日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

思い込み

2010-01-31 17:22:54 | Weblog
 オレオレ詐欺にかかりそうになった人(母親)の話を聞いた。少し、勉強になった。
 その人の息子が、「カゼを引いた、声がこんなで・・・」と言ってきた。明らかに、カゼを引いた感じで、苦しそうに咳をしている。・・・いつも鹿児島弁で言うのに、改まって何で標準語で言うのかな?結婚して永いこと東京にいるので、標準語を話すようにしてるのかな・・・と思った。
 「会社のお金と書類の入ったバッグを失くして、このままだと首になる・・・」って感じで泣きながら言う。「あんたも信用ないもんだね、・・・」「取り合えず*00万必要・・・」と言うので、「すぐ送りたいけど、お母さんの一存では決められないんで(鹿児島の女性は、夫を立ててて常にそんな感じだが)、一応お父さんに相談して直ぐに送るから」と言うと、「携帯も取られたので、新しい電話番号は・・・・」と新しい電話番号も教えてもらって、後日又電話をすると言うことで一応切る。
 で、この時、オレオレ詐欺にでもかかったらいけないと思って、身近な親族に、前の電話だとオレオレ詐欺の可能性があるから、今度息子から電話がかかったら、前のは間違いで、この番号になっているからと言って電話をする。
 で、翌日、(東京にいる)息子のお嫁さんに、「息子のカゼ、少しはいい?・・・」と尋ねると、「エッ、カゼ何て、全く引いていませんよ!」と言われて、発覚。
 ムーッ、これって、誰でも引っかかりそうな手口だなあ。
 初めに、息子だと信じてしまうと、なかなか疑うことが難しいことの証明かな。
 自分にも、つい最近(昨年12月)あった。家族が熊本市で会うのに、熊本市に行く途中のバスの中で携帯の留守電にメッセージが入っていた。
 今から、福岡空港からそこに行くって感じで入っていた。そのメッセージの声をバスの中で、家内にも聞かせ、何で熊本空港から来ないのかなあと不思議に思っていた。で、宿泊先のホテルで次女に会って、「どうして、福岡空港から来たの?熊本空港からの方が便利なのに・・・」と尋ねると、「私、ママから言われた様に、熊本空港からだよ。それに、電話なんか掛けてないよ。」と言われた。エッエッエッ、・・・そこでやっと気が付いた、→長女の声を次女の声と間違えていた!
 思い込みとは、怖いものです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絶対ボケない生活

2010-01-31 10:14:11 | Weblog
 「絶対ボケない生活」(フレディ松川、廣済堂出版、平成21年10月初版)なる本を読んだ。これ、家内が買ってきたのだが。同じ感じの本、何冊か読んだことあるが、その内容とダブること多いが・・・。
 以前読んだ内容では、一番ボケるのは、老後に経済的に一番安定していると思われている公務員で、その中でも、特に国家公務員。退職する時に、長が付いていた人は危ない。生真面目な人はボケる。頑固な人はボケる。笑わない人はボケる。友達の少ない人はボケる。心を打ち明ける人がいない人はボケる。ヤクザの人は、いつも緊張しているのでボケない。異性に関心のない人はボケる(そう言えば、つい最近亡くなった森繁久弥さん、女性にしばしば触っていたなあ)。クラブのママさんも、よく見せようとしているのでボケない。ボケている配偶者を持った相手はボケない。
 この本の中では、手を使う人はボケないと言った人がボケていて、手を頻繁に使う大工さんとかパソコンを1日中使っている事務系の人もボケると書かれている。
 又、理系の人はボケにくいとか、学校の先生でも、数学や理科の先生は、ボケにくいなんて書かれているが。
 更には、良妻賢母はボケる。専業主婦はボケる。韓国スターの追っかけ熟女はボケない。わがままに生きている人はボケない。歳を取ったら、ストレスをため込むのは、最悪って感じで書かれている。
 やはり、大切なのは、生き甲斐があり、自分が必要とされていることではないでしょうか。
 老後は特に「カキクケコ」:感動・緊張・くつろぎ・継続・好奇心かな。
 遊び心を忘れずに、かつ、何かに生き甲斐があって、常に周囲から必要とされていると自覚できていること。
 今からの時代、子どもや配偶者への最高のプレゼントは、ボケないで生きることらしい。(納得納得納得)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小児科講義終了

2010-01-30 09:41:59 | Weblog
  昨年の6月26日~昨日の1月29日で、一応、上天草看護専門学校での32期生の小児科の講義が終わった。1回100分の20回。20回目以外は、全て、講義終了後に試験をしてきた(その殆どにスライド試験を含む)。
 自分なりに、毎回、内容を変えている(昨年と同じだと、教える方も、面白くないので)。試験問題も、常に、変えている。と言っても、大筋は、大切な所はだいたい決まっているので、昨年の分を手直ししして、修正した感じの内容になってはいるが。
 今回は、小児科20回だったが、次の33期生からは、カリキュラムが変わって、15回で終えないといけない。その減った分、新たに、国際看護学と言うのが入ってきて、それを少し教えることになっているが・・・?!
 最後の20回目は、試験なしで全員に100点を上げて2.000点満点とした。最高が、1.774点だった。100点満点だと88.7点となった。幸いにも、昨年同様に、60点を切って追試を受けるべき生徒は、誰もいなかった。が、19回の総計では平均60点に達せず、最後の高ゲタでかろうじて60点に達した学生が一人いた。(多い年には、10人以上に追試験をしたこともあった)。
 1番には、自分の作った(A4版で41ページからなる)「医師国家試験小児科の手引き」の小雑誌と、自分の著書「為になるかも知れない本(上)(中)」2冊とDecemberのCDの4つを上げた。2番には、3つ、3番~5番には、2つ、6番~15番までは1つ(CDを15枚、2種類の本を11冊持って行った)。
 最高点を取ったのは、一度社会人となっていて、再び看護師を目指して入学した(子持ちの)男子学生。
 見ていると、この人だけでなく、社会人を一回経験した人、成績がいい。土台、講義中の眼の輝きが違う。
 自分の時を考えても同じだったなあ。他の学部を卒業しているのに、再び医学部入学していたクラスの同級生、やはり、真面目で、成績も良かったなあ。
 看護学校の教務主任と話した、・・・「この時期、胃がチクチク痛みます。それが4月ごろまで続きます。入ってくる生徒のことと、(来月看護師)国試を受ける生徒のことで。・・・今年は、昨年と比べて倍ほど受験生がいたけど、選ぶのって、難しいんですよ。一番大切なのは、やる気なんですが、それが見抜けなくて。・・・内申書には模範生って感じで書かれているのに、・・・会っても挨拶もちゃんと出来ない子もいて・・・」と。そうだよな、東大に合格しても、東大に入るまでの人と、東大に入ってからの人との二つに分類できるって感じでも言われているけど。
 今、アルバイトで勤めているこの病院は、特殊だ。3万4.000人の人口に、病院がここしかない。5.000人のこの町に、開業医がいない。そして、この町に、看護師を目指しての看護専門学校がある。
 開業医の代わりに健診に行き、看護学校の講師をし、そして、自分がこの天草に住んでいる時は(病院の道路隔てて前にあるアパートにいる限りは)、常に、小児の救急を、平日だけでなく、土・日・祝にもしている。(時間を決めているので、又、数が少ないので、それが可能になっている)
 今から、10時からの小児科診察の前に、病棟に入院している1歳の女児で、RSウイルス感染症で入院した子どもの診察に行こうかな。
*右に上天草総合病院、真中から左側手前に、看護専門学校が見える)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジレンマ・・・

2010-01-29 09:48:09 | Weblog
 朝青龍が、一般人に暴行して、それがマスコミには、歪曲されて伝えられたと言うことで世間が騒いでいる。朝青龍がふがいない成績の力士だったら、過去に、既に、解雇になっていたとしても不思議ではなかった?過去にも、朝青龍に関しては、いろんなトラブルが沢山あっている。
 残念なるかな、今の相撲協会は、朝青龍なしではやっていけないって感じになっている。何せ、朝青龍がいるのといないのでは、相撲の人気度がはっきり違っているのだ。
 朝青龍も、ヒトの子、離婚をし、一緒に心底から祝ってくれる妻と子どもは、もう、傍にはいない。酒を飲んでからの行動を全く覚えていないと言う人が現にいるが、世の中、それで許される程甘くはない。
 お金と政治での問題にしても、鳩山・小沢両者の存在は、朝青龍と同じ感じで、政治の世界ではなくてはならない感じになっているからして、簡単に終わらない感じだ。政治と金の問題、今に始まったことでなく、自民党時代からずっと続いていること。
 沖縄の問題にしても、当の沖縄の名護市の人にしても、自然を破壊したり、環境が悪くなるとのことで反対の人がいる一方、この不景気の時代に、地域活性の為にと思って、賛成票を投じた人もいるのだ(反対派が勝ったと言っても、票差は、ほぼ五分五分だったが)。
 ダムの問題にしても、高速道路を新たに作る問題にしても、常に、そんな感じで、問題が起きてくる。
 全国を騒がせた大分県の教員採用問題にしても、佐伯市は、市の議会で、佐伯市長が選んだ教育長に反対して、別の人を選出しているが、県の方は、又、同じ教育長を知事が選んでいる。
 本腰で変える為には、元凶を、元を根本的に変えることから始めるしかないのではと思うのだが。
 お金の要らない選挙に早くして下さい。国会議員の数を取り敢えず、減らして下さい。大相撲も、ファンあってのもの、(相撲ファンの一人として言いたいのは)今の多くの親方の意識改革が必要ではないでしょうか?!特に、朝青龍の親方の責任は重いと思います。
 どんな状況にあっても、まともな方向に変えようとしている人はいる。多くの人がそんな(時代に合っていないので、まともな方向にしようとする)動きをどんどん後押し出来る様に出来ればいいなあと思っています。
 (賢い国民・県民・)市民が政治を変える、(賢い国民・県民・)市民が医療を変える、(賢い国民・県民)市民が教育を変える、そうあるべきだと思います。

http://www.youtube.com/v/ZGWy8hGbaxg&color1=0xb1b1b1&color2=0xcfcfcf&hl=ja_JP&feature=player_embedded&fs=1

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予防接種過誤・・・

2010-01-28 08:50:53 | Weblog
 小児科では、予防接種で、かなり神経を使わされる。それに、今年は、新型インフルエンザも入ってきた。そうでなくても、小児科では、量が年齢によって違う。インフルエンザを例にとると、乳児では0.1mlだが、1歳~5歳は0.2ml、6歳~12歳は0.3ml、13歳~は0.5mlとなっている。とても凄く太った子どもの場合は、この量でいいのかなあって思うことも多いが・・・。
 以上の量は、インフルエンザの場合で、三種では、乳児でも0.5mlとなっていたり、ややこしい。で、右左と交互に打つとなっているので(前回接種の時と期間がかなり長ければ、利き腕の反対側を打つことも多いが)、それなりに神経を使う。3歳前後の男の子の場合、不意に動かれると、(力が強いので)抜けることもある。
 前回施行した医療機関の場所が自分の所でなかったり、母親以外の人が付いてくいて、「私、頼まれたので・・・」とか言われて、母子手帳を持ってこなかったりして、・・・。
  問診して、熱もないかどうか確認して、喉をしっかり診るなど診察をして、問診票に所見を書き込み、カルテにも記載し、母子手帳にも記載し、コンピューターに打ち込む。
 もう、かなりかなり前になるが、BCGを打つ担当になっていて(数が多いので、問診は別の医師がしていたが)、親の希望で、ツ反が陰性なのにBCGを打ちたくない人がいたのに、間違って、その問診表が自分の方に紛れ込んできて、そのまま打ってしまった。
 それからが大変だった。母親が立腹し、後日、市役所の関係者と一緒に自宅まで行って、詫びた。「今度からは、ちゃんと気を付けて間違いない様にして下さい!」と注意を受けた。
 患者さんが多かったり、医師が急いでいると、それなりに注意力が散漫になっている。そんな時が危ない。ベストコンディションでいつでも診療できる様に心掛けたいものです。
ところで、新型インフルエンザンの予防接種、2月もずっと打つことになっているが、いつまでするのかな?
 昨年の暮れに、インフルエンザになっているのに、予防接種を打ちに来ている人もいた。打っている中に、気付かない内に感染している人も少なからずいるかな?


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本は安全・・・

2010-01-27 09:07:24 | Weblog
 オーストラリアのブリスベンにある「在ブリスベン日本国総領事館」の今年の1月14日の書き込みによれば、・・・
 クィーンズランド州の治安情勢に関して、
 2008年7月1日から2009年6月30日までの1年間に警察が認知した凶悪事件(殺人・殺人未遂、強盗、強姦・性的犯罪、暴行、傷害)の件数は、27,334件で、昨年と比較して若干減少。しかし、被害者が重体になるような傷害事件や強盗事件など増加している罪種もあり、一概に治安がよくなっているとは言い難い。窃盗事件も昨年と比較して増加。人口10万人当たりで日本と比較した場合、殺人は3倍、強盗は約10倍、性的犯罪は約20倍の割合で発生していることになっている・・・エッ、多い!
 昨年1年間の薬物犯罪検挙件数は、45,043件で、昨年と比較して約9%の減少。警察が取り締まりを強化した結果、薬物の運搬及び密売の件数が大幅に減少。人口10万人当たりで日本と比較した場合、約50倍の割合で検挙されている。・・・エッ、50倍も!
 昨年1年間の飲酒運転検挙件数は、32,769件で昨年と比較して若干の増加。人口10万人当たりで日本と比較した場合、約15倍の割合で検挙されている。・・・エッ、15倍も!
 田舎と都会では違うと思う。それに、オーストラリアは、広大だ。昨年1カ月オーストラリアに滞在した時、皆、とても親切で、とてもそんな感じには、思えなかったけどなあ。
 今年予定のワールドカップ開催予定地の南アフリカも、2006年オリンピック開催予定地のブラジルのリオデジャネイロも、治安が(本気で)心配されているけど。
 ところで、今回のハイチでの地震、それをきっかけに、盗難や空き巣、更には、強奪や殺人まで起きている。かってのカリフォルニアでの地震でも、そんなことがあっていたなあ。日本での淡路阪神大震災では、そんなこと、全く全くなかったですね。・・・そうか、日本って、超安全なんだ!
 ということは、日本の安全は、海外では例外ってことになりそうだなあ、・・・考えてみれば、確かにそうかも知れませんね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本のサービス

2010-01-26 09:21:51 | Weblog
 外国に行くと、日本の男は皆、空手をしている様に思われるケースがある。日本では、多くの女性が和服を着こなし、茶道や日本舞踊が出来る。時に謡曲を嗜み、日本人なら、スラスラっと、俳句や短歌が出てきるなんて思われているふしもあるかな。
 で、外国の小中学校に行くと、そんな質問がひっきりなしに出てくる。で、肝心の日本人は、その返答に四苦八苦。
 フランス元大統領ミッテラン氏は、日本文化大好きの政治家で有名だった。ロシアのプーチン元大統領も、柔道が得意だったなあ。北朝鮮の金正日氏も、日本の寿司が好きで、その長男さんも、日本のディスニーランドに遊びに来ていたなあ。アメリカ大統領のオバマ氏も、日本が好きみたいだ(宿泊する上での話)。
 日本への観光客がどんどん増えている。日本の宿泊先でのサービスは、世界一とか。で、台湾では、日本でのいい宿泊先に泊まるのがステイタスにもなっているとか。
 昨年の暮に熊本城に行った時、韓国の人が一番多かったなあ!やはり、昨年の11月に行った新宿の宿泊施設でも、外国の人が圧倒的に多かった。新宿での狭い屋台での食事が、外国の人には、日本らしさが出て、とても人気が出ているとか。
 中国の旅行客が落とすお金も、不景気が続いている日本経済にとってはとても大きいはず。
 取り敢えずの一番の問題は、言葉の壁の様だ。テレビで、60歳過ぎの男性が、英会話の勉強をしていた。それなりの学校にも通っているとのこと。理由は、それが外国の人へのサービスになるからとのこと。
*写真は、小さい時の息子。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4つの顔(下)

2010-01-25 16:22:53 | Weblog
 大学の入試では、決められた時間内に、その大学の過去の問題から、傾向を充分に把握しておいて、時間配分を上手に使って、出来る問題を落とさない様にして、他の受験生よりも出来ることで、合格となる。当然、出題者がどうなっているかで、問題の質がガラッと変わることがある。
 資格試験でなく、選抜試験では、人間性とか、他者への思いやりとか、多様性への価値観とか、不確かなものへの挑戦とか、新しいものへの挑戦とか、自分らしさとか、そんなものは、二次的なものとなっている。
 医学部に入学してからがもっと大変である。まず、その量の多さに驚く。それに、講義のスピードが早い。多くの秀才があっと言う間に、劣等生になってしまう。追試、再追試、留年、・・・精神的に追い詰められて、潰瘍になったり、鬱になっている人も出てくる?!
 暗記モノが多く、試験の時に、一時的にでも頭に詰め込める能力が試される?基礎医学の解剖学、生理学、生化学、それに、分子生物学、発生学、免疫学、・・・どうしたらこの莫大な量をこなしていけるのか(こなしていけない。日進月歩なので、教科書が直ぐに古くなる。基礎的なことをしっかりと把握して、後は、雑誌で追っかけるしかないことに気が付く)。
 医学部では、実習が実に多い。午前中は講義、午後は実習、夜はレポートを書くって感じの日が延々と続く。
 医師国家試験が難しい(東大医学部を出ても、約1割が不合格の難しさで、大学入試と同じで、それなりに受験勉強をちゃんとしてないと、まず、合格は無理!?)。医師国家試験に合格しないで他の仕事を探すとなると、・・・やはり、合格するまで頑張るしかない!?
 医学部に6年間いても、学生の身分では、医師法で、注射1本出来ない制度となっている(欧米の医学教育とは、全く違う旧態依然の教育方?!)。卒業しても、研修2年間は、医師免許証を持っているのに、処方さえ、上の人の監視の上でないと許されない(ケースが多い)。医学部の教育なんて、教える方も、無報酬で片手間にしていることが大部分。
 医学部に入学して、ジワジワと現実を知ってくる。しかし、もう、後戻りはできない。医師になっても、給料の低さに驚く(薬を使って下さいと言っているMRの人の方が、給料がいい)。医療のきつさに驚く(当直明けにも普通通りに仕事をこなさないといけない)。医療界の制度のおかしさに驚く。学生時代の医学教育以上に、卒後教育のおかしさに驚く。コンピューター相手に書くことの何と多いことか(近年、益々)。それに、患者さんへの対応の難しさに驚く(日本人全体が、感謝の念を忘れている傾向にあるのかな?!)。
 マスコミの医者叩きに驚き、卒後の医療の進歩に驚く。大学との関係、博士号の有無、忙しい中での学会参加、医師会員加入の是非、問題は、次から次へと来る。そして、婚活!?
 医師が科を選ぶ場合、小児科や産科は、女性にはとても合っていると(私自身は思っている)。母親の気持ちになれるし、お産する人の気持にもなれるから。しかし、卒後まだ一人前でなくて、結婚・育児となると、仕事との間に挟まれて、大変な思いをすることとなる。半人前の状態のまま育児に専念して、その後、再びとなっても、初めからやり直しって感じにもなるかな?!
 一人前の医者になっても問題は、山積している。医者の子育て一つとっても、悩んでしまう(深夜でも受け持ちの患者さんを起きて診るべきか、それとも、大切な家庭を大事にするべきか)。地方の病院勤務となれば、経験してない他の科の患者さんも、当直で診ないといけない。いつも他の医者に応援を頼むわけにもいかない。(田舎で、数少ない医者でしている場合は、高給をもらうことになり、そうだと、そこにいれば、深夜も診ない訳にいかないケースが多い?!)
 (個人差がある為に)不確かな予想と判断の中で、(医療訴訟に怯えながら)、誰にも分かってもらえないと開き直りながらも、歳を確実にとって行く。
 医師の自殺率は、普通の人の3倍もある(特に、人に悩みをあまり相談したがらない男性の場合は、女性の3倍)。
 今からの医師に求められるのは、医師としての技量はもちろん、医師としての倫理観はもちろん、それに、「体力」と「鈍感力」かな。
 今は、受験の真っただ中だが、小さい時から受験勉強漬けでは、それは、出来にくいかな。不景気で、今年は、看護系の受験生が全国的に多くなっている。医療って、患者さんの為にあるもの、そうですよね!

*写真は、平成22年1月25日(月)17:35、循環器疾患で、ヘリにて搬送(医局より撮影)。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4つの顔(中)

2010-01-25 16:13:00 | Weblog
3、悪魔の顔について
 「先生、いくらかかってもいいですから、出来る限りの事をして下さい」と、幾度か言われてきた。しかし、退院時の親の顔は、どうだろうか?
 多くの人は、本来、人間は健康のはずだと思っている。不幸にして病気になった事で、医者は収入を得て、生活が出来ることになる。そもそも、あのまま元気だったら、医者にかかることもなく、不必要な心配もしなくてよかったはずと思いたくもなる。人の弱みに付け込んで、人の不幸で儲けやがって・・・格差社会で、ちょっとの医療費でも、その後の生活に大きく影響してくる今の時代だと、尚更、そう思われても仕方ないかな?
 予防や健診やお産では、(結果に特に問題がなければ)、医者が悪魔に見えることは少ないと思う。しかし、病気で高い医療費(皆保険制度があり、高額療養費制度があり、欧米と比べると、超恵まれていると思うのだが)を払わされることとなると、・・・医者が悪魔に見えること、確かにありか?!
 人間とは勝手なもので、健康の時には健康の有難さが分からない。病気になった時に、健康であったらどんなにいいかなあと思う。特に、ひどい状態になった場合。しかし、健康を取り戻すと、その思いを直ぐに忘れてしまう。

4、4つ目の顔について
 そして、医者には、医者しか分からないもう一つの顔があると思う。
 医者になるまでには、実に多くの困難と試練を伴い、医者になっても、医者しか理解できない苦しみがある。(自分も、医者になって、初めて知ったこと、多いです!)
 まず、医学部に入るまでが大変である。知っての通り、超最難関。特に、今は。国公立の医学部に行こうとなると、地方の医学部でも、東大受験並みの成績が必要とされている。
 小学生の時から、それなりの中学校(その多くは、中高一貫教育の学校)に行く為に、土・日も塾通い。中には、いい塾に入る為にも、競争があるとのこと。大学入試は、(欧米と違って)年に1回しかない。医学部浪人を何年もすると、他の学部に行っても、年がハンディーになって、就職難ってことになり兼ねない。そうなると、何が何でもって感じで、何浪もしている人もいる。(自分も2浪したが)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4つの顔(上)

2010-01-25 15:44:11 | Weblog
4つの顔
 医者には3つの顔があると言われる。学者の顔、神様(天使)の顔、そして、悪魔の顔が。

1、学者の顔について
 医学は科学である。それ故、医者は、科学者としての目を持たなければいけない。患者さんから話を聞き(問診)、診察し(視診、聴診、打診、触診)、必要があれば検査をし、そして診断をして、治療を決める。今までの知識を縦横無尽に駆使して、今までの経験も生かして、時には、他の医者のアドバイスも受けながら。まさに、パズルを解くが如し。

2、神様(天使)の顔について
 医学は単なるサイエンス(科学)ではない。サイエンスに支えられたアートでもある。医学が他のサイエンスと違うところは、生身の人間を対象としていることであろう。それも、生老病死を対象として。それ故、医療においては、病気ではなく、病人を診ないといけない。医療とは、病気で病んだ人と医師(や医療従事者)との信頼関係に基づいて進める共同作業と言うことになる。
 共同作業を行う上で、お互いにミュニケーションが上手にとれることが必要とされる。
 「先生にお任せします」と言われることがある。その都度、ああ自分が医療をする上で、こんなに患者さんから信頼されているんだなあと思って嬉しく感じてきたが、それと同時に、自分の判断でこの子はひょっとすると死んでしまうかも知れないと思って、責任の重さも同時に感じてきた。
 医学(特に医療)では、絶対と言う言葉は使えない。しかし、医療を受ける側にすれば、特に、病気で苦しんでいる子どもを持った親御さんにとっては、医者が神様みたいに見えることもあるだろう。重症であればある程、そう思うだろう。医者の一言一言が、その時の親御さんにとっては、神様の一言一言に近いものに聞こえるかも知れない。気になる症状がずっとあって、検査をしてもらって、その結果を、医者から、「どうもないですよ。正常ですよ。」と言われた時、その医者は、正に、神様的存在に見える。(自分も、ずっと血便が時々続いていて、内視鏡検査で、正常ですと言われた時、そんな思いだった。)
 しかし、典型的な症状や所見がなければ、早期診断や早期からの適切な治療が難しいのは言うまでもない。ガンにしても、猛スピードで進行するガンもあって、半年に1回では、早期診断不可能で手遅れってケースもあるのだ。
 それにも関らず医療訴訟があるのは、一般の人にとっては、医者は神様的存在で、立派に勉強してきているから、自分の先生に関しては誤診はまずなく、最高の治療をしていると思っているからではないだろうか。信頼が大きければ大きい程、予想していた結果と大きくズレている場合には、それだけ憎しみも深まるかも知れない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする