日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

ある小児科医の独り言(26)

2009-02-24 12:36:08 | Weblog
 旅は、人と自然の関係を考えさせてくれる。旅では、自然や人工物や生き物に癒されるが、それ以上に、人間は、やはり、人に癒されていると思う。
 人工物にしても、それを人間が作っているし、自然も、人間がそれに関わっているからこそ、親しみを感じるのではないだろうか。
 四季折々の違いが、人間に語りかけている様に思うし、雲仙の温泉地獄を身近に見ると、地球は生きている、そして、その中に自分もホントに生きているのだなあと感じざるを得ない。
 折しも、「おくりびと」が、映画界最大の祭典、第81回米アカデミー賞で、外国語映画賞を獲得した。その脚本家の小山薫堂さんは、天草出身だ。日本人の心の在り方がその映画には如実に出ていたと思う。
 今日の「熊日日新聞」で、小山さんは、その映画の中で、「普通の生活の中にある幸せの大切さを伝えたかった」と述べている。その発想の原点は、肌で小さい時から体得してきた天草の自然と人の優しさにあると思う。
 今の時代、競争競争で追われ、消費をせまられ、行き先の不安を感じる状況にある中で、ちょっと立ち止まって、今ある美しい日本の姿、そこに住むことが出来ている多くの優しい日本人の姿、それに気が付くべきではないだろうか・・・?!

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ある小児科医の独り言(25)

2009-02-24 09:59:50 | Weblog
 着いた日(2月20日:金)の午後は、地獄巡りをした後、「雲仙お山の情報館」で情報を仕入れた。
 驚いたのは、地獄の隣にホテルが立ち並んでいること、こんな間近に温泉地獄が見れる所、珍しいんじゃないのかなあ。又、その湯をホテルまで引いて、沸かすことなく利用している。
 ガイドの佐々木さんが名付けた「ネズミ親子」や「ライオンロック」、面白いなあ。この日の最後は、独特の水色をした「おしどりの池」の所まで行った。
 雲仙、先の普賢岳の噴火で、平成新山が出来、多くの人が犠牲になってしまった。しかし、この雲仙は、火山灰が風向きの関係で時に降り落ちることはあったものの(上天草市までも降って来たが)、至って安全で、避難勧告などは全くなかった。
 しかし、ここでの宿泊施設では、キャンセルが続出し、ひどい時には8割減にまでなってしまったとのこと。更には4つものホテルが倒産に追い込まれてしまったとのこと(廃墟となってしまったそんなホテルも、見てきたが)。実際にそこを利用してきた人の話だと、バルブの時には、有名なホテルでは、平日の予約も取れない状態だったとのこと。今では平日であれば、特殊な期間でなければ、取れないことは少なくなっている。それでも、最盛期の半分にしか達していないらしく、良くなりかけた矢先に、この世界的不景気の影響で足踏み状態になっているのだ。
 観光客が多い時期は、2月、5月、8月、11月とのこと。2月は、「雲仙灯りの花ぼうろう」があって、いつもは多い時期なのに、今年は例外的に少ないとのこと。今年は、1月31日(土)~2月21日(土)までそのイベントがあって、夜のイルミネーションがとても綺麗に飾られていた。又、その期間の土曜には、花火が上がる。

http://unzen.or.jp/

http://unzen.or.jp/news/index.php?UID=1235308065#CID1235362222



*写真は、「ライオンロック」。

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ある小児科医の独り言(24)

2009-02-24 09:38:09 | Weblog
 雲仙って、どんな所だろう。行った人は、皆、「とてもいい所だよ・・・」と言う。インターネットで見ても、良さそうだ。しかし、物事の多くは、体験しないとよく理解できないことが多い。特に、自分の場合はそうだ。
 で、金曜日が外来当番でないと言うことで、(2泊3日で、自分の還暦祝いを口実に)長崎県の島原半島にある(雲仙市小浜町にある)雲仙に行った(行く前日の木曜には、自分が受け持ちの入院患者さんが運良く3人共退院して、ゼロになった)。
 いつもの様に、7:35に、「上天草総合病院前」のバス停から乗り、9:05に、本渡のバスセンターに着き、そこから9:35のバスに乗って鬼池港まで行き(約30分で着いて)、そこから10:45のフェリーに乗って(長崎県の)口之津港に着き(30分で着いて)、そこから小浜(バスセンター)まで海岸沿いで行き、そこで雲仙行きに乗り換えて(13:30前にやっと)雲仙に着いた。
 例のオバマ大統領就任式前日は、この麓の温泉街の小浜町は、(福井県の小浜と同様に)報道陣で大盛況だったみたいだ。
 (海抜700mの高さの)雲仙では、入り口の「西入口」で降りた。お腹がペコペコで、宿泊するホテルに行く前に、その「西入口」のバス停の前にある「福田屋」ホテルに属するアンティークな食堂で昼食を摂った。
 で、その後、自分たちの宿泊する「雲仙観光ホテル」に行った。すごく立派なホテルで、驚いた。部屋も、メチャクチャ良くて、自分が生まれて今までにこんな立派な部屋に泊まったこと、なかったかな(まあ、一生に一回のことだから、自分のご褒美としていいかな。幸いに、特別期間と言うことで、思ったよりも安くて済んで、得した感じになったが)。昭和天皇が宿泊されたホテルで、「君の名は」の主人公の真知子さんもここで働いていていたみたいで、超有名なホテルでもある。
 そこでチェックインして、直ぐに「雲仙観光協会」に行って、佐々木さんと言う、とてもガイドの上手な人から、雲仙地獄を1時間に渡って詳細に説明してもらった(二人で1000円)。
 とても寒かったが、佐々木さんの話の内容は、とても温かくて、雲仙地獄の素晴らしさを肌で感じながら、私も家内も、大満足だった。

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ある小児科医の独り言(23)

2009-02-19 14:45:19 | Weblog
 卒後教育としての今のスーパーローテート制度2年間が、1年に短縮されるとのこと(内科6カ月以上、救急3カ月以上、地域医療1カ月必修)。何か、現場の意見を聞かずに、コロコロと変わってしまう感じで、正に今の麻生内閣の縮図の様な気がしてならない。
 いろいろ厚生労働省がいじくればいじくる程、現場はどんどん混乱状態に陥っている感じだ。何で、現場の人の意見を素直に聞こうとしないのだろうか?
 まず、国は、お金を出さない。ボランティアみたいな格好で、指導医が(何の前触れもなく)半強制的に決まって、さあ、教えろって感じになっている。そうでなくても、今、勤務医の仕事は増え続けているのだ。一度、厚生労働省の医務官がしてみるといい。コンピューターのキーを何度押し、又、入院した時に、手続きでいかに大変かを。
 スタッフが絶対的に少ないのだ。法律上は、有給休暇を取れるはずなのに、医療が出来なくなるので、休みが取れないのだ。
 医師を増やそうとして今からやっきになっても、その医師が一人前になるには10年も掛かるし、ちゃんと過不足な数になるには、その倍以上掛かるはず。
 まずは、今、具体的に出来ることをするしかない。それは、現場の意見を尊重して、実行すると言うこと。それぞれの病院の都合を鑑み、又、個々のドクターの意思も尊重して、柔軟に対応できる制度に変えるべきだ。又、国が出来ることは、早急にすることだ。例えば、医療訴訟の問題一つ取っても、個人では出来ないことで、それを恐れてその科を敬遠するドクターは、現に沢山いるのだから。(医療事故で自己責任って感じであれば、危険な科を選ぶ人が少なくなるのは、当たり前だ!!)
 教育がちゃんとそれなりにされていれば、研修医は満足してくれると思う。
 医師不足と初期研修の問題は、別の次元だ。初期研修を短縮して医師不足を解消しようなんて、どこからそんな発想が生まれてくるのかなあ。ああ、そうか、現場を知らない人達が考えるから、そうなるんだなあ。安い労働力でこき使おうとしていると思われても仕方ないんじゃないのかなあ。
 へき地で頑張っているドクターの意見、産科や小児科や救急で頑張っている勤務医の意見、何故、真っ先に出てこないのかなあ。
 大学にもいろんな大学があるはず。昔、医局員が多くて、卒後、主治医の受け持ちが2名で、1年間にわずが20名足らずしか受け持つことが出来ずに、薄給を埋める為に、バイトに精を出していた例もあったかな。卒後研修として、立派に機能を果たしている大学も、現に今あるのだ。
 今から医療を背負って行く若いドクター達の心情を思うと、可哀相でならない。


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ある小児科医の独り言(22)

2009-02-19 09:36:53 | Weblog
 昨日、病院の前の看護専門学校の1年生に、10:20~12:00まで、講義をした。一番前の列に座っている男子生徒と女子生徒が、しっかりと眠っている。それも、講義中の半分以上。で、私も「オーイ、大丈夫か?」って思わず言ったのだが、その時だけ、起きた様な起きない様な感じになっている。隣の生徒がつついている。で、しばらく少し目を開けていた様だが、又、見ると目をしっかりと閉じて、頭を垂れている。
 ムーッ、こちろらもやる気をなくしそうだが、そんなことは今まで沢山経験してきているので、マイペースで、スライドや黒板一杯を使ってどんどん進めていって、ちょうど12:00に終わった。
 やる気だけは、教えられない。技術は教えられても、心構えを教えるのは、至難の業だ。性格がなかなか変わらないのと同じかな。
 鹿児島のラ・サールや愛媛の愛光の卒業生と話すと、殆どの人が、先生を(メチャクチャって感じに)尊敬している。福岡県立の修猷館(九大合格数ナンバー1)や熊本県立の熊高(半分近くが、医学部受験?!)の卒業生と話すと、先生が駄目な時は、皆、相手にしなくて後ろを向いている?!と言う。
 ムーッ、生徒も一流だが、先生にも厳しいんだなあ。鹿児島の県立鶴丸高校(鹿児島の県立では、ナンバー1)の生徒と話すと、最初に赴任してきた先生の場合、あまり上手でなく、2~3年経つと、全く変わった感じで立派に講義していると言う。
 やはり、医師も教師も政治家も、周りがそれなりに作っていくのかなあ・・・?!

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ある小児科医の独り言(21)

2009-02-18 17:36:26 | Weblog
 夕方15:30過ぎに院内放送で、「緊急ヘリが来ますので・・・」とアナウンスがあった。ヘリコプターが降りる所に止めていた車が、10分過ぎには、殆どいなくなった。で、ヘリコプターが来て、サッと、熊本市内の病院に搬送していった。ドクターも付いてきていた。
 いざと言う場合(循環器疾患のケースが多いが)、院内放送して、ヘリポートに停車中の車を全て移動させ、ヘリコプターが来て、搬送先の病院に無事に届けるまで、上手く行けば、30分前後で可能となる。
 多くの場合、ヘリを使うことなく救急車で行くことが多いが、又、主治医がひどい時には同乗して付いていくことが多いが、一番近い天草の地域医療センターにしても、山道をグニャグニャと行くので、疲れ切って帰って来ることが多い(私も、同乗して行った後、座りこんでいたことが数回ある)。熊本市内に搬送するとなると、天草五橋を渡って、2時間近く掛かることになる。
 地域医療の難しさは、現場を経験した人でないとよく理解できないと思っている。


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ある小児科医の独り言(20)

2009-02-18 09:29:41 | Weblog
 昨晩、23:00過ぎに突如、けたたましく電話の音が鳴った。もう、既に、消灯していて、眠り込む寸前だったのだが。で、当直の先生から、「生後10日目のベビーで血便があるのですが・・・」って感じで電話が掛かってきた。直ぐに行くと、つい最近退院したばかりの当院出産の男のベビーで、元気よく泣いている。顔色もいいし、手足の先も温かいし、特に機嫌が悪いとか、吐くとかと言うこともない。
 で、検査すると、やはり血便。母親が食事を少し変えたそうで、それで、ベビーの便量が明らかに多くなったと言う。鮮血なので、肛門が切れたのでしょうと言って、ケイツーを服用させて帰した。
 祖母と母親が一緒に来ていて、とても丁寧に何度も頭を下げられてお礼を言われた。「スミマセン、こんな遅い時間で、心配なもんで・・・」と言われる。「子どもは、機嫌、顔付き、食欲、睡眠、赤ちゃんの見方は、これ(退院時にも、私が言っているはずなのだが・・・)。熱があっても、吐いても、咳しても、普段と変わりなければ、急におかしくなるってこと、まずないんで、そんなに慌てる必要ないんで」とアドバイス。
 あんなに丁重に頭を何度も下げらて感謝されて、ニッコリされて帰られると、こちらも、起きてきて良かったと思う(当直の先生も、起こしてスミマセンって感じで、気の毒そうにお礼を言われたが)。
 医療費が小さい子の場合、無料になり、時間外でもコンビニ感覚で来ている人も確かにいるけど、こんな親御さんだと、救急医療のドクター達も救われるかなあ。


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ある小児科医の独り言(19)

2009-02-17 12:13:37 | Weblog
 1日があっという間に過ぎてしまう感じだ。昔は、1日が長かったなあ。小さい時、1週間先と言うと、スゴク長い様に感じでいた。
 3歳の子の1年間は、3分の1、60歳の1年間は、60分の1、となると、60歳の1年間は、3歳の子の20倍の速さで進んでいることになるのかな?!今後、そのスピードはもっともっと増して、あっという間に、気が付いたらあの世だったってことになるのかな。
 60歳だと、個人差が大きくなって(歳を取れば取るほど益々大きくなる訳だが)精神的にも肉体的にも、20歳の差が出来ていると言われている。つまり、60歳なのに、40歳の肉体と精神を持っている人がいるかと思うと、80歳の肉体に80歳の精神を持っている人もいることになるかな(残念なるかな、既に、他界されている人もいますが)。
 歳の順に亡くならない所が注目点で、寿命は、遺伝や環境やいろんな影響でそうなる訳だが、日本人の場合は、その多くが生活習慣病で亡くなっていることを考えると、やはり、自己責任のウエイトが大きいんじゃないのかなあ。
 人は、皆、最後は癌になって亡くなる運命になっているらしい。癌も、考え方によっては、生活習慣病だ。癌になったら、今までの生活を深く反省して、それ以上大きくならない様に、又、再発しない様にしないといけない訳だが、それを細かく指導しているケースって、あるのかなあ。同じ生活パターンをすれば、又、再発するのは当たり前じゃないのかな?!
 継続は力なりで、多くの事柄は、積み重ねの結果のことが多い。若い時に、不規則な生活をして、睡眠不足で、ストレス過剰状態で、喫煙・深酒、1日に1回食事を抜いたり、食べ過ぎ、運動不足何てのを繰り返していたら、病気になるのは当たり前かな。 
 病気になった時には、神様が、体を休めなさい、無理をしていますよと啓示していると思って、自己責任で休むのが自然の流れと思いますけど。
 自分の体を本当に守れるのは、自分です?!

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ある小児科医の独り言(18)

2009-02-17 08:35:25 | Weblog
 朝のNHKで、駅の売店で弁当を売っている人の話があった。彼女は、お客さんから楽しませてもらっていると言う。初めは、パート社員で、お客さんとあまり会話することなく売っていた。しばらくして、お客さんとの会話が大切と思う様になり、積極的に話し掛けて、お客さんにより喜ばれる売り方を思い付いた。
 上手にコミュニケーションを取ることで、業績は、見る見る上がり、彼女の評判は、鰻登りとなった。そして今では、6人の正社員に、70人のパートを抱えてのトップの存在にまでになってしまっている。
 彼女は、部下にまず、自分がお手本を見せる。お客さんには、「どこに行かれますか?」などの会話から始めて、旅先での最適な弁当を選べる様にアドバイスをしているのである。
 それが自然に出来て、しかも、そんな感じで売っている本人が一番喜んでいるのである。
 又、熊本市の話で、見違える様に会合などでの利用客が多くなったホテルがある。そこに有名なマネージャーが来たからである。彼は、一度名前を紹介されると、正確にその人の名前を覚え、次に来た時には、その人の名前で呼ばれるとのこと。言われた人は、驚くと同時に、そのマネージャーに、強い信頼を抱き、信者となってしまう。
 プロとは、 正に、こう言う人のことを言うのだなあ。
 自分なんて、顔をよくお互いに見ているのに、名前の出てこない人の方が圧倒的に多いなあ・・・


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ある小児科医の独り言(17)

2009-02-16 16:00:09 | Weblog
 100人小児科医がいたら、100人とも治し方が違っていても、不思議ではない。又、時代と共に、公に使われているマニュアル本の内容も、少しずつ書き換えられている。
 溺れた時の蘇生の方法にしても、昔と今では、教科書的にも、かなり変化している。心臓停止状態だと、「もしもしカメよ、カメさんよ・・・」って感じで頭の中で言いながら速さをよく考えて、1分間に100回の速さで心臓マッサージを(胸郭が3分の1程へこむ感じで)すれば、口から空気を入れなくてもいいんだと言う意見もあるけど。
 鼻水や咳で、鼻水止め(ペリアクチンなどの抗ヒスタミン剤)や鎮咳剤を上げても意味がないとのつい最近の日本外来小児科学会雑誌のある箇所に書かれていたが、私も、全く同感である。むしろ、悪くしているケースが多いんじゃないのかなあ?!細気管支炎で、ペリアクチン+アスベリンで、こじれている例を現に沢山診てきているけど。
 下痢止めも、細菌性の場合は、禁忌となっているが、ウイルス性の場合も、積極的に上げるべきではないと思っている。
 熱も同じで、上げて治そうとしているのに、西洋医学では、逆のことをしている。まず、濡れタオルで拭くとか、薬の前に試みるべき事、いろいろあると思うけどなあ。
 東洋医学では、葛根湯や麻黄湯や白虎加人参湯や桂枝湯や柴胡桂枝湯や小青竜湯や升麻葛根湯や小柴胡湯など、熱冷ましの薬は、その人の証に応じて沢山ある。 
 葛根湯や麻黄湯は、上げると、手足がポカポカしてくる。つまり、人間の生体反応に添って、熱を上げて汗をかかせて治そうとしている訳で、西洋医学と全く逆のことをしていることになる。西洋医学の解熱剤は、下がるべき時に来ていれば、与えると、少し早めに下がるとのことらしい。
 抗生物質も、小児ではしばしば使用されているが、乳児や2、3歳の幼児で、喉が赤くて細菌感染のことは、少ない。学童に多い溶連菌では、腎炎やリウマチ熱などの合併症が起きることがあるが、小さな子どもでは、まずない。抗生剤を与えることによって、インフルエンザ桿菌や肺炎球菌の耐性菌の問題をより深刻にしている(日本での耐性菌率は、世界一)し、腸内細菌のバランスを壊して免疫力を低下させてしまうことになる。抗生剤を使う時は、白黒付けて、抗生剤が明らかに有効と判断して、使うときには、しっかりと使うべきだと思っている。
 外来でありふれた疾患に対して、どう処方すべき、もっと議論が活発になされていいと思います。風邪は、万病の元ですし、風邪の治療を漢方ですると、かなり医療費も浮くとのデータがありますけど。

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