今年初めての雪山。体慣らしを兼ねて吾妻山へ。しかし、交通止めが・・・。引き返そうかと思ったが、よく見ると迂回路がありました。
通行止めと迂回路 土砂崩れでもあったようです。
下の駐車場(トイレのある)には車はおけそうもないので奥に進むと、養魚場入り口の駐車場は雪もかいてありました。スキーにシールを貼りスタート。今日は、ファットスキーです。この板にシールを貼って使うのははじめて。もともと、八甲田のパウダー用に買ったもの。
水音が聞こえました。静寂そのものです。
中原中也の詩「冬の長門峡」をふと思い出した。 「長門峡に、水は流れてありにけり。 寒い、寒い日なりき・・・」というフレーズの詩。人気のない冬の山の中、水音だけが聞こえてきたからだろうか。
峠着。 ここまでが結構きつかった。結局、小屋まで約二時間程掛かりました。
小屋でしばらく休み、頂上へ。
一時太陽が顔を出す。頂上にある雪庇が見えます。
太陽が顔を出したのはほんの一時でした。頂上に着いた頃から雲行きも悪くなる。広島側へ滑るのはあきらめて大膳原へ滑り、一気に駐車場まで。ファットスキーの威力かどうか知らないが駐車場までスムーズに帰り着く。9時30分スタートで、駐車場着が2時でした。
平日のせいか今日は他に人を見ませんでした。前日のトレースが残っていたが、大膳原では吹雪かれて小屋を探すのに苦労した。雪はやや重めなのでパウダーを滑るようなわけにはいかない。ただ、天気さえ良ければもっと楽しめたと思う。烏帽子山や比婆山方面にもトレースが残っていました。雪の中でも結構訪れる人が多いということか。
山小屋の水源は涸れていた。もう少し暖かくならないと水は流れないようです。橋の下を掘ってみたがいつものような水量はなくて、利用できそうにい。しばらくは雪を溶かして水を得るしか無いようです。2月13日は、出雲のメンバーと小屋泊まりの予定だが水はどうしようか?
雪の吾妻山山頂
遙かに烏帽子、比婆山、池の段そして比婆バレーのスキー場が・・・。間もなくガスに包まれる。
冬の長門峡 中原中也
長門峡に、水は流れてありにけり。
寒い寒い日なりき。
われは料亭にありぬ。
酒酌みてありぬ。
われのほか別に、
客とてもなかりけり。
水は、恰も魂あるものの如く、
流れ流れてありにけり。
やがても蜜柑の如き夕陽、
欄干にこぼれたり。
あゝ! ――そのやうな時もありき、
寒い寒い 日なりき。