山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

単なる政治パフォーマンスのサミット

2016年05月28日 08時24分02秒 | Weblog
 伊勢志摩サミットのお祭り騒ぎが終わった。先進?7か国が世界を動かせる時代は、もうとっくの昔に終わっている。だからG20が主舞台になっているし、G193こそが尊重されなければならない。ところが40年前を夢想していまだに同じことをくりかえしている。
 安倍首相などは完全に内向き、選挙対策的な振る舞いばかりだった。アベノミクスの3本の矢を世界に広げる?国内で失敗しているアベノミクスを世界に?世界経済はリーマンショック前の状態に似ていると、それまで言及したこともないことを言って他の6か国を揺さぶろうとしたが失敗。アベノミクスの失敗を告白することが先だろう。世界経済を引っ張る新興国の伸びは鈍っている。だが、リーマンショックの前夜ではない。他国の冷たい反応を見ればわかる。そこにはリーマンショック級だといって消費税10%を延期するためのいいわけづくりしか見えない。個人消費が引き続き縮小しているもとでは10%中止は当たり前だ。すなおにアベノミクスは失敗しましたと言って中止宣言すればいいのだ。
 大規模な財政出動による経済のテコ入れを主張したが、ドイツ、イギリスに一蹴された。第一、世界最悪の財政状況の日本にどれだけの力があるのだ。安倍内閣になって財政規律のタガがはずれ、借金は膨れ上がるばかりだ。マスコミは批判もしない。借金地獄の日本が借金を主張し、単年度黒字で優良財政のドイツが拒否する。一番の主題だといった問題での一致もないのだから、サミットは単なるお祭り騒ぎでしかない。
 先進国だけでなくより被害を受けている途上国の財政を空洞化させている多国籍企業による課税逃れ、それを暴露したパナマ文書への、機敏で断固とした対処をしないサミットなど、世界経済、財政への指導力などないに等しい。
 オバマ氏の広島訪問で注目された核廃絶では、首脳宣言は「不拡散・軍縮」という項目で、「核兵器のない世界に向けた環境を醸成する」「核兵器の不拡散」をいうだけだ。環境づくりでは核廃絶は何百年後の話、核保有国の特権だけは離したくないという不拡散、そこにくっついていく核の傘の日本。核の問題では、国連総会のレベルとは雲泥の差だ。恥ずかしいレベルだ。
 だから、サミットなど何の意味もない。各国首脳の豪華外遊にすぎない。議長国となった日本にとって、空前の警備費用をふくめ600億円ものむだ遣いの、安倍のための参院選対策の政治ショーに過ぎなかった。舛添の公費むだ遣いの何百倍だ。
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2 コメント

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ハァ… (安打製造屋)
2016-05-28 14:53:09
結局伊勢志摩サミット(国際七か国政治ショー)は、何の結果と効力を発揮出来ず、現在の日本の問題を世界に晒す結果になっただけでした。(一例として伊勢神宮に各国の首脳を迎えるという宗教の政治利用が問題視されない等々…)
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そうです (yamagami)
2016-05-30 22:12:37
安倍首相は右翼政治思想を国際会議の場にまで持ち込んだという点で前代未聞の人物です。靖国ならばアメリカ政府から差し止めがくるけれども、伊勢神宮はまだ理解が浅い。合理的判断の場であるべき国際政治に神がかりを持ち込み、体験させようという。伊勢神宮は右翼政治運動の発信源でもある。
 でもヨーロッパの反応はおもしろい。『毎日』5・30付けの「風知草」は「納屋のような建物とさい銭箱以外、みるべきものなし」「これがにほんで最重要の神社とは」などのネット書き込み目立つという。清水寺や金閣寺、東大寺でなく、古い小屋を20年ごとに建て替える。フェノロサも伊勢神宮を原始的で低級な建物と見下していたそうだ。面白い指摘だ。
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