徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

いかにも多すぎる国会議員―定数削減の掛け声はあれど―

2012-02-19 12:00:00 | 雑感

春の足音は、確実に近づいている。
でも、まだしばらくは厳寒の日々が続きそうだ。

巷には、相変わらず「ゾウゼイ、ゾウゼイ」の声しきり・・・。
消費税増税をめぐって、国民不在の与野党の論戦が続いている。
でも国会の予算委員会での、様々な政策をめぐる質疑論戦は、空疎で上っ調子だ。
国民の、本当に知りたいことがよくわからない。

野党は、昔ながらに、与党の不祥事の追及や愚にもつかぬ揚げ足取りに終始し、政府与党もお座なりの官僚的な答弁の繰り返しで、同じことを幾度も質問し、幾度も同じことを答えている。
消費税についても、国民の納得のいく真摯な説明が不十分で、いたずらに国民の負担をあおる増税話ばかりで、この国をどうしようとしているのか、国会議員の仕事の何たるかを真にわかっているのだろうか。

現在、衆参両院合わせて722人もいる国会議員は、日頃どんな活動をしているのだろうか。
これだけ多くのの数の国会議員が、こんなちっぽけな日本に本当に必要なのだろうか。
議員の一人一人が、身を削って、庶民の生活に直結する「庶民感覚」を、どれほど持っているだろうか。
国の借金が1000兆円にもなるという、財政悪化の責任が、国民にあるかのように喧伝されてはいないか。
その原因たるや、政治家(この国では、政治家といっても政治屋に等しいが)や、お役人たちが自分たちの利権を拡大し、営々と(?)甘い汁を吸ってきたのではなかったか。
たとえば、無駄なダムをあちこちに作り、無駄となる道路がどれだけ作られてきたことか。

そんな国会議員の給料は、世界一高いのだそうだ(!)。
官僚の待遇も、また世界一というではないか。
あっ、と驚くことばかりだ

日本の国会議員の報酬は、給料だけでも年収2000万円を軽く超えている。
この数字は、アメリカ(1300万円)、フランス(800万円)、イギリス(700万円)などと比べても、断トツではないか。
国会議員の歳費は、月給129万円、年間635万円の賞与があるから、これだけで年間約2200万円だ。
そしてこれとは別に、文書通信交通滞在費と称して年間1200万円が支給されているし、これは非課税で使途報告も必要のない「つかみガネ」といわれる。
一流企業の社長の、平均給与に匹敵する額である。
そのほか、JR全線無料パスや無料航空券が支給され、豪華格安の議員宿舎に公用車まで付く。
これに公設秘書の給与などを含めると、1人当たり年間1億1000万円以上の、税金が使われている計算だ。
昨年の東日本大震災で、いったんは毎月50万円の歳費カットを決めておきながら、9月にはこれをあっさり終了させ、冬の賞与は満額の291万円支給で前年よりも9万円多かった。
民間企業の不況など、どこ吹く風である。

野田首相は、消費税増税で不退転の意思を表明しているが、身内の議員の歳費や政党助成金には触れずじまいである。
こんなことって、許されていいのだろうか。
国民には増税を求めておいて、国会議員や政党だけが甘い汁を吸っている。
私利私欲に目がくらみ、せっかく手に入れた議員の任期の間だけでも、その甘い汁を吸っていたいという、卑しい(?)気概が見え見えだから困る。
いや、本当に・・・。

政党助成金にいたっては、議員が眠っていたって支給され、総額およそ320億円(!)にもなるのだそうだ。
最小額の党で1億円ぐらいで、これが各議員へ分配されることになるのだろう。
給与やら、助成金やら、団体や個人からの献金や政治資金をを積み立て、超高額なマンションの購入ローンをわずか数年で完済したという猛者もいるから、あきれてものも言えない。
何故、議員や政党の財布には切り込めないのか。
それはそうだ。美味しい話をカットされてたまるかとの思いを、絶つことができないのだ。
が、しかし、国民の目線からいえば、政党助成金は、思い切ってやめたほうがいい。
共産党は受け取っていない。こういうところは、見習ってもいいのではないか。

増税を叫ぶ前になすべきことは山ほどあるのに、それをしないで「ゾウゼイ、ゾウゼイ」である。
自分たちの既得特権だけは、失いたくないからだ。
これでは、政治がよくなるわけがない。
国会議員になりたがる人は、こうした利権にあやかりたいがためで、かつての藤山愛一郎外相のように、自分の身銭を切ってでも、国家国民のために尽くそうなんていう政治家は、一人として今の国会にはいないのではないか。
政治とは、自分の身を投げ打って、極言すれば、たとえ無報酬でも生活資金さえあれば、国家国民のために尽くすというのが本筋だ。
だが、悲しいことに、いまどきそんな政治家はいない。
…なのに、そんな国会議員が722人とはいかにも多すぎる。

さすがに、野田首相も、自分たちも身を切る努力をしなくてはと、増税実施の前までに、衆議院の80議席を減らすと語った。
これとても、いい加減なごまかしとしか思えない。
単なる、パフォーマンスと思っていた方がよい。(苦笑)

80議席を減らすというなら、速やかに総選挙でも何でもやって実施すればいい。
それさえできないで、「ゾウゼイ、ゾウゼイ」は納得できない。
財源がないというなら、まだまだ有り余る無駄を完全になくすことだ。
それをやれない。いや、やれないのではなく、やる気などさらさらないのではないか。
少なくともそう見える。
口先だけの話なら、これまでどれだけ国民は騙されてきたことか、やるやる詐欺と同じだ。


現在いる722人の国会議員の大半は、これといって天下に胸を張れるような仕事などないというではないか。
仕事をしているといえば、政務三役とか党役員、閣僚ぐらいで、ほとんどの議員は委員会の員数合わせで、政府提出法案の採決要員として起立させられているだけだと、ある新人議員も語っていた。
だから、社会保障学の学習院大学の鈴木亘教授は、「日本は衆院240人、参院は各県代表の47人で十分だ」というのだ。
確かに、人数が少ない方が物事は早く決められるし、失礼ながら722人の議員がいたって、役立たずが多いだけで、誰が誰だかもわからない。
722人の歳費を考えただけでも、とんでもない税金の無駄使いなのだ。
国会議員は、甘く見たって今の半数以下に削減すべきなのだ。
ここでは詳しく触れないけれど、一部マスメディアの情報によると、地方の都道府県議会1800議会の議員総数36000人は、年間実働20日で年収1200万円を軽く超えているというから、これまた国会議員以上に、あまりにもひどすぎる話で、怒りが込み上げて来ない方がおかしい。
こちらのほうは、給料のほかに日当まで出るというから、とんでもない話だ。

野田首相は、野党時代に税金を食う役人を「シロアリ」といって罵倒したが、いま国民の代表であるはずの国会議員までもが「太ったシロアリ」化していると、巷ではささやかれ始めている。
国会議員や地方議員が、そんなことでいいのだろうか。
これでは、どんなに国民が税金を納めても増税しようが、財源不足で潤うわけがない。
「シロアリ」がそんなに増え続けているなら、早々に駆除しなければいけない。
放射性物質の除染も大事、有害虫の駆除も急務だ。
何とも、情けない話である。

政治家は、国民に約束したことを確実に実行し、その結果について、責任をちゃんと果たさなくてはいけない。
政権の無責任は、許されるべきではない。
野田内閣は、閣僚からしていまだにひよこのような「お子ちゃま内閣」で、残念ながら瓦解する日はそう遠くはないと思われる。
・・・やがて、季節は確実に春を迎える。
国会は、政界再編をにらんで、波乱を呼ぶ新たなる展開となるに違いない。
かくして、またも「終わり」が始まる・・・。