暘州通信

日本の山車

◆01339 楢泉庵 横山家 39

2016年03月18日 | 日本の山車
◆01339 楢泉庵 横山家 39

  おばば

  おばば どこへ行きやるな なあなあ

  おばば どこへ行きやるなあ
  三升樽さげて そうらばえ
    ひゅるひゅるひゅ ひゅるひゅるひゅ

  嫁の在所へな なあなあ
  嫁の在所へな なあなあ
  初孫抱きに そうらばえ
    ひゅるひゅるひゅ ひゅるひゅるひゅ


 岐阜県西濃地方(美濃地方南西部)で唄われる民謡である。祭礼、お祝いの席、またひろく座敷唄としても唄われる。 
民謡おばばの由来について揖斐川町では、天正年間に、斐城主だった堀池備中守の姉が善明寺春淨に嫁ぎ、初孫を出産した祝いとして,母が祝酒を娘の嫁ぎ先に届けたのに始まるとしている。
 しかし、歌詞にあるように、昔は嫁入りした娘の出産は実家で行われる風習があり、出産祝いは、新夫側から嫁の在所に贈られる祝儀である。初孫を抱きに行くおばばは、義母ということになる。

 福井県今立地方には、【御莱祀(ごらいし)】とよぶ祭礼が二月の雪の中で齋行される。大きな木橇のうえに【島臺】とよばれる俵状の組物をのせ、栗の木を立ててこの木に繭団子がたくさんつけられる。岡太神社(おかもとじんじゃ)から曳き出されるとき木遣を務める男性が開口一番の唄いだしが、【おばば】である。  
これをみると、おばば のルーツは越前ではないかと推察され、由緒は揖斐川町説よりさらに古いのではないかと想像される。

 写真は、江戸時代に、【楢泉庵 横山家】から、飛騨高山(岐阜県高山市)衣斐坂(海老坂)の酒造家である【平瀬酒肆】に対し酒三升を注文あいた注文書である。「極上の清酒三升を、お送り遣わされたく願い上げ候」とあり、【飛州大野郡 八日町 楢泉庵】の木印が押印されている。 このことから、広瀬旭荘が明舞した庵名である 【楢泉庵】という名称は屋号としてつかわれ。広く通用していたことがうかがわれる。








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