあ。そして、最も大切なコミュニケーション力と、それに、鈍感力はどうなのかなあ。
 医師の場合、臨床を10年もすれば、皆、経過はどうであれ、その道プロのドクターになっている。その時、大切なのは、裸の王様でなく、周りをよく客観的に見れる能力かな?!

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ある小児科医の独り言(7)

2009-02-12 10:36:23 | Weblog
 昨晩、民放で、50分間程、「コンカツ(結婚活動)」の番組があっていた。

 40歳前後のアラフォーの人で、相手がいない人が7割近くていて、その内、5年以上が半分近くいるとのこと。

 女性の場合は、結婚願望はあるのだけれども、いい人がたまたまいないで来ているって感じの人が多いみたいだが・・・。女性が、自分を磨くことに一生懸命で、技能も身に付け、教養も身に付け、お金もある程度持っていて、さて、ないのは結婚相手だけってケースも多い様だ。

 反対に、男性は、収入がどんどん少なくなって、自信を失っており、いいと思ういい女性がいても、いい寄る勇気もなくなっている。精子の数も、少なくなっているとのちゃんとしたデータもあるし。

 それと裏腹に、親の結婚願望は以前として強く、親同士が子どもの資料を持って、お互いにお見合いして、決めようとしているケースも現実にあり。

 最後は、お金を払って、ある結婚斡旋の会社を通じて相手を探すって結論になって行くか、諦めるかって感じなっているのかな?!

 何でこんなことになってしまったのかな?昔は、周りのおせっかいおばさんがほっとかなかった。近所のおばさん、沢山資料を持っていて、独身若者に、集中攻撃を浴びせていた感じだ。

 昔の田舎では、女性の場合、20代前半で結婚していた例が大半だった感じで、(小学校時代に)お見合いシーンを障子の隙間から見ていた記憶がある。私の両親も、結構、いろんな男女の結婚の仲を取っていた。

 しかし、今は、医療事故と同じ感じで?、結果が悪いと大変だ。もう、個人で紹介が気軽に出来る時代ではない感じだ。かくして、コミュニケーション力の低下した男女は、コンカツと言う活動をしないといけないことになる。就職活動と同じ感じで。

 結婚は相性だと思うし、性格は違った方がいい感じだが、価値観は同じ方がいい感じがする。そして、もっと大切なことは、相手にいろいろ求めるよりも、相手に何がしてあげられるかを考えた方がいいと思うけどなあ。

 マウスで実験してみると、オスのマウスは、初めはメスと一生懸命に交尾をしているが、しばらくすると、その同じマウスとは、全くしなくなる。で、新しいマウスをそこに入れると、又、新しいマウスと交尾を始め、それも、又、しばらくするとしなくなる。

 人間もマウスと同じだとは思いたくないが、・・・。人間の場合は、動物的な行動に道徳や知性がそれに加わっているので、それに、一夫一婦制では、そんなことはあってはいけないことになっているが・・・。

 親が、塾やおけいこ事を沢山強いて、受験勉強中は、異性を避ける様にし向け、子どもは親の言われるままに育っていると、・・・自分で考え、自分で責任を持って行動すると言うことが出来なくなるんじゃないのかなあ。親がいつまでもいる訳じゃないし。

 昔は、3高(高学歴、高身長、高収入)が、ちょっと前までは、3低(低姿勢、低リスク、低依存)と言われ、時代と共に、変化しているけど、今はどうなのかな。

 その内、逞しい女性が結婚しなくなり、そんな女性の体外受精が盛んになれば、結婚している男が珍しいって時代になるかも知れないなあ。

 男が野生を取り戻せる様に、親も社会も、それなりに努力することが大切かな。

 アメリカの人が言っていたなあ。日本の高校生、まだ子どもだと。それに反して、アメリカの高校生だと、もう大人って感じらしい。

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