暘州通信

日本の山車

02269 いざなぎ流祭

2007年02月21日 | 日本の山車
02269 いざなぎ流祭
高知県香美郡物部村
□汎論
高知県東北部の物部村は、平家落人伝説につながる古い集落。戦国時代の長宗我部氏の支配を経て、藩政時代は山内氏の支配下にあったが、明治に入ってから上韮生(かみにろう)村と槇山村の二ヶ村になり、さらに、昭和31年に両村が合併して物部村となった。
いざなぎ流は、 物部村に伝わる民間信仰で、陰陽道・修験道・仏教・神道などが褶合したもので、地域の太夫(たゆう)とよばれる指導者たちによって、口伝で伝承されている。祭祀には、和紙を截って御幣をつくり、これを神格の像としてまつるが、御幣は200種類以上もある、「御幣坐(みてぐら)」がつくられるが、一種の凶事遣らいで、大山鎮め、家の神の祀り、病人の平癒祈祷などのいのりが御幣にこめられる、「取り分け」儀礼を行うとき、呪詛(すそ)を集め封じ込める幣(ぬさ)である。
大祭には「三階層の五色の仕立て」という御幣坐をつくる。ほかに吊り下げ型の「つりみてぐら」がある。
いざなぎ流の祭で、もっとも盛大に行われるのが日月祭である。
日月祭には、三日月、十七夜、二十三夜があり、どの神を祀るかは、家あるいは神社によって決まっており、それぞれ旧暦のその月の出をまつり、併せてお日様も拝む。
日月祭は誰が参加してもいいことになっていて、さまざまな踊りも行われ、村人の愉しみとなっている。長野県の各地には青面金剛童子(庚申)、道祖神とともに、この「二十三夜塔」が立てられているのをよく見かける。
「いざなぎ流ご祈祷」は昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定された。



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