山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

年末・年始の名山巡り その1

2012年01月10日 | 200名山・300名山

 12月28日(水)、昼過ぎ松江を発ち21時頃に浜松SA着。今日はここで車中泊とする。珍しく酒なしで寝る。翌29日は朝から快晴です。目指す毛無山は200名山。富士山を見るにはよい位置にある山の一つだが、同じ名前の山が近くにもうひとつある。この山は、河口湖に近くやはり見晴らしも良い。縦走路も整備されていて十二ヶ岳へとつながっている。昨年の今頃登った山だが、今回の毛無山は、田貫湖に近い方のそれだ。田貫湖は静岡県にあり、いわゆる富士五湖には入らない。富士五湖は、山梨県にある湖で、本栖湖、精進湖、西湖、河口湖、山中湖の五湖。

                                   田貫湖からの富士山

      

 あまり天気が良いので田貫湖でしばし休憩。今年富士山は雪が少ない。少々期待はずれ。

 2012年12月29日(木)晴れ  毛無山1964m (200名山)

 14時20分、毛無山登山口をスタート。今夜は頂上で泊まり、夕焼けの富士と朝焼けの富士が写真に撮れたらと欲張りな期待を抱き急な山道を登る。思いザックを担ぐのは毛勝山以来だ。その間あまり鍛錬をしていなかったのですぐにバテる。それにしてもこの山は平坦なところがなくてひたすら急な登りだ。時間ばかりが過ぎて、明るいうちに頂上に着けるのか不安になる。薄暗くなりかけた頃に、やっと九合目に着く。所々消えずに残っている雪が現れる。尾根を挟んだ山梨県側は気温も低く、吹く風も冷たい。17時10分、暗くなった頃やっと頂上に着く。休む暇もなく、テント設営だがやけに寒い。寒さの向こうに、富士が黒々とそびえている。期待した夕焼けなど見えもしなかった。

 夜中、テントの中から外を見る。富士は相変わらず暗くそのすそ野の果てにキラキラと街の明かりが輝いている。あれは、富士宮あたりだろうか。富士の位置と街の輝きの位置関係が全く悪い。ここからでは夜景は写真にはならない。それに、寒さ対策を考えておかないと写真なんぞ撮れたものではない。プロはどうしているのか?。

               翌30日朝の富士山。 右手下辺りから太陽が出ました。おもしろくない日の出。

  

                頂上とテント                                  南アルプスがチラリと

       

  左から、毛無山、雨ヶ岳、少し離れて竜ヶ岳。毛無山から雨ヶ岳寄りにもっと良い展望の場所があるようです。竜ヶ岳も富士を見るにはよいポイントらしい。昨日は、もっと早めに登れば良かったといつものように反省しました。

    

 30日(金) 晴れ 御坂山(300名山には入らない山)

  毛無山を下りてから時間的にも余裕があるので御坂黒岳への登山口を調べに行く。ガイドブックによれば、天下茶屋の前にある太宰治の碑の横手から登山口があるようなので行ってみる。富士吉田から国道137号線の鎌倉往還御坂道に入り、途中から旧御坂を行くと旧御坂トンネルにぶつかる。ちょっと前まではこのトンネルは通れたのだが今は通行止めとなっています。そのトンネルの入り口に天下茶屋があり今も営業をしている。かって、この茶屋の二階に太宰治がしばらく居ついていたことでも有名だが今は大分寂れた感じがする。                                                                                 

  

 茶屋は、一階がお店で二階には太宰関係の資料や写真が展示してあり、窓からは富士山がよく見える。この辺りのことは、「富岳百景」に詳しく述べられている。「富士には月見草がよく似合う」の言葉は、ここで生まれたようだ。

 トンネルの入り口左手に太宰の句碑があり、かすれたような文字でこの言葉が刻まれている。この句碑の横丁から、御坂山を経て黒岳へと続くハイキングコースが整備されているが、途中、三つ峠からの縦走路ともぶつかる。

           

 カメラをぶら下げてぶらぶらと歩いてみる。尾根までの登りは思った以上にきつく、毛無山の上り下りでくたびれた足の筋肉がギシギシと痛む。やっとの思いで御坂山まで行き着くと向こうから男性が二名やって来た。黒岳までの様子を聞くとまだ大分時間が掛かりそうなので引き返すことにする。      

                                 御坂山頂上 道は良く整備されている。

           

                              途中で見た富士山。 ここからの富士もいい。

 

 黒岳碑の登山はあきらめて温泉に行く。天水という温泉が近くにあり毎年利用しているが、ここも以前の賑わいはない。夜は、ここ数年利用している河口湖畔の無料駐車場に車を停める。

 31日(土) 晴れ 御坂黒岳 1793m (300名山)

 今日は、御坂黒岳に向かう。この山は三百名山だ。登山口もいくつかあり、一番楽そうな新御坂トンネルの横手から登ることにした。

           建物の前が新トンネル入り口。自動車は旧御坂トンネルの方向(天下茶屋・三つ峠)に向かっています。

   

  案内板 鎌倉往還とあるのは昔の道です。今は登山道として利用されています。御坂トンネルがいわゆる新しいトンネルで甲府方面に抜けられます。

     

 今日もはじめからきつい登り。筋肉の痛さをこらえてやっと峠までたどりつく。道はよく整備されているのだがなにせきつい。

          木の間から富士が。                                    御坂黒岳頂上。  

                   

頂上には何もないが、展望台へ行って驚いた。富士の麓が一望の下に。今までで最高の景色か?ここでカメラを据えて朝日、夕陽に輝く富士を撮ればちょっとした作品になりそうだ。夜景などは特に素晴らしいと思う。いつかテントを担いで来ようと思った。

 

  御坂黒岳を終え、甲州市に入り途中で恵林寺を見学する。恵林寺は武田信玄の菩提寺である。

                 恵林寺                                     信玄とその妻の墓

               

                                       武田信玄公訓言

 恵林寺は、織田信長によって焼かれたが、後に徳川家によって再建されている。「心頭滅却すれば火もまた涼し」の言葉は有名。ブドウ畑の多い甲州市から山梨市を抜けると雁坂峠への山道にさしかかる。途中、昨年登った乾徳山の近くを通る。昨年より雪が少ない。甲武信ヶ岳への登山口(毛木平とは反対側)近くで車を停めてウロウロしていたら、甲武信ヶ岳から降りてきたという男性に会う。毛木平からスタートして二泊がかりで降りてきたそうだ。間もなく夕暮れ時なのだが、バスを待っているとのこと。そういえば、明日は元日。今日は、大晦日ということだ。私の元日の山は、武甲山となる。雁坂トンネルを抜けると奥秩父。この日は「道の駅ちちぶ」泊とする。

 2012年1月1日(日) 晴れ 武甲山 1304m (200名山)

 道の駅ちちぶより、武甲山へと向かう。武甲山は石灰岩で出来ているため、セメント原料確保のため年々削り取られている。現在も数社が計画的に削くつを行っていて日頃はダンプカーの行き来が激しいとのこと。しかし、今日は元日だから会社もお休みのようです。登山口にある駐車場までは近かった。すでに数台の車が停めてあり、登山者の姿もチラホラ。登山靴に履き替えるのも面倒なのでゴムの長靴(少し短め)を履いて出かける。これが歩きやすくてよかった。最近、あちこちの山で、ゴム長靴を履いて歩く人を見かけるが、実際に履いて歩いてみるとその良さがよくわかる。山によっては、このほうがいいようだ。どこかの山小屋のご主人が、長靴が一番良いと言っていたのを思い出した。杉林を抜け、約二時間ほどで頂上。天気は良いが相変わらず寒い。

      

              武甲山頂上                         ちちぶの街が見渡せます。下の白い部分が削られた所

         

 頂上から、浅間山や両神山などが見渡せた。団体さんがおられて御神酒を頂戴して下山する。何とも平凡な元日ですこの山も、地元では人気の山のようです。今日は時間的にも余裕があるので三峯神社に参ることにする。和奈倉(白石)山の登山口にも近そうなので下見がてらにお参りすることにした。

               三峯神社                                    日本武尊の像

       

 この神社は、秩父から国道140号線の雁坂トンネルに向かう途中から別れて山手に入る。二瀬ダムを渡り秩父湖を横に見てどんどん進むと神社駐車場に着く。今日は元日のためか車は満杯。従って人も多い。この神社から雲取山へ続く登山道があり、登山者の姿もチラホラ。おやっと思ったことは、なんと大山倍達の大きな碑があったこと。

 和奈倉山の登山口への手がかりはないものかとしばらくウロウロしていたら、案内板の隅のほうに小さくありました。それは、だいぶん引き返した辺りで、埼玉大学の寮の横手からです。

           寮の横に道があります                               秩父湖に掛かる吊り橋

              

            山頂行き止まりとあります                             登山道ですが荒れた感じ     

          

 大学の寮は、秩父湖のほとりにあり、すぐ近くにバス停と狭い駐車場があり。この後ろ辺りから吊り橋へと降りる道があります。吊り橋は、向こう側にある集落への生活道だったようだけど今では廃道となっています。和奈倉山へは、この吊り橋を渡り左へと進みます。私は、はじめ「山頂行き止まり」の意味が分からず、こちらからは登れないものと勘違いをしてもう一つの登山口(東京都側)に回ることにしました。後で思うに、「山頂行き止まり」の意味は、こちらは山頂への道で、行き止まり。生活道の方向ではないという意味。大変残念なことをしました。近くに「道の駅大滝温泉」があるので、ここに泊まって翌日登れば登れたものをと反省下のはもう遅い。結果として、和奈倉山は登れませんでした。この日は、雁坂トンネルを引き返し、「はなかげの郷まきおか」の道の駅泊。ここは、昨年、乾徳山に登った折りに利用したところ。(秩父方面からの和奈倉山登山道は大分荒れているようです)

 2日(月) 晴れ 和奈倉山 2036m(200名山) ・・・ 登れませんでした。

 青梅街道(大菩薩ライン)に出てから一ノ瀬を目指す。

              一ノ瀬の有料駐車場                        駐車場からしばらく行くと将監峠登山口

              

 この辺りは、民家もパラパラあるが人影はない。駐車場も有料だが人は居ない。困ったのは、和奈倉山(白石山)という文字が出てこないこと。笠取山とか唐松尾山とか飛竜山とかの山名は目にするのだが・・・。人も居ないし登山口への看板も見当たらないのでしばらくウロツキながらキョロキョロ。駐車場看板のすぐ横に小さな標示があり、将監峠(和奈倉山)登山口への矢印が。やれやれです。早速長靴を履いて出発進行。長々と続く林道の登りでくたびれた頃、下山者に会い色々と情報を得る。彼は、昨日将監小屋に泊まり飛竜山に登った帰り 。和奈倉山へは、今からでは遅いと言われる。道もあまりはっきりしていないようで無理しないほうが良いでしょうと・・・。小屋に管理人がいるが事前連絡をしておかないと食事はない。テント場はあり、水も手に入る等々を知る。

          木の間に将監小屋が                           笠取山、飛竜山、和奈倉山などへの分岐

      

                  あと二時間も歩けば着いたかもしれない。吹雪いてきたので引き返す。

     

 結局、途中で引き返すことにする。雪が溶けた頃、暖かくなってからまた来ましょう。その折は、テントかな?。しかし、日が長ければ日帰りも十分可能なようです。この後、近くにある丹波山村の道の駅に寄りのめこい湯にはいる。ここは、雲取山への登山口に近い。数年前に入った温泉なので懐かしい。

                                                                                その1終わり