私のポン友に実に器用…いや、見事に鑿を揮う御仁がいる。
鑿を揮うって言っても、いろいろありますが
彼は「神楽面」を趣味でやっている。
いや、既に趣味を超えているといってもいいのでは。
こと(神楽面に興味を持った)の発端の経緯を
聞いたことはありませんが…
こんなパンフレット…ご覧になったことありませんか?
これによると 公演情報では
「東九州 神楽人の祭展」が9月3日(土)11:30
九州国立博物館で。
「京築神楽の里フェスティバルが11月19日(土)10:00
みやこ町中央公民館で。
この二つの公演は「入場無料」となっています。
…凄い団体なんですよ。
この京築地域に30を超える神楽団体があり、地域の人々によって
大切に守られ、次代へ伝えられているのです。
私も一度」この神楽を鑑賞しました。
さて、神楽って ? ということで…
資料で調べてみますと~ なかなか これが正当…ってのは難しい。
なんせ起源も古いし、全国的なので、時代を重ねていくうちに
いろいろと工夫もされ、流派も増え、それだけに様々であり、
その目的もいろいろ…しかし、その時代により私たちの暮らしに
寄り添ってきたものだと言えるのでしょう。
広辞苑を開いてみると~「かむくら(神座)が転じたもの。
◆①皇居および皇室との関連が深い神社で神をまつるために
奏する歌舞。
◆②民間の神社の祭儀で奏する歌舞…①と区別する場合は
里神楽(さとかぐら)という。
全国各地に様々な系統がある。
その他~。
神楽を知り、学ぶこと それは信仰の歴史と
密接に結びついているようです。
そもそも信仰の始まりは、縄文時代まで遡り、現在まで残る
数多くの遺物から、自然崇拝や呪術を重視していた日々の暮らしを
知ることができます。
神が自然や事物に降臨し、鎮座するという観念がほぼ固定され
巨石、樹木、太陽が昇り、沈む聖域である高い峰などが祭祀の対象
となり、やがては人の手によって「神座」が設けられるように~
こうして、神座において神を迎え、祈祷の祭祀を行う。
人々の長寿、五穀豊穣、災害を追い払う…などが目的に。
さらに 文献では、「古事記」「日本書紀」に書かれた
「岩戸隠れの役」という神話。
天鈿女命(アメノウズメノミコト)という女の神様が、天の岩屋の前で
足を踏みならして踊り、天照大神(アマテラスオオミカミ)が天の岩屋から出る
きっかけを作ったというもので、この天鈿女命の踊りは、神楽を含む後世の
様々な芸能の起こりと結びついて語られています。
…ものの資料より…
このパンフレットのフレーズにも 五穀豊穣、恵みに感謝。
想いを込めて、神楽舞う。
神々と泣き、笑い、生きるふるさと。神々をなぐさめ、
祈りをささげるために奉納される神楽。
面どうな ことはさておいて…
彼は苅田町で「南原神楽講」で活動もし、面も彫っている。
現在、苅田町の「北九州銀行内」で展示中。
彼の 彫った鑿の芸術作品を楽しんで下さい…
正面に いろいろな面を ずらりと…
大きいものから 小さなもの
これは凄いなぁ~ ふむ ふむ なるほど~ こんなにもいろいろ種類があるんだ…
「京築神楽の里」と座板に書いてある。
このサイズと同じもの 我が家にも一つ彼から頂いたものが。
「面」と一口に言っても、ぜ~んぶ 顔 違うんですよ…展示中の「赤」面
ご覧ください。
ご覧の皆さんの「心」の中が 答えを出しているのでしょうね~
神楽は、宮中で行われる御神楽と、民間で行う里神楽の2種類に大別するそうです。
神楽の研究者たちが、どんな視点で神楽を分析してきたのか…
諸説の流れがあって、戦後の神楽研究における第一人者であった本田安次氏の分類
によればそれぞれの特色により
①巫女の神楽 ②出雲流の神楽 ③伊勢流の神楽
④山伏神楽・番楽と太神楽を含む獅子神楽 ⑤奉納神楽舞
の五つに分けられています。
また、その後も、
①採物神楽 ②湯立神楽 ③獅子神楽の三分類法などが
発表されていますが、神楽は、それぞれの要素が重複している部分も多く見られ
明確に分けることは難しいようです。
ここで「里神楽」(民間)の種類で
◆獅子神楽
神が姿を現したものとして権現を奉じ、悪魔祓いや火伏せの祈祷
息災延命を祈る神楽です。山伏神楽・番神楽と太神神楽の二つの
系統があります。
□山伏神楽ー番楽
東北地方に分布している山伏によって行われていた神楽です。
獅子舞、権現舞、番楽、ひやま、能舞など、所によって呼称
が異なります。
□太神楽
放下芸と呼ばれる曲芸を取り入れた伊勢太神楽をはじめとする
神楽です。曲芸の代わりに、狂言や漫才を取り入れた太神楽も
見られます。
◆奉納神事舞
神楽以外の民族芸能として分類されている舞楽や田楽の中にも、
奉納の舞という意味で神楽や太々神楽と呼ぶところが見られます。
「楽」は、鎮魂を意味する古語である「アソビ」という読みもあり、
中世には芸能を意味する語としても使われていたそうです。
難しいことはさておき、「楽」は 音楽、楽しく、楽しんで
心の「遊び」のひとつ。 楽(らく)な気持ちで鑑賞するのも
また ひとつの楽しみ方ではないでしょうか…
ながながと ごめん~