紅葉が見頃を迎えた徳川家ゆかりの小石川後楽園を散策してきました。
広い庭園は、回遊式築山泉水庭園で大泉水の周りに地形を活かした起伏に富んだ遊歩道があり、変化のある自然の林・泉・水・樹でつくられた美しい晩秋特有の紅葉の風景が見られます。
入口のモミジが真っ赤に色づいて一番の見頃となっていました。
庭園のシンボルである大泉水の周りは、モミジやケヤキ、イチョウなど晩秋の陽を浴びて色映えし水面に映るカラフルな素晴らしい景観が拡がっています。
大泉水の池端には、琵琶湖の唐崎の一つ松も模した「一つ松」が形よく枝振りされた美形を見せています。
「丸屋」の前では、巨樹のナナカマドとモミジの樹が赤いドームのような姿を見せています。
その先には、対照的に富士の白糸の滝をイメージさせる滝が流れ落ちています
築山・小廬山の麓の蓮池では、晩秋の蓮も対照的な景観でした。
大堰川の先に通天橋を望む景観は、最大の見どころですが、紅葉が始まったばかりのようです。
嵐山の渡月橋を模した「渡月橋」
中国の西湖の堤に見立てた「西湖の堤」
屏風のように立つ「屏風岩」は、3代将軍家光が川原に腰を下ろして休んでいたスポットのようです。
関東大震災で焼失した京都の清水観音堂を見立てた観音堂跡には、高台から大堰川を見下ろす光景がみられます。
大堰川の上流に架けられた朱塗りの「通天橋」は、庭園のシンボル的な存在となっています。
光圀が18歳の時、史記「伯夷列伝」を読み感銘を受け、伯夷、叔斉の木像を安置した「得仁堂」
お休み所の四阿付近の紅葉
水面に映る形が満月のように見えることから名付けられた「円月橋」で、大名屋敷時代の姿そのままのようです。
愛宕坂へ向かう小径周辺も美しい紅葉が望めます。
八角形の石段が積まれた「八卦堂跡」は、光圀が文学に愛しんだところで、お堂は関東大震災で焼失したようです。
京都の愛宕坂を模した47段の「愛宕坂」
酒を飲む酒亭跡の風格ある茅葺の「丸八屋」
大泉水の船着き場跡の紅葉が美しく多くの人々のフォトスポットとなっていました。
東門近くの「内庭」も回遊式の庭園で遊歩道は閉鎖されていますが、かつての水戸藩の書院の庭で静寂な雰囲気の名園となっています。
内庭と後園と境にある「唐門」が、復元されて極彩色の彫刻や「後楽園」扁額が架けられており、荘厳な景観が見られます。
素晴らしい大名屋敷の醍醐味を堪能したひと時でした。