2005/4/12 (Tue) 寒の戻り
寒の戻り、冷たい雨が降る。午前中には上がるだろうと思っていたけれど霧のような雨は午後になっても止まなかった。今日の行き先は車で2時間かけて南の方に走っていく海に面した事業所である。ワイパーを時々動かしながら同僚といっしょにおしゃべりしながら吾がふるさとを通り過ぎる。同僚Oが言った。一番楽しかったのは,九州の延岡に勤務していた時で徳島よりも香川の時代よりも楽しかったと。その楽しかった彼の話を聞くとつまるところ家庭はさておき仕事が充実していたからだということになった。しかも20歳から30歳にかけての最も油が乗り切っていた時期と重なっているようにも見えた。今、彼はうまくゆかない仕事に頭をかしげながらしかも今までに充分にくぐり抜け当然クリヤーしなければならない課題を放っていたツケを払いながら毎日立ち向かっているように思える。自分が思うのにそれぞれの年代で到達しなければならない問題、たとえば幼児期・児童期・少年期・青年期・成人期・熟年期・初老期を背伸びすることなくそれぞれの時期に是非に体験し克服しなければならなかったことを素通りするとなにかしらツケが大きくのしかかってくるように感じる時がある。キャリアカウンセリングの理論で必ず出てくるスーパー・ホランド・シャインなどの理論と重なってくるものだ。今までのその年齢に最も相応しい課題について放ったらかしていたツケを今払っている自分もいる。たとえば自分は幼少期に幼少らしい遊びをどれほどしてたか,学童期にどれほど学童として獲得しなければならない遊びと学習をやったか,学生期どれほど一生の糧となる本と師に会えたろうか,青年期にどれほど人と接触し人生を学んだろうか,熟年期においては何人の若い人を育てただろうか,すべてにわたって私心なく人のために何を成し得たろうか,一隅を照らす,地の塩世の光たりえただろうか…