暘州通信

日本の山車

◆38811 神仙 二 更新

2014年04月11日 | 日本の山車
◆38811 神仙 二 更新
・瀛州(えいしゅう)
 瀛州の位置、所在を説いた書物はいくつかあるが、各々その記述には差異があって一定ではない。ここではよく知られた通念と、典拠として、昭和三年、著者「渋川玄耳」氏、「白永社書房」より発行された、『支那仙人傳』を参考にさせていただく。渋川玄耳氏は、佐賀県杵島郡西川登村小田志(現、武雄市西川登町小田志)の出身。熊本時代の知己であった夏目漱石を社員として東京朝日新聞招聘に尽力。石川啄木を見出し、啄木の歌集『一握の砂』に、藪野椋十の筆名で序文を書いている。

 瀛州は、広さ四千里四方の島で、頂上には高さ千丈におよぶ【石柱】が立っている。瀛州には、千丈にもおよぶ柱が立っているとされるのは、『日本神話』、イザナギノミコト、イザナミノミコトが降臨したところに柱が立っていた記述と重なる。一説では瀛州とは、【日本のこと】ともされる。
 その柱の根元には【玉醴泉(ぎょくれいせん)】という泉が湧き出ていて、これを二口、三口飲めばたちまち酔うが長生きできる。いたるところに【神芝草】とよぶ薬草が生じ、孔雀や鳳凰が遊んでいる。東には淵があり、ここには千丈にもおよぶ魚がいて時潮を吹く。五色の雲のような麗しい樹木がある。【影木】といい、一万年に一度果実が実る。これを食べると骨が軽くなり、空が飛べるようになる。【嗅石】と呼ぶ奇獣がいる。金銀宝石のありかを探る特別の能力があり、その場所に息を吹きかけると、たちまち金銀宝石が現れる。【雲苗(うんびょう)】という草が生えるが、この草の葉を噛めばたちまち酔う。しかし、その根を噛めば醒める。【蔵珠】という鳥が居る。この鳥は啼きながら飛翔しときどき綺麗な珠を吐く。大変軽くて美しく、仙人はこの珠で装身具をつくる。

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