この30年くらいの家電、様々な電気製品、PCなどをつくっていた会社の動きを感慨深く思い返していました。今は残念なことにすっかり輝きを失ってしまっています。
つくづくもの作りという仕事には「安住」というものが無いのだな、と思いました。どんどん変化する生活形態と環境、特に現代ではエネルギー供給の形態自体も変わろうとしています。洋服も次々に新しい素材が出て来ていますし、それにあったデザインが作られなくてはいけません。縫製の仕方もかわってくるでしょう。
その一方で、伝統も守って行きたい。伝統的な技術の中には思いもかけない新しい発見があります。安易に捨てられるべきものではない。
今はそのバランスの維持の仕方について真剣に考えるべきときかもしれません。
伝統を守って行く都市と最先端の技術に乗ってめまぐるしく替わって行く都市が共存するこの国は奇跡のようです。今の若い方が新しいもの作りの製品を使いこなしつつも、伝統的な製品に接し、感動している姿を最近ときどき見掛けます。
そんな時はとても明るい気持ちになります。まだまだ行けるかなと思えるのです。