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「西の谷緑地公園」を美しく!

「公園都市水戸」の街造りを考える人達と協働したいと思っています。

「中﨑透 フィクション・トラベラー」展@水戸芸術館現代美術ギャラリー

2022年12月05日 10時26分57秒 | 水戸芸術館
「中﨑透 フィクション・トラベラー」展@水戸芸術館現代美術ギャラリー
11月5日(土)~2023年1月29日(日)






水戸芸術館は1990年に水戸市制100周年を記念して開館した。
音楽、演劇、美術の各分野において多彩で魅力あふれる事業を開催している。
生まれた時から「水戸藝」が存在した人たちの中にはプロのアーティストとなって活躍している人たちもたくさんいる。























1976年に生まれた中﨑透は高校時代に藝館の活動に出会った。
以来、鑑賞者として「水戸藝」の企画展に触れ、2007年に水戸に拠点を移してからは美術家としても「水戸藝」の活動に携わるようになった。

本展は、中﨑の出身地である「水戸」と最も身近な美術館である「水戸藝」をモチーフに「もうひとつの物語」を、インタビューとリサーチを通して独自の視点から浮かび上がらせた。





*関連企画として12月4日(日)午後2時から5時まで「プロジェクトFUKUSHIMA!」の上映と、プロジェクト発起人のひとり大友良英(音楽家)と同ドキュメンタリー映画監督の藤井光(美術家)をゲストに、同プロジェクトにおける中﨑透の関わりや経緯などについてのトークショーが開催された。

「3.11とアーティスト:10年目の想像」展@水戸芸術館現代美術ギャラリー

2021年03月11日 13時50分03秒 | 水戸芸術館
「3.11とアーティスト:10年目の想像」展@水戸芸術館現代美術ギャラリー
2021年2月20日(土)~5月9日(日)











百年に一度と言われる新型コロナウイルスによる感染症の世界的な的な流行は、千年に一度とも言われる「東日本大震災」が「過去」となりつつある。とは言え、3月11日の10年目を迎え特集番組も沢山組まれた。

高さ30メートルを超える大津波が押し寄せ、人々の命とまちをのみ込んだ。
死者1万5900人、行方不明者2525人。
12都道県に及んだ被害は、全半壊した家屋は40万5161棟。
原発事故によって今も人が住めない地域は、福島県の7市町村337平方キロ。避難生活の末に衰弱したり自殺したりした関連死は3775人に達している。





「想定外」と称する事例が沢山起きたが、水戸芸術館現代美術ギャラリーは、加茂昂、小森はるか+瀬尾夏美、佐竹真紀子、高嶺格、ニシコ、藤井光、Don’t Follow the Windなどのアーティストたちが「作品」を通して震災に応答する。

展示を見ながら「大震災」は何だったかを、作者の意図や自分の感想を自問自答する機会となる。
VTRを大型のディスプレイで見せる作品も多いが、全てを見ると約3時間はかかるようだ。
このような展覧会の弱点とも言えるが、致し方ないのか。

















幼かった或いは未体験の世代に語り伝えたいと「てんらんかいのしおり」が製作された。
子供ばかりでなく我々にも考えるヒントとなる。

大震災が露わにした問題は人によりけり、多くの事柄が脳裏をかすめる。
大震災は自然災害だが、それに伴って引き起こされた原発事故は人災。
避難に伴う慰謝料や営業損害、除染費用などの費用は膨大で、事故から10年が過ぎても増えるのは確実。
廃炉に要する費用や期間など、原発のコストは大きく地震大国の日本には馴染まない。

かさ上げ、巨大な防潮堤など復興事業をするが住民の減少は止まらない。
再生エネルギー問題で、巨大なソーラーパネル設置に伴う自然破壊など、矛盾することも多い。

「道草展 未知とともに歩む」@水戸芸術館現代美術ギャラリー

2020年09月08日 19時01分09秒 | 水戸芸術館
「道草展 未知とともに歩む」@水戸芸術館現代美術ギャラリー
2020年8月29日(土)〜11月8日(日)






ロイス・ワインバーガー
ワイルド・エンクロージャー
2020 自然発生する植生

『異常気象や環境汚染など、今日、人間の営みが環境に与える影響はその在り方を問われる重大な局面を迎え、政治や経済に対して積極的な対策を求める声が世界各地で上がっています。本展は、このような社会的意識の高まりを背景に、植物への関心やフィールドワークから生まれた現代美術作品を通して、人間がその環境とともに歩んできた道のりを考察する展覧会です。国内外のアーティスト6人が写真や映像などで「人と環境のつながり」人が環境と共に歩んだ道のりや今後を考える。』(展覧会のHPより)





ロイス・ワインバーガー
フィールドワークを通してみた植生にまつわる作品は、タイトルの「道草展」に相応しい。
日常の散策で、四季折々の雑草や庭木などは身近に感じる自然そのもの。



露口啓二のアイヌ文化の拠点であった川の流域の風景や福島の帰還困難地区をとらえた写真は、過去を遡り現在を考えることになる。



ロー・ヨクムイは香港生まれで、同地を拠点に活動している。
人間と植物も同じと考え、中国古典演劇のVTR作品は、世阿弥の『花伝書』の“秘すれば花”“死と生”を連想させる。



ミックスライスは韓国ソウルを拠点に活動するユニット。
《つたのクロニクル》は土地開発により移植された大樹が結果として枯れてしまった物語だ。
公園や街路樹など「植栽や移植したことで、自然環境が維持される」的な風潮に疑問を呈しているなら、共感できる。






ウリエル・オルロー
《ムティ(薬)》は、南アフリカの薬草療法にまつわる話。
日本や中国の薬草と同じなのだろうが、欧米の大資本による薬剤研究以外は薬として認めない。
ウイルス対策のワクチン、穀物の品種と種苗問題に繋がる諸問題と同根だ。



上村洋一のインスタレーション《息吹のなかで》
オホーツクの流氷が生み出す音と呼吸音、海中音、口笛などを合成したという音が流れる真っ暗闇の部屋。
ブラックライトを照らして壁面の文字を読む。
足元は砂が敷き詰められている、不安に満ちた奇妙な感覚。
その中で何らかの「息吹」を感じる、ということなのか。

何処にでも出現した「メガソーラー」は、環境破壊そのもので「エコエネルギー」とはとても思えないと度々感じさせられる。
地震大国日本での原発、核のゴミ処分の目途もなく再稼働をもくろむ。
環境をテーマとした写真やVTRでの展示は、現実に及ばない、と感じた。
しかし、環境に対する問題は沢山あって、それぞれを考える糸口になった。

「森英恵 世界にはばたく蝶」展@水戸芸術館現代美術ギャラリー

2020年02月27日 15時51分18秒 | 水戸芸術館
「森英恵 世界にはばたく蝶」展@水戸芸術館現代美術ギャラリー





水戸芸術館開館30周年記念事業として「森英恵 世界にはばたく蝶」展が5月6日まで開催されている。

1950年代より衣裳デザインで活躍し、1977年には初の東洋人デザイナーとしてパリ・オートクチュール組合に所属するなど、日本人ファッションデザイナーの草分けとして活動してきた。
水戸芸術館は2000年に「森英恵展 東と西の出会い」を開催しており、本展は20年ぶりで生涯の軌跡をたどる展覧会となる。

Gallery1 蝶のオートクチュール



Gallery2 多彩な蝶のオートクチュール



Gallery3 蝶の舞う映像空間
8台のプロジェクターから幻想的な映像が投影されている。

Gallery4 創作の現場、アトリエより



Gallery5 森英恵が手がけた舞台衣装



「不死鳥/美空ひばり」の衣装

劇団四季やその創設者である浅利慶太との関係も深い。



浅利慶太が演出を手がけ、ミラノ・スカラ座で上演された『蝶々夫人』(1985)の衣裳。
森がニューヨークで観劇した欧米の人間が描いた日本ではなく、日本の美を日本のスタッフでつくりたいという思いが投影されている。

Gallery6 銀幕を彩った映画衣装
50〜60年代の日本映画黄金期には、小津安二郎や大島渚による作品の衣装デザインも手がけた。
「狂った果実」で裕次郎着用したアロハシャツが展示されている。
映画のいくつかが上映され、当時の衣装を見ることができる。

Gallery7 ユニフォーム、日本の顔として

企業や団体のユニフォームも、数多く手がけた。
リレハンメルオリンピック(1994)時の日本選手団。



日本航空の4〜6代目の客室乗務員。

水戸芸術館ATMフェイス制服(冬服/夏服)2000年~

小澤征爾のコンサート用シャツジャケットと演奏時のVTR。

Gallery8 森英恵のライフヒストリー
挑戦し続けた半生を、言葉や写真を通して辿る。
写真家や画家が描いた森英恵の肖像。
『森英恵流行通信』等々の資料。

Gallery9 ザ・ワールド・オブ・ハナエ・モリ
「ザ・ワールド・オブ・ハナエ・モリ」1969年作の上映、毎時00から。

森英恵は水戸芸術館の運営母体「公益財団法人水戸市芸術振興財団」の理事長を務め、運営資金など財源の確保と運営に尽力している。
財団の企画として“手前みそ”との懸念もあろうが、2016年に国立新美術館にて開催された「MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事」など、ファッションも美術の一分野としての地位を占めている。
水戸との関連で実現した企画で、このような展覧会を開催できたことは素晴らしい出来事だ。
「森英恵の人と作品」にふれる絶好の機会だ。

「水戸芸術館」開館から30年。

2020年02月20日 18時31分09秒 | 水戸芸術館
「水戸芸術館」開館から30年。

水戸芸術館が開館30周年を迎える。
五軒小学校跡地をどのように使用するか?から始まって、十人十色の意見を集約する形での芸術館構想が出来上がってきた。
内容についても百家争鳴、音楽・演劇・美術の三部門とする骨子が固まり、磯崎新に設計を委ねることに。
構想から設計に至る過程が、「磯崎新―水戸芸術館 縁起―」展(2019年11月26日~2020年1月26日)で展示されたが、考えつくされた内容に驚いた。

完成後も運営方針に異論を唱える方もいたが、概ね当初の構想を維持しながら「
「水戸のものだが、水戸を超えたもの。世界中から芸術活動を受信し、また世界に発信する施設」として、30周年を迎える。
地方自治体の運営としては驚異とも言うべきことで水戸芸術館を始め多くの方々の理解と努力の賜物と思う。

「水戸に過ぎたるもの」として、大切に水戸市民が守り育てるべきだ。

開館20周年を記念した吉田秀和館長の『水戸のー空・風・人』(水戸芸術振興財団・2009年)には開館からの歩みが記されている。











巻末に「水戸の吉田秀和さん」と題し水戸芸術財団・副理事長の吉田光男さんが吉田秀和さんの厳しく優しい人柄を紹介し、水戸芸術館を形づくった・元水戸市に長・佐川一信さんと魂を与えた吉田秀和さんに謝意を述べている。







開館時の演劇公演の出演者吉行和子さん、夏木マリさんと。水戸京成ホテルの10階ラウンジで遭遇した際のスナップ。
後日、署名入りの著書を戴く。
(サントピアのクリスマスパーテーの上り、仮装姿だった。)



水戸芸術館開館当時からの後援者、後藤卓三さんと小野信一さん。
お二方は30年前、共に60代だった。


中谷芙二子・霧の彫刻×田中泯・場踊り

2018年11月16日 00時04分02秒 | 水戸芸術館
中谷芙二子・霧の彫刻×田中泯・場踊り
11月10日/11月11日、午後2時半から







水戸芸術館・現代美術ギャラリーで2018年10月27日~2019年1月20日まで開催されている「霧の抵抗 中谷芙二子展」の関連企画として11月10日と11日の両日、午後2時半から人工霧の立ち込めるカスケード前で田中泯の「場踊り」が行われた。

両者とも永年にわたって活躍している筋金入りの芸術家。
自然に対する関心も高い思想家でもある。





そのような2人の出会いが無料で観られる。
多くの観客が集まった。



2017年1月28日に水戸芸術館演劇ホールで開催された「秘境/魔境」SUGADAIRO PROJECT vol.2で田中泯とスガダイローが共演している。



11月10日。

この日の公演はドキュメンタリー映画「名づけようのない踊り(仮)」(監督:犬童一心)として数台のカメラを使用した撮影が行われた。








BGMとしての音楽テープが用意されていたが、友人のヴァイオリン奏者に『公演を観に来ないか』と声を掛けたら、ヴァイオリンを持参し『一緒にやりたい』とのこと。
生演奏をバックに踊ることになった、と演後に打ち明けた。

即興の生演奏はかなりの迫力。







残念ながら、霧の発生が多量で踊る姿があまり見ることが出来なかったのは残念。
リハーサル抜きのぶっつけ本場では致し方ない。
これもまた、一興である。



終演後の中谷芙二子・田中泯・ヴァイオリン奏者(木村功さんのブログより)

11月11日。



この日は回廊の上から観た。
霧に囲まれても観易いとの話もあったので。
視点を変えると全体が見える。


今回のために用意されたテープを使用。
大半を1971年に公開されたルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』のテーマ曲・マーラーのアダージェットを使用していた。

この曲によりマーラー復興の契機となったことでも名高い名曲。
それだけに、音楽と映画の画像がリンクしてしまい、踊りの印象が限定されたように思えた。
しかし、前日の即興演奏とは異なって構成された踊りの完成度は高かった。



霧は前日程には多量でなく良く観ることが出来た。



終演後、着替えた姿は普通の人と変わらない。
気取らない人柄が魅力の一つでもあるのだろう。

両日を観ることが出来た贅沢を感謝したい。

●中谷芙二子は、人工霧を用いた大気と呼応して変化する作品で知られるアーティスト。
自然の霧と同じ大きさの粒径で噴霧される霧は、大気に呼応してダイナミックに動き変化する。
中谷は、1970年の大阪万博で、初めて霧作品を発表したが、それから半世紀にわたり、世界各地で80作品以上を発表してきた。
本展では、霧の新作と共に、中谷のこれまでの活動の資料を展示し、そこに込められた思想を紹介されている。

●中谷芙二子の霧の彫刻と田中泯の場踊りは、これまでも2004年の山梨県白州、2008年の横浜トリエンナーレ、2017年にはロンドンとオスロで共演している。

『モリのいる場所』@水戸芸術館ACM劇場

2018年10月08日 00時09分33秒 | 水戸芸術館
『モリのいる場所』@水戸芸術館ACM劇場




第33回水戸映画祭[2018]10月7日(土)のプログラムD:11:20~は『モリのいる場所』2018年/日本/99分 監督/脚本:沖田修一
出演:山﨑努/樹木希林/加瀬亮/吉村界人/光石研/青木崇高ほか


主演の樹木希林が亡くなったばかりということもあって、定員300人の切符は完売。



当日券を目当ての客は残念ながら入場が叶わなかった。


熊谷守一(1880年~ 1977年)は97歳で亡くなるまでの30年間、家の外へ出ることなく、ひたすら庭に生きるたくさんの虫や猫や草木などを見つめ、描きつづけ「画壇の仙人」とも呼ばれ、浮世離れした伝説の画家。




熊谷の昭和49年夏の日、幾多のエピソードを1日の出来事として凝縮した。



一日の出来事を通して、お金や名声など世俗の世知辛い欲望に背を向けて飄々と生きる姿。
文化勲章の受章を断って、周囲を唖然とさせる熊谷の超然とした生き方。
等々は、私が尊敬する彫刻家・後藤清一(1893ー1984)の生涯に重なるところが多く共感多々。

上映の終了後、主催のシネマパンチ・寺門 義典さんと沖田修一監督の対談があった。
沖田監督は2002年の短編映画『鍋と友達』が、第7回水戸短編映像祭グランプリを受賞しており寺門さんとを旧知の仲、制作の裏話を聴くことが出来た。




熊谷守一の没後、豊島区千早の旧宅跡地に、1985年(昭和60年)次女の熊谷榧が遺作を展示する個人美術館を開館。
2007年(平成19年)年11月、所蔵する守一作品153点(うち油絵は23点)を豊島区に寄贈し、豊島区立熊谷守一美術館として新たに開館した。

作家の人となりを知りたく「熊谷守一美術館」を訪ねたのはかなり昔の話。
熊谷 榧(くまがい かや、1929年 - )館長は、故吉野満彦さんの山友達、との話を聞いていたのでお目に掛かれればとも思ったが不在だった。
現在は90歳になろうが、元気に館長職を務めているようだ。
女性登山家・山岳画家としてのパイオニアだ。

第33回水戸映画祭 @水戸芸術館ACM劇場

2018年10月07日 10時21分29秒 | 水戸芸術館
第33回水戸映画祭 @水戸芸術館ACM劇場
10月6日~8日







「水戸映画祭」(NPO法人シネマパンチなど主催・6日~8日)が水戸芸術館ACM劇場で開催されている。

10月6日Program A 11:00~12:50



『YEAH』ロッテルダム国際映画祭でのワールドプレミア後、フランス、アメリカの映画祭を巡回し、今回が日本初公開。



鈴木洋平監督
日立市出身で水戸に在住し、身の回りで面白いと思うものを題材に、映画製作をしている。




『VERYFANCY』 2017年/日本/30分 監督:柳英里紗


2作品の上映後、冨永昌敬[映画監督]、柳英里紗[俳優・映画監督]、
鈴木洋平[映画監督]の鼎談が開かれた。
『YEAH』のロケ地であった若宮団地の話などを交えた水戸談義など。



13:10~のインド映画「バーフバリ 王の凱旋(がいせん)<完全版>」
を待つ観客の中にはインド的な衣装の人達も。

17:30~「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)、
七割以上を水戸市内で撮影しミニシアター系では異例のヒットになった話題作。



「旅ブラ」の仲間、柏在住の鈴木靖さんは度々水戸を訪れてくれる。
「バーフバリ 王の凱旋」を待つロビーで久しぶりにお会いした。



今日(10月7日)11:20~
「モリのいる場所」画家・熊谷守一夫妻を山崎努と樹木希林が演じた。
見逃した映画なので上映が楽しみ。

内藤礼個展@水戸芸術館・現代美術ギャラリー

2018年07月29日 12時49分18秒 | 水戸芸術館
内藤礼個展@水戸芸術館・現代美術ギャラリー
7月28日(土)~ 10月8日(月)






「内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える」
7月28日(土)午後4時からオープニングレセプションが開催された。

光を自身の作品における根源のひとつとして扱ってきた内藤礼が、自然光のみによる、光と生命と芸術がけっして分別されえない「地上の生の光景」を見つめる空間を生み出した。

レセプションに先立ち、会場を拝見した。

僅かな光に、細い透明なテグス。
描かれた上を白で塗りつぶしたような画面は、目を凝らしてもぼんやりとしか見えない。

水を溜めた細いレールに映るものは。

光による「生と死」「明と暗。

水戸芸術館の設計者・磯崎新が自然光を採り入れたユニークなギャラリースペース。
通常の美術館は自然光を排除する設計に対し、完全に反した意図を巧みに取り入れた展示となった。

●「佐賀町エキジビット・スペース」を主宰していた小池一子氏が作家の紹介を兼ねた挨拶と乾杯の音頭をとられた。
●元・水戸芸術館の美術部門の芸術監督で、現・横浜美術館館長の逢坂恵理子さんも駆けつけた。

あおぞらクラフトいちSpring in 水戸@水戸芸術館広場

2018年05月19日 09時21分26秒 | 水戸芸術館
あおぞらクラフトいちSpring in 水戸@水戸芸術館広場
2018年4月28日(土)・29日(日)









水戸芸術館の広場で年4月28日(土)・29日(日)開催された「あおぞらクラフトいち」。
北は青森、南は熊本まで、全国各地から総勢120組のクラフト作家が参加。飲食を含めた総勢161組が出店した。







クラフトはもちろん、ワークショップ、バラエティ豊かな飲食コーナー。








水戸芸術館の広場を最大限に活用したイベント。
天候にも恵まれ、ものづくりを通して様々な出会いが生まれる2日間となった。



主催者「あおぞらクラフトいち実行委員会」代表の甲高美徳さん。
街づくりや音楽などに実行力を発揮されている。
さらなる活躍を期待。




個性豊かなミュージシャンたちによる音楽ライブ。
映画上映と様々な催しが目白押し!でした。

●「あおぞらクラフトいち」のルーツを辿ると。
五軒小学校跡地が芸術館としての使用目的が決まった1984の頃、建設前に「リサイクルショップ・にんじん」によるマーケットが開催された。
「水戸芸術館」として開館し、中央の芝生広場は都市公園として位置づけられた。
ヨーロッパの広場を手本とすれば、マーケットは不可欠。
引き続き「にんじん」のグループ、次いで地区の新たなグループに継承された。
単なるマーケットでなく、芸術館の特性を生かした「アート市」を模索したが適当な方が見つからなかった。
デザイン事務所代表の甲高美徳さんが関わった2013年から現在の形になった、
年々参加が増え来場者も多く、水戸を代表するイベントになった。
東日本大震災以後、単発的な飲食イベントが多くなったが「あおぞらクラフトいち」のように趣旨が明確で継続性のあるイベントを育て、発展させることがとても大切なことで、

●秋の開催は2018年9月15日(土)・16日(日)。
既に、出店のエントリーが始まっている。
希望者がおおく、参加のハードルは高いようだ。

『ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて』展

2018年02月12日 02時50分26秒 | 水戸芸術館
『ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて』展
@水戸芸術館 現代美術ギャラリー
2018年2月10日~5月6日




スマホが世界中に普及し、人工知能などの新しい技術革新が進んでいる。
ビットコインと呼ばれる仮想通貨が急速に普及して来たと感じていたら、巨額な流失騒ぎ。情報化の社会が到来しているが何のことさっぱり分からない。
良かれ悪しかれインターネットの社会と成ったのは間違いない。
知らなくても生きては行けるが、分からないと置き去りになる懸念もある。

水戸芸術館 ・現代美術ギャラリーで始まった『ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて』展は技術革新がもたらした時代の光と影について、社会の鏡と云えるアーティストは、どう反応しているかを内外のアーティスト8人(組)に問う展覧会。

第1室 セシル・B・エヴァンス、



「溢れだした」機材不良で調整中で人間型ロボットが何かするらしい。

第2室 小林健太



画像処理ソフトにより処理されている写真家の写真作品。

第3室 エキソニモ



床一面に広がる大量の廃棄されたケーブルと宙づりにされた2台のモニタ。



壁面のカメラからモニタに観覧者の像も映る。
映ったからどうなのか?

第4室 デヴィッド・ブランディ
滅亡に関するビデオの作り方。インターネットから引用した映像を組み合わせ、作り上げている。

第5室 ヒト・シュタイエル





見え方・見られ方が操作できる現代、見えない存在とは?

第6室 谷口暁彦



アドレスからインターネットで監視カメラの映像が閲覧できるのを利用して撮影した画像。

第6室-2 サイモン・デニー



ビットコインに代表される暗号通貨のブロックチエーンの技術。
かなり前から話題となっていたが、今回の話題作と言える。



説明をいくら読んでも分からないが、現実に流通し、これからさらに一般化するであろう未来。

この基盤となる技術を提唱したサトシ・ナカモトという謎の人物。



暗号通貨をモチィーフにしたボード―ゲーム。

第7室 レイチェル・マクリーン、



ソーシャルメディアはコミュニケーションを活性化したが、技術と情報に依存した社会の行く末は?



●水戸芸術館現代美術センター学芸員・山峰潤也氏
(オープニングレセプション会場で)
1960年代に新しい技術がもたらす社会変革を予見したマーシャル・マクルーハンの『芸術は、いわば《危険早期発見装置》である。そのおかげでわれわれは、社会的、精神的危険の兆候をいち早く発見でき、余裕をもってそれに対処する準備をすることが出来る。』と展覧会企画の意図を述べている。



後藤卓三さん、小野信一さん。
水戸芸術館が開館して満28年、展覧会開催ごとにレセプションが開催されてきた。
当初からのメンバーのこのお二人が顔をそろえた。


「明後日朝顔プロジェクト2017水戸」収穫祭

2017年11月11日 18時54分15秒 | 水戸芸術館
「明後日朝顔プロジェクト2017水戸」収穫祭




日比野克彦さんが主宰する「明後日朝顔プロジェクト」が13回を迎え11月11日に収穫祭が行われた。


水戸芸術館で2005年に開催された「HIBINO EXPO 2005日比野克彦の一人万博展」に於いて、新潟の「第2回大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ育てた朝顔を育成するプロジェクトも折りこまれたのが水戸での第1回。



新潟~水戸の種が順次拡がり、全国の30都市に及んでいる。

水戸芸術館広場の回廊2階・京成百貨店外壁に植えられた朝顔が、夏には涼しげな花を咲かせ、秋には実を着けた種を収穫。



収穫された実。



トウミを使って種を選別。



この日の参加者は約50名。




蔓をまとめて、特大の「クリスマスリース」に。
水戸芸術館のエントランスホールに飾られる。

水戸の記憶が詰まった種が来年へ、「明後日」へ。
種を通してつながる別の地域へと思いがつながる。


日比野克彦さん毎年有難うございます。
サポートの皆様ありがとうございます。


あおぞらクラフトいち@水戸芸術館広場

2017年04月30日 21時33分53秒 | 水戸芸術館
あおぞらクラフトいち@水戸芸術館広場
4月29日(土)・30日(日)10:00~17:00




水戸芸術館の広場は、狭いながらに都市公園と広場としての機能を備えた稀な広場と思っている。

春と夏に開催される「あおぞらクラフトいち」は水戸芸術館としての特徴を最大限に発揮した場として多くの人達に知られる様になり、来場者も多い催事だ。








2日間合わせて(29日のみ・30日のみの店舗もある)158店舗の参加、と言うだけあって、広場にぎっしりとテントが建っている。




主には出店者によるクラフト商品の展示販売だが、時間帯によっては各種ワークショップ、DJ、アコースティックライブなども行われる。






関東一円から出店の希望者が多く、その中から厳選された出店者の商品は品質が良く価格が適正なのも魅力らしい。



カフェ&フードコーナーは移動販売車によるが、ユニークな店も多い。

主催の「水戸デザインフェス実行委員会」を始め共催・協賛・協力などの多くの方々の努力で成功しているのだろう。



楽しく意義ある「市」なので、毎月の開催は難しいにしてもあと1回、年に3度位は開催されれば、と思っている。


「高校生ウィーク2017」5月14日まで@水戸芸術館

2017年03月31日 20時40分15秒 | 水戸芸術館
「高校生ウィーク2017」5月14日まで@水戸芸術館




水戸芸術館が発足以来、教育プログラムの充実に努めていることは大きな特色で、音楽・演劇・美術の3部門は各種のプログラムを開発し、試行錯誤しながら活動を続けている。
開館して四半世紀を経過し、その道の専門家として歩む人たち、或いは日常の生活で大いに役立つなど、成果は実っている。




水戸芸術館現代美術センターの「高校生ウィーク」は教育プログラムの一つでで、高校生と同年代の方に現代美術に親しんでいただく展覧会の無料招待期間で1993年から始まった。

2003年から「ワークショップルーム」の一角にカッフェが開設され、2004年から現在まで全部がカフェスタイルとなった。








「ワークショップ」脇に「たねや」の臨時売店が会期中営業。
「たねや」の銘菓が水戸でも味わえる。

コーヒー・紅茶などがセルフサービスだが、無料で飲める。



モザイクタイルを使用した、作品制作もできる。









雑誌や書籍が本棚に沢山用意され、お茶を飲みながら本などを読み、来場者との交流。
高校生と銘打ってはいるが、小・中学生や成人も参加するから幅広い。

「高校生ウィーク2017」は3月11日(土)~ 4月9日(日)の予定であったが「藤森照信展」の会期と同じの5月14日(日)までに延長された。

この様な「ブックカフェ」街中に在ったらと思うが、
水戸市天王町2-32 の「VILLAGE310.」はこの様な「ブックカフェ」で人気だ。

水戸芸術館の「高校生ウィーク」は期間限定・セルフサービスではあるが、無料は魅力だ、大いに利用しよう。

追記。

水戸芸術館の森山純子さんより。
《高校生が無料でギャラリー入場できる「高校生ウィーク」は4月9日までなのですが、カフェのみ延長となります。
学校が始まるのでボランティアメンバーは、20代から上の世代が中心となり担います。たねやさんのお菓子も季節にあわせて、少しづつ変わるそう。
明日から「たねやあんみつ」が入荷とのことです。》

藤森照信展@水戸芸術館現代美術ギャラリー

2017年03月31日 06時43分24秒 | 水戸芸術館
藤森照信展@水戸芸術館現代美術ギャラリー
3月11日~ 5月14日




水戸芸術館現代美術ギャラリーで「藤森照信展―自然を生かした建築と路上観察」が開催されている。

建築史家で建築家の藤森照信は“自然の造形を生かし自然と同化した”建築と周辺を含めた環境計画など極めて独創的で、世界に誇りうる日本の建築家と思っている。



表現は対照的だが、入り口には師匠とも言える磯崎新からのメッセージ。

第1は



中央には木製の椅子の数々。
枝ぶりなど自然なままの素材を使用、座ることも可。
会場内には、無垢の木を使用し彫り上げた模型なども数多く展示されている。



写真家・増田彰久の撮影したユニークな公共建築の写真が展示されている。



「多治見市モザイクタイルミュージアム」の写真や、モザイクタイルを張り付けた車が展示。

第5室「未来の都市」



朽ち果てた「東京タワー」と思われる搭に象徴される未来都市は、もっと自然に寄り添ったものとなるだろう。

第6室「たねやの美とラコリーナ近江八幡」



近江八幡市の菓匠「たねや」は本社屋を始め多くの施設を藤森照信と協同で創り上げ成功している。




今回の展覧会は「たねや」の全面的な協力により、実物を見ることが出来ない建築を実態に迫り想像でき展示になっている。

●彦根城のお濠端の「彦根美濠の舎(み ほりのや)」に行ったことが有るが、店舗2階に「たねや美濠美術館」 が在ったとは知らなかった。



「湖東焼」
「たねや美濠美術館」が収蔵する彦根藩・湖東焼は約300点。
其の一部が紹介されている。



「志村ふくみ」コレクション。
人間国宝の染色家・志村ふくみは近江八幡の出身。
同郷の作家支援として「たねや」は「志村ふくみ」の作品をコレクションしている。



実際の建築に使用された、生きている「苔」や「木」で作られた展示物。



「埴輪」を思わせる土製品に植えられた「苔」や「木」。



これまで手掛けた建築の屋根・壁・左官等の素材見本。
自然に見せるための、屋根材や壁材の下地には多くの技術的な工夫が凝らされている。



「茶室」など夢の様な創造性あふれた建築。

絵空事の様な建物が、実際に造られた写真が沢山。
やればできるのだ!

超高層に象徴される現代の建築と対照的な「藤森建築」。
「植物を建築に取り込む」数々のアイデアが溢れた展覧会で“こうあればいいな”の未来を示してくれていることが嬉しい。



第10室
関連企画「路上観察学会」の会員紹介。