年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

吉本隆明を読む

2007-10-11 00:00:00 | Weblog
2007/10/11 (Thu) 吉本隆明を読む

 「ひきこもれ」という題名の本。自分の二十歳の学生時代に影響を受けた人の内№1の人。弁証法的唯物論のヘーゲル、虚無の孤高ニーチェ、もっと落ちろよ、と書いてくれた坂口安吾も26時間ぶっとうしで読んでたことを思い出す。マルクスは影響を受けたというより教科書的に算数を解くような感覚であったし影響を受けたのだろうかとも思う。当時思い起こすと二十歳の原点を書き残して逝った高野悦子、京都の行動する文学者高橋和己からも頭をカチ割られた感じがあった。でもヨシモトリュウメイが一番であった。この数年前にタカアキと読むことがわかったが、リュウメイと長らく呼んでいた。最も心に刻み込まれた初期詩集の中の「時のなかの死」。・・・すべての中絶には意味がある 産みおとされなかった嬰児 と恋の事情 たたかわなかったものの凱歌 と革命の不遇 まして まして少女の机のうえに かきのこされた単語の中絶 死の刻にうかべた脳髄のなか の情景の中絶には意味がある 弔辞がそこへゆけなかった 社会がそこへちかづけなかった 肖像写真がそれをうつさなかった 冷えてゆく死が追いつめる温もりのように この世界のすべての耻と かかれてない不幸が 少女のひそかな中絶を追いつめた その意味がすべてだ 君は大衆には、おそれず に真理を語り、資本家階級への敵対の精神は、いかなる時 にもかくそうとはしなかった。しかし、それ以外には君は、多くを語らぬ謙虚な魂の持ち主だった。さて多くを語らぬものは多くの中絶をもつものだ 死はいつも豊富なヴィジョンをせきたてて 時間の外へつれてゆく それをさぐることは 世界をさぐることだ・・・
 自分のリトマス紙であった詩である。ところで吉本隆明はひきこもることの重要さをこの本で述べておる。孤独の時間が自分を高めることだ という風に。