『古陶小集』山上鎭夫(1962年発行・私家版)
骨董・古美術の世界に入門した(1970・昭和45)頃、水戸の骨董界で著名だったのは彫刻家の後藤清一さんと眼科医の山上鎭夫さんのお二方だった。
どちらも雲の上のような存在で、お会いすることやコレクションを拝見するなどは夢の世界であった。
しかし、骨董商の古川敏郎さんを通じ、先ず後藤さん次に山上さんの自宅に伺う機会を得た。
山上さんを訪ねた際に『古陶小集』(昭和36年5月校了・昭和37年1月発行)を戴いた。
A4判・96㌻の蒐集品の図録で撮影は坂本写真研究所。
坂本万七(1900年 - 1974年)は民藝品や仏像の撮影に定評があった。
モノクロだが、お気に入りの4件についてはカラー。
序文に続いて掲載68件について、時代・品名・寸法・感想文が附されてある。
1. 殷 青銅平底爵 高さ16.0㎝
2. 殷 青銅鬲(れき) 高さ16.6㎝
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8. 六朝 加彩婦人俑 高さ59.7㎝
12.六朝 石仏(響堂山) 高さ47.0㎝
14.六朝 石仏(雲崗) 高さ20.5㎝
晩年まで診療されていたので、午後あるいは日曜日にお伺いした。
発行から10年以上を経過していたから蔵品にも移動があり、図録の全てを見てはいない。
しかし、その他の多くの品々も拝見できた。
原色版1.北宋 均窯紫波斑文百合口梅瓶 高さ41.0㎝
原色版2.南宋 赤絵蓮花文小壺 高さ 9.5㎝
原色版3.明天啓 赤絵椿文花瓶 高さ38.7㎝
原色版4.古九谷 色絵鳳凰文皿 径34.1㎝ 高さ6.3㎝
*モノクロが主流の時代、お気に入りの4件は原色版(カラー印刷)で挿入し製本されている。
特に「古九谷 色絵鳳凰文皿」山上コレクションの白眉でアメリカでの展覧会にも出品されたことが有る。
私も手に取って拝見する機会に恵まれたのは良い思い出だ。
現在は「石川県立美術館」の蔵品となっている。
*昭和20年代から「古九谷」と呼ばれるやきものが、有田産か九谷産かをめぐって激しい論争が巻き起こった。今はこれらの色絵磁器を「古九谷様式」と呼ぶことが多いが。
19.北宋 磁州窯 鉄画牡丹文梅瓶 高さ 38.5㎝
36.高麗 青磁陰刻徳利 高さ 29.5㎝
*戦前から収集を始めたが、序文に「戦後間もない頃、私の最も古九谷と埴輪であった」とあるが、中国や朝鮮半島の磁器、ペルシャの陶器など広範囲にわたる。
54.埴輪 武人首 高さ23.8㎝ (那賀郡静村出土)
55.埴輪 鳥 高さ43.5㎝ (群馬県出土)
53.埴輪 農人 全高75.0㎝(群馬県新田郡宝泉村出土)
*武人首は造形力に優れた東海村の窯で作られたと推測できる。
*鋤を担ぐにこやかな笑顔の農夫、京都国立博物館の常設展示品。
「古陶小集」掲載の後に、内外の美術館に収蔵された品々もあるが、多くは散逸し行方は知れない。
この様な図録として纏められたので、コレクションを偲ぶことが出来るのは幸いだ。
骨董・古美術の世界に入門した(1970・昭和45)頃、水戸の骨董界で著名だったのは彫刻家の後藤清一さんと眼科医の山上鎭夫さんのお二方だった。
どちらも雲の上のような存在で、お会いすることやコレクションを拝見するなどは夢の世界であった。
しかし、骨董商の古川敏郎さんを通じ、先ず後藤さん次に山上さんの自宅に伺う機会を得た。
山上さんを訪ねた際に『古陶小集』(昭和36年5月校了・昭和37年1月発行)を戴いた。
A4判・96㌻の蒐集品の図録で撮影は坂本写真研究所。
坂本万七(1900年 - 1974年)は民藝品や仏像の撮影に定評があった。
モノクロだが、お気に入りの4件についてはカラー。
序文に続いて掲載68件について、時代・品名・寸法・感想文が附されてある。
1. 殷 青銅平底爵 高さ16.0㎝
2. 殷 青銅鬲(れき) 高さ16.6㎝
ko4_20210226193116c04.jpg
8. 六朝 加彩婦人俑 高さ59.7㎝
12.六朝 石仏(響堂山) 高さ47.0㎝
14.六朝 石仏(雲崗) 高さ20.5㎝
晩年まで診療されていたので、午後あるいは日曜日にお伺いした。
発行から10年以上を経過していたから蔵品にも移動があり、図録の全てを見てはいない。
しかし、その他の多くの品々も拝見できた。
原色版1.北宋 均窯紫波斑文百合口梅瓶 高さ41.0㎝
原色版2.南宋 赤絵蓮花文小壺 高さ 9.5㎝
原色版3.明天啓 赤絵椿文花瓶 高さ38.7㎝
原色版4.古九谷 色絵鳳凰文皿 径34.1㎝ 高さ6.3㎝
*モノクロが主流の時代、お気に入りの4件は原色版(カラー印刷)で挿入し製本されている。
特に「古九谷 色絵鳳凰文皿」山上コレクションの白眉でアメリカでの展覧会にも出品されたことが有る。
私も手に取って拝見する機会に恵まれたのは良い思い出だ。
現在は「石川県立美術館」の蔵品となっている。
*昭和20年代から「古九谷」と呼ばれるやきものが、有田産か九谷産かをめぐって激しい論争が巻き起こった。今はこれらの色絵磁器を「古九谷様式」と呼ぶことが多いが。
19.北宋 磁州窯 鉄画牡丹文梅瓶 高さ 38.5㎝
36.高麗 青磁陰刻徳利 高さ 29.5㎝
*戦前から収集を始めたが、序文に「戦後間もない頃、私の最も古九谷と埴輪であった」とあるが、中国や朝鮮半島の磁器、ペルシャの陶器など広範囲にわたる。
54.埴輪 武人首 高さ23.8㎝ (那賀郡静村出土)
55.埴輪 鳥 高さ43.5㎝ (群馬県出土)
53.埴輪 農人 全高75.0㎝(群馬県新田郡宝泉村出土)
*武人首は造形力に優れた東海村の窯で作られたと推測できる。
*鋤を担ぐにこやかな笑顔の農夫、京都国立博物館の常設展示品。
「古陶小集」掲載の後に、内外の美術館に収蔵された品々もあるが、多くは散逸し行方は知れない。
この様な図録として纏められたので、コレクションを偲ぶことが出来るのは幸いだ。