YS Journal アメリカからの雑感

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再び Charles Krauthammer、中間選挙の総括

2010-11-05 12:15:17 | アメリカ政治
以前のエントリーで、Charles Krauthammer の事は紹介したが、中間選挙の総括をワシントン・ポストのコラムでしていたので、紹介しておく。

結論は、2つ。

1)アメリカは中道右寄りを基本とするので、民主党独占議会、オバマ大統領で大きく左に触れたものが、普通に戻っただけである。
2)オバマ大統領は、相変わらず、この辺の事情を全く理解していない。

相変わらず鋭い。アメリカの政治史的には正しいと思う。しかし、共和党がヘタを打たない限り、彼の言う中道右寄りよりはもう少し右に振れた所で、落ち着く様な気がする。(この辺は誤差のうちに入る様な気もするが)歴史は繰り返すが、全く同じ様な展開はしないと思う。

大きな理由は、財政赤字と積み上がった債務である。10年位の単位で左右に振れるてきたアメリカの政治的歴史は理解出来るが、これほどまでに財政赤字と債務が大きくなった事はなかった。細かい揺り戻しはあるだろうが、財政規律と次の世代へ過度の負担を残さないという原則を共和党が意識し政治理念として守り続ける限り、左へ大きく振れる事はないと思う。

私が死ぬ頃には、アメリカ政治の普通(?)の立ち位置について、何と無く結論が出ているであろう。


で、日本の事を考えてみる、これまた興味深い。今年の参議院選挙のとき消費税10%自体への心理的拒絶が少なかった事である。日本のムードとしては、これ以上の国の借金の積み上げはダメというコンセンサスは出来つつあるのではないだろうか?政府の規模、役割といった本質的な議論をせずに消費税10%が出てきているので、盛り上がらないだけだと思う。

どこかの政党が、シンプルなビジョン、例えば現在の税収入だけで単年の支出(国債の利子を除く)を行い、消費税の上乗せ5%は全て債務の返済に充てるとでも言えば、拍手喝采になるのではないか?大枠が決まらずに、いきなり仕分けとか枝葉に行くから利害調整が難しくなるのだ。各省に予算カット48%(歳入の公債金負担分)とだけ言えば良いのである。(平成22年度一般会計予算を見ると、大変な事になりそうだ。でも、この予算で平気でいられる人々の神経は相当図太いと思う)

日本には本当の意味での保守という概念さえ存在しない様だが、先ずこの辺から手を付けて、保守と呼ばれる政治勢力が日本に誕生しないものかと夢想するのもである。