暘州通信

日本の山車

◇00882 箭根森八幡宮例大祭

2009年06月04日 | 日本の山車
◇00882 箭根森八幡宮例大祭

青森県佐井村
箭根森八幡宮(やのねもりはちまんぐう)
□祭神
ホムダワケノミコト(誉田別尊)
ジングウコウゴウ(神功皇后)
ヒメオオカミ(比売大神)
配祀
 ツクヨミノミコト(月読尊)
□祭は九月中旬。
山車を曳く。
□山車
・谷地町山
・浜町山
・川原町山
・大佐井山
(順不同)
□汎論
箭根森八幡宮の創祀は不明。一説に康平五年(一〇六二)に、源頼義(みなもとのよりよし)が勧請したという伝承があり古社である。
主祭神は八幡神であるが、ヒメオオカミ(比売大神)とあるのはだれかわからない。豊前(大分県)の宇佐神宮にもヒメオオカミ(比売大神)が祀られているが祭神を特定できない。全国にヒメオオカミ(比売大神)を祀る神社はたくさんある。筆者はイチキシマヒメノミコト(市杵島姫命)、あるいは国史から抹消されたセオリツヒメ(瀬織津姫)ではないかと推理しているが断定はできない。
 祭は、元禄九年(一六九六)に始まったと伝える。山車が曳かれるが、重層唐破風屋根のある山車は、夜は全体が行燈風の燈火で幻想的に彩られる。


◇26678 早池峰山と古代出雲

2009年06月04日 | 日本の山車
◇26678 早池峰と古代出雲

 セオリツヒメ(瀬織津媛)は謎の多い女神である。一般的には、禊にゆかりがあり、
瀧、川、池、水辺に祀られていることが多い。
不明な点が多く、祭神としては、アマテラスオオミカミ(天照大神)、イチキシマヒメノミコト(市杵島姫命)、シラヤマヒメノミコト(白山比命)とはおなじ神として扱われている。
 スサノオノミコト(素盞鳴命)、セオリツヒメ(瀬織津媛)は、国史書でもある古事記、日本書紀から意図的に排除されている。理由は端的にいえば、為政者である天皇の皇統の敷衍に障害があったからと推定される。
 現在、全国に数百社ほどあると見られるが、その痕跡をたどると社号、祭神がセオリツヒメであろうと考えられる神社は相当の数にのぼる。
 筆者は、セオリツヒメは海神氏、古代出雲系氏族が祀った祭神だと考える。出雲文化の至る地には神降る神南備があり、その山から流れ出る水は農耕の象徴であった。
 出雲氏はほぼ全国を支配下におさめたが、やがて、台頭したきた皇室、その先遣とも言える鹿島(武甕槌神)、香取(経津主命)により、出雲神(健御名方主命)は諏訪神として、信州に封じ込められた。いわゆる國譲りである。
 スサノオノミコト(素盞鳴命)、セオリツヒメ(瀬織津媛)の名が消えたのはこの時期だと考えられる。
 しかし、中枢権力から遠くはなれた地では依然としてセオリツヒメは祀られつづけた。 陸奥岩手は古代出雲文化の中心地であり、平泉(ひらいずみ)は、出雲の地そのものであり後に藤原三代の栄華、金色堂、毛越寺(もうつうじ)の文化を生み出すもととなったと考えられる。
 早池峰山は北海道アポイ山とおなじように蛇紋岩地質の山といわれ、塩基性植物が生育する。
 特産のハヤチネウスユキソウは数ある日本のエーデルワイスの中ではいちばん姿がよい、ナンブイヌナズナが黄花を咲かせ、登山道脇にはケシ科のオサバグサが豊産する。
 麓の遠野の界隈にはセオリツヒメの伝承が色濃く残り、早池峰神楽は相当広範囲に行われている。日本史の通年からはいささか外れそうだが、紀元前東北は、未開どころか、はるかに開けた古代出雲の栄た地だったと考えられる。
 文献史学は大切であるが、それらが失われた地に思想、瞑想を馳せると見えなかったものが見えてくるのではないだろうか。

□外部リンク
◇シリウスと日本・・・
2008/3/7(金) 午後 7:31
... そこで今回は、古代日本における「シリウス」の祭祀について詳しく書かれた書籍を ... ちなみに、この「荒祭宮」は「セオリツヒメ(瀬織津姫)」を真祭神とする説がある。 ところで、私の信頼するサイトの情報によると、この転換期において ...