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古(いにしえ)の陶工の技が眩い

2016-10-26 | 日記・エッセイ・コラム

 市立文学館を出たら…霧雨が 

 大した雨でないので 歩いて、リバーウオーク北九州へ向かう。

 5階の「北九州市立美術館分館」

  開催中の「九州古陶磁の魅力」

      田中丸コレクション展に

  

   観覧料1,000円

 

チラシ説明には…桃山時代から江戸時代にかけて、日本陶磁は転機を迎え

そして大きく開花しました。中でも重要な役割を担ったのが九州陶磁でした。

朝鮮半島から渡来した陶工たちは、唐津や有田をはじめ九州各地に窯を開き、

優れた陶器を生産する礎を築きました。

日本初の磁器生産に成功した有田地域では伊万里焼、鍋島焼など日本独自の

美意識を有する磁器が作られ、17世紀ヨーロッパへ輸出され、その魅力は海外に

まで広がりました。

 

 今回は田中丸コレクションの逸品が展示されており、その収蔵品の質の高さは

まさに愛好家にとってはたっぷりと古陶の魅力を堪能することができました。

 渡来した陶工たちの腕の冴え! 光ってました。

また 変哲もない器が、使う人の心や 場所、季節、使い方 そして相手により

その姿を変える? そんな感じを受けました。

田中丸善八氏は 茶道を好み、優れた九州陶磁器を愛し 50年に渡って、収集し

名品を今日に残し こうして我々が今、愉しむことができる。

 ひとつ ひとつの器を眺めていると…どんな時に 誰が?

 どんな使い方をしているのかな? と 想像力が膨らんできます。

 最近の私の講演でも「戦国時代」を取り上げ、信長、秀吉、家康の話に

「器」を登場させて、物語を展開する… 利休も 織部も顔を出します。

 そんなことを、あれこれ考えながら…展示品をゆっくりながめてきました。

  これもまた偶然なのか このところ こんな本を読み終わりました。

   

 

  「絵唐津菖蒲文茶碗」 17世紀初期    「奥高麗茶碗 銘 閑窓」

   ナンバー1 の名品

                 

 「三島唐津茶碗 銘 蓬莱」         黒唐津片口

                

 

  これはもう うっとりしましたね。

  しばらく 四方八方から 眺め 独りで 悦にいってました。

  何とも言えない 優雅さ、 釉の微妙な変化はやっぱり神の技だ

   高取 「耳付四方水差 銘 若葉雨」

   銘も 若葉雨だなんて… もう ぴったりだね。

  

  そして この作品も シンプルだけれども陶工の腕の冴えを感じます。

   描けそうで…描けない こんな単純な筆さばきこそ 素直な人でないと

  この自然さは どうですか

   

  この器を 田中丸さんは 賓客を私邸に招き

  彼 自らの茶室「松 庵」で ひとときを過ごし

  客人にこの器を色紙に描いてもらっていた…その色紙が飾られていました。

  客人とは…九州の電力王 安永翁をはじめ

   歌舞伎役者の坂東三津五郎、画家の東山魁夷

   作家の武者小路実篤  など 各界の有名人たちも筆を取った。

  

  展示品は100を超えるもので その姿に圧倒 

   お茶を嗜む方ばかりではなく 是非 この機会に訪れてみると

あなたの世界も変わるかも? 

  では 少し 続けて鑑賞いたしましょう。

現川 「刷毛地色絵抱銀杏文輪花皿」 伊万里「染付花鳥文皿」

                 

伊万里「色絵祥瑞写団龍文稜花鉢」   柿右衛門「色絵団龍文陶板」 

             

柿右衛門「色絵花鳥文陶板」      柿右衛門「色絵唐子舟遊図皿」

              

柿右衛門「染付山水図大鉢」    色絵唐子文面取徳利

            

  鍋島「色絵蕎麦花畑文皿」

     

   これ 素敵ですね  チラシの顔になっていました。

    蕎麦の花を こんな タッチで サラリと描いて…唸りますね。

「鍋島「色絵木犀文皿」    鍋島「色絵更紗文皿」

           

      鍋島「青磁耳付広口花入」

    

 

 

今日は 銘品の鑑賞をしてきましたが 

日々の暮らしの中にこそ   「器」は使ってこそです。

それが たとえ銘がなくてもです。

 「玉 磨かざれば 器をなさず」 の言葉もあります。

人間のことだけではなく

器そのものだって、心を込めて 使ってあげれば 光ってきます。

味も出て来ます そして 深みも増してくるというものです。

 

手持ちのささやかな器 大事に使い、美味しく「食」を愉しむことに。

 

 



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