日本の心・さいき

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ある小児科医の独り言(8)

2009-02-12 17:56:18 | Weblog
 医師免許を手にして、臨床を始めてから30年以上も経過した。そして、もう直ぐ還暦を迎えようとしている。自分の場合、運が良かったのか、周りに恵まれたのか、多分、両方だと思うけど、まあ、救急医療ばかりをしていた割には、無難にここまでよく来れた方だと思っている。1人常勤小児科医での病院生活と、1人でのベッドを持っての開業医生活、トータル18年間もしていた。今は、二人だけど。
 1人と複数でする時の心境、全く違う。裁判沙汰になったこと、もちろんあるし、その一歩手前まで入れると、100件どころじゃないと思う。が、それでも、大きなトラブル、少なかった方だと思っている。
 睡眠不足でフラフラになって働いている時、「何かあったら、忙しいでは理由にならないよ!訴えられたら負けになるよ」とあるドクターから忠告されたこともある。救急医療では、いきなり初診で来て、その場で患者さんとのコミュニケーションを取らないといけない訳で、こちらとしてはいい治し方をしてきたと思っていても、親御さんからは、そう思われないケースも多々ある。
 入院させて短期間で帰すと、入院しなくても良かったのではと思われるし、外来で時間外にも頑張ってやむなく入院させると、もっと早く入院させてもらいたかったと言われるし、なかなか難しい。新生児・未熟児医療だと、親御さんが付き添っていないだけに、こちらの深夜の苦労は全く見ていない訳で、後で後遺症が残ったり、帰る時に捨て台詞を言われると、ホントに華厳の滝に真っ逆さまに落ちる様な感じになる(何度もあったな)。
 「先生の言うこと分かるが、兎に角、俺の言う様にしてくれ!」と言われて、こちろのメンツなく、(検査や点滴や時間外診療など)そうせざるを得ないケースも多々あった。
 しかし、私も歳を取って丸くなったのか、そんな親御さんを恨む訳でもなく、全て自分の肥やしにしてもらえたと思って感謝している。
 時間外に来て、外来で、父親が一言も言わずに、帰るケースが今も多い。退院する時、若いお父さんが、寝そべっていて、何も言わないケースもある。が、それで腹を立てることも、もう、なくなってしまった。これも、歳のせいかなあ。
 時代がそんな時代なのだ。他人の為に犠牲的精神でもって生きることが馬鹿みたいに言われることもあるのに、ドクターに関しては、主治医なら深夜でも来るのが当たり前って感じになっている気がするけど。
 医者も人間、やはり、1週間に1回、ゆっくりと休みたいと思うのだが、救急病院の勤務医や開業医だと、なかなかそうはいかないかな。
 今年も医学部の人気は相変わらず高いが、犠牲的精神の高さはどうなのかなあ。そして、最も大切なコミュニケーション力と、それに、鈍感力はどうなのかなあ。
 医師の場合、臨床を10年もすれば、皆、経過はどうであれ、その道プロのドクターになっている。その時、大切なのは、裸の王様でなく、周りをよく客観的に見れる能力かな?!

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ある小児科医の独り言(7)

2009-02-12 10:36:23 | Weblog
 昨晩、民放で、50分間程、「コンカツ(結婚活動)」の番組があっていた。

 40歳前後のアラフォーの人で、相手がいない人が7割近くていて、その内、5年以上が半分近くいるとのこと。

 女性の場合は、結婚願望はあるのだけれども、いい人がたまたまいないで来ているって感じの人が多いみたいだが・・・。女性が、自分を磨くことに一生懸命で、技能も身に付け、教養も身に付け、お金もある程度持っていて、さて、ないのは結婚相手だけってケースも多い様だ。

 反対に、男性は、収入がどんどん少なくなって、自信を失っており、いいと思ういい女性がいても、いい寄る勇気もなくなっている。精子の数も、少なくなっているとのちゃんとしたデータもあるし。

 それと裏腹に、親の結婚願望は以前として強く、親同士が子どもの資料を持って、お互いにお見合いして、決めようとしているケースも現実にあり。

 最後は、お金を払って、ある結婚斡旋の会社を通じて相手を探すって結論になって行くか、諦めるかって感じなっているのかな?!

 何でこんなことになってしまったのかな?昔は、周りのおせっかいおばさんがほっとかなかった。近所のおばさん、沢山資料を持っていて、独身若者に、集中攻撃を浴びせていた感じだ。

 昔の田舎では、女性の場合、20代前半で結婚していた例が大半だった感じで、(小学校時代に)お見合いシーンを障子の隙間から見ていた記憶がある。私の両親も、結構、いろんな男女の結婚の仲を取っていた。

 しかし、今は、医療事故と同じ感じで?、結果が悪いと大変だ。もう、個人で紹介が気軽に出来る時代ではない感じだ。かくして、コミュニケーション力の低下した男女は、コンカツと言う活動をしないといけないことになる。就職活動と同じ感じで。

 結婚は相性だと思うし、性格は違った方がいい感じだが、価値観は同じ方がいい感じがする。そして、もっと大切なことは、相手にいろいろ求めるよりも、相手に何がしてあげられるかを考えた方がいいと思うけどなあ。

 マウスで実験してみると、オスのマウスは、初めはメスと一生懸命に交尾をしているが、しばらくすると、その同じマウスとは、全くしなくなる。で、新しいマウスをそこに入れると、又、新しいマウスと交尾を始め、それも、又、しばらくするとしなくなる。

 人間もマウスと同じだとは思いたくないが、・・・。人間の場合は、動物的な行動に道徳や知性がそれに加わっているので、それに、一夫一婦制では、そんなことはあってはいけないことになっているが・・・。

 親が、塾やおけいこ事を沢山強いて、受験勉強中は、異性を避ける様にし向け、子どもは親の言われるままに育っていると、・・・自分で考え、自分で責任を持って行動すると言うことが出来なくなるんじゃないのかなあ。親がいつまでもいる訳じゃないし。

 昔は、3高(高学歴、高身長、高収入)が、ちょっと前までは、3低(低姿勢、低リスク、低依存)と言われ、時代と共に、変化しているけど、今はどうなのかな。

 その内、逞しい女性が結婚しなくなり、そんな女性の体外受精が盛んになれば、結婚している男が珍しいって時代になるかも知れないなあ。

 男が野生を取り戻せる様に、親も社会も、それなりに努力することが大切かな。

 アメリカの人が言っていたなあ。日本の高校生、まだ子どもだと。それに反して、アメリカの高校生だと、もう大人って感じらしい。

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