「骨董・新古美術・我楽多余市」余聞
「木彫の恵比寿像」
東京浅草「浅草寺」脇の磯蔵酒造直売処・日本酒文化専門店・窖(あなぐら)の店内に安住の地を得た。
水戸市泉町・スマイルタワー3階で7月28日~8月6日まで開催された「骨董・新古美術・我楽多余市」はFacebookのみの広報(一部の友人には電話連絡も)だったが、多くの友人に来ていただいた。
来訪者によるFBやブログにアップされ、会場の様子など良い記念になった。
「モノを肴にした語り場」ではあったが、「蒐集品の身の振り先」の意味合いもあった。
磯蔵酒造ブログ【蔵人日記】の2018年08月07日「蒐集家の宿題」と題した記事は、過分なお褒めの部分もあるが「モノを肴にした語り場」
「蒐集品の身の振り先」など、当初の狙いを理解した内容なので、蔵主の磯貫太さんの了解を得て、全文を転載させていただくことにした。
磯蔵酒造ブログ【蔵人日記】の2018年08月07日「蒐集家の宿題」全文。
『買物が苦手な私は、モノを集める習性は持ち合わせていないが、しかし、モノを捨てるのも苦手なので、身の回りは、高校生くらいからの本やレコード盤を始め、中には今やサイズ的に着れない衣類まで、かなりの数の「お気に入り」で溢れかえっている状況。
カミサンこそ、そう言う事を五月蝿く言う性格ではないが、ワタクシに何かあった際に「誰が片付けるのか?」を考えると、気が重くなる。
そんな先日、ワタクシが高校生の頃より遊んで頂いている、とてもファッショナブル(この言葉は彼のためにこそ有る!と断言しよう)で、個性的で、人間味あふれる友人(父と同世代だがあえて今回は友人と呼ばせていただき生意気を言おう)が、「骨董・新古美術・我楽多余市」と称し、長年集めた蒐集品の展覧会を開くというので、早速出かけて来た。
ギャラリーと称された雑居ビルの一室には、彼の80年近い人生を表わすかのように、彼が訪れた様々な場所、そして彼が関わったたくさんの人々、との思い出いっぱいな珍品の数々が処狭しと並んでいた。
魅力的な品々に「売るのか?」と訊けば、「欲しいと言うなら、その人間と話し、所蔵するに相応しいかどうかを判断する。値段は交渉次第だ。」と、恐ろしく高飛車な「我楽多余市」だ。
そんな展覧会で彼は、訪れた客に蒐集品にまつわる四方山話を嬉しそうに話し、時には客が差し入れる酒(彼は街で無類の呑んベエで知られている)を、待ってましたとばかりに、用意してあった(笑)ぐい呑みで、人生の機微を肴に一杯やりながら、そこにいた「友人を友人に紹介し友人にする事」を、心から楽しんでいるようだった。
そして、しばらくして気づいたのだが…しまいには「これはあんたに似合うな」とか「これはあそこに置いて欲しいな」とか言いながら、蒐集品の嫁ぎ先を強制的に決め、無料配布しはじめ…いや、そのほうが多いのではなかろうか!?
そうかっ!こういう身の回りの整理の仕方(彼はまだまだ元気ですが)があったのかっ!
カッコイイ男はどこまでカッコイインダ?!
と、心底感心したので…久しぶりに仕事とは関係ない長文を書いてみました。
因にワタクシは「お前は人と盃を交わしてばかりだからな」と、随分と時代のある「盃洗」と、
そして「浅草の窖に似合うぞ」と木彫りの「恵比寿さん」をお預かりした。
写真がその恵比寿さん。
浅草は「日本酒文化専門店 窖」で皆様のお越しをお待ちしてくださっております。
私が長年お世話になっている楽器屋さんが「良い楽器はお金を払って一時期借りているだけ。
一緒に墓に入れるなんてもってのほか。
必ず次の弾き手に渡す義務がある」と言っていたが…
これらを、何時、何処の誰に、どうやって引き継ぐのか…
それは彼が私にくれた大変な宿題。』
「木彫の恵比寿像」
東京浅草「浅草寺」脇の磯蔵酒造直売処・日本酒文化専門店・窖(あなぐら)の店内に安住の地を得た。
水戸市泉町・スマイルタワー3階で7月28日~8月6日まで開催された「骨董・新古美術・我楽多余市」はFacebookのみの広報(一部の友人には電話連絡も)だったが、多くの友人に来ていただいた。
来訪者によるFBやブログにアップされ、会場の様子など良い記念になった。
「モノを肴にした語り場」ではあったが、「蒐集品の身の振り先」の意味合いもあった。
磯蔵酒造ブログ【蔵人日記】の2018年08月07日「蒐集家の宿題」と題した記事は、過分なお褒めの部分もあるが「モノを肴にした語り場」
「蒐集品の身の振り先」など、当初の狙いを理解した内容なので、蔵主の磯貫太さんの了解を得て、全文を転載させていただくことにした。
磯蔵酒造ブログ【蔵人日記】の2018年08月07日「蒐集家の宿題」全文。
『買物が苦手な私は、モノを集める習性は持ち合わせていないが、しかし、モノを捨てるのも苦手なので、身の回りは、高校生くらいからの本やレコード盤を始め、中には今やサイズ的に着れない衣類まで、かなりの数の「お気に入り」で溢れかえっている状況。
カミサンこそ、そう言う事を五月蝿く言う性格ではないが、ワタクシに何かあった際に「誰が片付けるのか?」を考えると、気が重くなる。
そんな先日、ワタクシが高校生の頃より遊んで頂いている、とてもファッショナブル(この言葉は彼のためにこそ有る!と断言しよう)で、個性的で、人間味あふれる友人(父と同世代だがあえて今回は友人と呼ばせていただき生意気を言おう)が、「骨董・新古美術・我楽多余市」と称し、長年集めた蒐集品の展覧会を開くというので、早速出かけて来た。
ギャラリーと称された雑居ビルの一室には、彼の80年近い人生を表わすかのように、彼が訪れた様々な場所、そして彼が関わったたくさんの人々、との思い出いっぱいな珍品の数々が処狭しと並んでいた。
魅力的な品々に「売るのか?」と訊けば、「欲しいと言うなら、その人間と話し、所蔵するに相応しいかどうかを判断する。値段は交渉次第だ。」と、恐ろしく高飛車な「我楽多余市」だ。
そんな展覧会で彼は、訪れた客に蒐集品にまつわる四方山話を嬉しそうに話し、時には客が差し入れる酒(彼は街で無類の呑んベエで知られている)を、待ってましたとばかりに、用意してあった(笑)ぐい呑みで、人生の機微を肴に一杯やりながら、そこにいた「友人を友人に紹介し友人にする事」を、心から楽しんでいるようだった。
そして、しばらくして気づいたのだが…しまいには「これはあんたに似合うな」とか「これはあそこに置いて欲しいな」とか言いながら、蒐集品の嫁ぎ先を強制的に決め、無料配布しはじめ…いや、そのほうが多いのではなかろうか!?
そうかっ!こういう身の回りの整理の仕方(彼はまだまだ元気ですが)があったのかっ!
カッコイイ男はどこまでカッコイインダ?!
と、心底感心したので…久しぶりに仕事とは関係ない長文を書いてみました。
因にワタクシは「お前は人と盃を交わしてばかりだからな」と、随分と時代のある「盃洗」と、
そして「浅草の窖に似合うぞ」と木彫りの「恵比寿さん」をお預かりした。
写真がその恵比寿さん。
浅草は「日本酒文化専門店 窖」で皆様のお越しをお待ちしてくださっております。
私が長年お世話になっている楽器屋さんが「良い楽器はお金を払って一時期借りているだけ。
一緒に墓に入れるなんてもってのほか。
必ず次の弾き手に渡す義務がある」と言っていたが…
これらを、何時、何処の誰に、どうやって引き継ぐのか…
それは彼が私にくれた大変な宿題。』