暘州通信

日本の山車

◆34602 セオリツヒメ 二

2011年06月14日 | 日本の山車
◆34602 セオリツヒメ 二

 これは仮説である。
 【セオリツヒメ】は、荒魂(あらたま)。【アマテラスオオミカミ】は、和魂(にぎたま)とし、両神は同一神だとする思想がある。この思想はセオリツヒメを尊ぶ大和朝廷成立以前の古い思想と考えられる。
 兵庫県西宮市の廣田神社は延喜式神名帳に記載され、旧官幣大社でもあった。その祭神は、アマテラスオオミカミノアラタマ(天照大御神荒御魂)とある。別名を、ツキサカキイツノミタマアマサカルムカツヒメノミコト(撞賢木巌之御魂天疎向津媛命)だとされる。つまり、セオリツヒメである。セオリツヒメにはそのアラタマである、アマテラスオオミカミと同じ名称【同一神】とされているのが注目される。
 福岡県宗像市の宗像大社(むなかたたいしゃ)は、沖ノ島の沖津宮に、タゴリヒメノカミ(田心姫神)、大島の中津宮にタギツヒメノカミ(湍津姫神)、田島の邊津宮にイチキシマヒメ(市杵島姫)の三女神 が祀られ、この三神をあわせて祀るのが宗像大社である。
 その三女神はスサノオノミコトとアマテラスオオミカミのあいだで交わされた【誓約・うけい】により生まれた、五男三女神の三女神にあたる。スサノオノミコトとアマテラスオオミカミのあいだで交わされた【誓約・うけい】とは、一般的な考えに従えば「婚約・結婚・夫婦」ということになろう。
 この三女神のイチキシマヒメ(市杵島姫)を単神で祀る祭祀があり、単に「比賣神」と呼ばれている。大分県の宇佐八幡宮にも「ヒメオオカミ(比賣大神)」として祀られ不明の祭神とされるが、全国に祀られる祭祀例に敷衍すれば、【ヒメオオカミ(比賣大神)とはイチキシマヒメ(市杵島姫)】のことであろう。

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