「祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり,
沙羅双樹の花の色,盛者必滅の理をあらはす」
平家物語の冒頭,有名な一節です。
この時代,インド原産の沙羅双樹は日本に存在しませんので(今は植物園にある),
この沙羅双樹は夏椿のことを指していると解釈されています。
それ以来,夏椿が沙羅双樹,
あるいは沙羅と呼ばれるようになったとのことです。
先日行った京都大仙院の玄関横の夏椿も沙羅双樹と名札が付けられていました。
これは本当は間違いで,夏椿あるいは沙羅が正しい名となります。
盛者必滅の理と表現された花色はビロードの質感を思わせる白,
清楚そして優しさを感じさせます。
盛者必滅の理とはその白花が清楚で美しい花姿を保ったまま
1日で散ってしまうからでしょうか。
夏椿の名のように7月ごろに咲くと記憶していましたが,
今年は他の花もそうですが,花の時期が少し早いのでしょうか。
写真は6月20日に撮影,複数の樹で夏椿がその清楚な花を咲かせていました。
明日はなき今日一日の沙羅の花