知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

失業国家(効果なき失業対策によって、巨大ニート国家へ。)

2010年02月21日 | 国家論
派遣切りの影響もあり、
生活保護受給率がかなり増えています。

政治と金よりも、国家と金の方が数倍大事なのに、
選挙のために、野党はそればかりです。

失業対策のほうが、緊急性が高いことは、
市町村の福祉課の人なら、同意してくれるはずです。


また、法人税を払わない法人も今年はかなり増えるはずです。
事業税を払わない事業者もしかり。

その反面で、サービス残業に耐えて頑張っているサラリーマン、創意工夫で頑張っている経営者の負担は大きくなる。

失業対策というのは、
 憲法が予定していない事態に国民(官僚や政治家ではない)がどう対応するか
という問題でもあります。



憲法は、教育、労働、納税の義務を定めています。
ここでは、仕事があることが前提となっています。

国民は、労働してくださいね。
それで、税金を納めてくださいね。
病気やけがなどで、労働ができなくなった人には、
人として最低限度の生活ができるように生活保護をあげますから、
安心して、働いてくださいね。
子供には、教育をさせてくださいね。
次世代の国家を支えるのは、子供ですから、
教育をしっかりして、稼げる国民を育てて、
みんなで豊かな国を作り上げましょう。

労働の義務を果たさないものには、生活保護を与えませんよ。
働く気のないものにまで、福祉は与えません。
(生活ができる能力がありながら、働く意思のないものに生活保護を与えなくても、
違法とはならない。)

原則は、自助努力。
例外が、生活保護。


しかし、仕事がないという、
 働く意思があっても働けないという憲法が予定していない事態
が起こっているわけです。


派遣切りにあった若者。
ハローワークに通って頑張っている。
失業保険が切れて生活ができない。
生活保護が認められる。
その後、定期的に仕事を探すが、見つからない。

中には、働かなくても、ある程度の生活ができることに安心してしまう人もいる。
すると、働く気がなくなる。
この場合には、生活保護を与えなくてもよいが、
 主観は外形からは分からない
ので、受給を続けざるを得ない。

そして、景気は、このままよくならないので(ルールが変わっている)、雇用環境がよくなることはない(IT化、グローバル化で構造的に日本では労働者がいらなくなっている)。

その結果、受給者はどんどん増えるが、減ることはない。

さらに、最大の問題は、
 モチベーションの低下が起こっている
ということ。

昔であれば、
 三種の神器を買うために、必死で働こう
 いい思いをするために、何としてでもカネを稼ごう
 いい家に住むために、何時間でも働いてやる
という、立身出世の思想がありました。

今では、
 別に車なんていらないよ。
 家なんてアパートで十分。
 漫画もブックオフで立ち読みすればいいし、
 音楽もダウンロードできるし、
 お金がなくても、ネットがあれば毎日楽しめるよ。
というように、お金に執着しない人が増えてきた。

こうなると、
 生活保護で十分人生楽しめる
わけです。

本人は、初めはそういう意思は全くないのに、
入り口で躓いて生活ができなくなった結果、
 これでも十分というような感覚に陥って
 人生を豊かにしていこうというモチベーションが起こらなくなる
というシナリオです。

仕事は、いやな人間関係に耐えたり、
プレッシャーと戦ったり、
頭を下げたり、
眠れないほど忙しかったりと、つらいこともあります。

その反面、
うまくやり遂げた時の達成感、
自分が成長したと実感できたときの喜び、
人に感謝された時の喜び、
戦略がはまりまくった時の快感といった嬉しいこともあります。

仕事がないということは、
 人が成長する場所を奪ってしまう
ということです。

仕事は、人を育てる教育の場でもあるので、
仕事を生み出せないということは、
 教育の機会を国家が奪っている
ということになります。

よし、失業対策と言って、ハローワークに予算を組んだりしているわけですが、
効果がありません。

では何をすべきか。
お金ではなく、仕事を与えることです。

じつは、これをゼネコンを通してやってきたわけですが、
ゼネコンでは、いらない施設ができるだけなので、対象を変える必要があります。


つまり、サービスに特化させるということです。

公園の清掃、草取り、ペンキ塗り、コピーとり、住民の誘導、パトロール、振り込み詐欺撲滅の声かけ、介護ヘルパーの補助、電話受け付け、運転、公務員の補助・・・

稼働能力があって、仕事がないという人には、
 準公務員として時給計算で働いてもらい、
 空き時間に仕事を探してもらったり、企業の勉強をしてもらい、
 最低限の生活に満たない部分のみ、生活保護を受給できるようにする。

働くことの喜び、社会への帰属意識を高める必要があります。

実は、こういった経験を通じて、
 スキルが上がっていく
わけです。
これぞ、知的成長。

ハローワークに通って何度も面接が通らない人には、
自分では気づいていない欠点がある人もいます。

それは、コミュニケーションがうまくとれないということです。

コミュニケーションがうまくとれないのは、
 慣れていない
ことに原因があることが多い。

慣れていないのであれば、
 慣れてしまえば、大丈夫。

準公務員として、名誉ある立場で、人に接するうちに
 コミュニケーションがうまくなり、笑顔で接することができるようになる。

理屈っぽかったり、
すぐ言い訳をしたり、
話し方がきつかったり、
愚痴ばかり言ったり、
すぐ怒ったりという
 雇用主がこの人は採用しないほうがいいな
と思う特徴を、仕事という経験を通して修正していく。

あるいは、ビジネスマナーなどの基本的なスキルを身につけていく。

仕事は、慣れがほとんどです。

今、仕事が見つからない人も、国家にとって貴重な人材です。

その人材を生かし切れていないのは、
 国家にとっても、その人にとっても悲劇
です。

職業訓練などさせるぐらいなら、準公務員として
 国家や地方自治体のために働いてもらった方がよい。
そして
 本人も働きたいと思っている人が多い。

それによって、
 原則 自助努力
 例外 生活保護
という憲法のシステムが守られることにもなります。
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