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貿易とは

原始生活において人間はコミュニティ内で全ての物を生産しなくてはならなかった。自分が必要なものは全て得て不得手に関わらず生産した。次第に生産が得意なものを自分の消費する以上に生産し、自分が生産するのは不得手なものを他者と交換するようになった。

「金(Gold)の価値」が発明されて、「貨幣・価値・値段」という概念ができた。そのため自分の得意なものを作り、それを売って、他の必要物資は購買した方が豊かな生活を送れるようになった。そんなのは当たり前だ。大量生産したほうが効率は上がるし、敢えて不得手なものを作るより、得手を極めた方が生産性が上がる。

前述で敢えて「金の価値」としたが、他のコミュニティーとも金で交換ができるようになった。暖かい地方、海の近く、山の近く、それぞれの得意の物産を売って、不得手の物産は外部調達してきた。貿易の概念である。貨幣の交換レートも決まってきた。

しかし、今までありがたがっていた村の長老が作る米は他所では安く品質のいいものができる事が一部に伝えられた。しかし、長老はその事実を受け入れ、貿易を禁じ、長老の作った物を独占販売した、「美味しいし、安全だし、昔からこのやりかたでやってきた」の一点張りで。たしかに長老の作った米は美味しい。でも米代をケチって違う物を欲しい人も居るが独占販売なので他所ではどの程度の値段で買えるのか知らされていなかったし、他から買っても美味しくないと洗脳されていた。

若手グループは手先が器用なものを集めて役割分担し、製品を大量生産し、隣町に売りに行くと、「我々の名産品である米と交換しよう」と言われ若手グループは困る。そこで貨幣との交換をお願いすると、「米を買わないなら購入の際、ペナルティとして罰金を上乗せする。」と言われた。若手グループは泣く泣くその要求を飲んだ。

若手グループは他のコミュニティーと売り込みの競争を行うのでどんどん生産性が高くなった。しかし長老は安泰を決め込んで生産性向上を行わず、付加価値を追い求めた結果、市場価格と著しい差が生じた。若手グループは生産性向上のノウハウを導入する事を提案したが長老は頑として拒んだ。今までを否定されるのも嫌だったし、新しいシステムに対応できないのは判り切っていたので「今まで」を維持するように長老は主張した。

若手グループは他国に商品を売り、貨幣を得る事ができた。貨幣を持って贅沢をすると団結力が衰え長老を突き上げる事ができなくなった。長老グループは依然貧乏なので結束力は固く、若手グループに人数では圧倒されていてもコミュニティの方針は牛耳る事ができている。

コミュニティの単位が大きくなってきた。以前は他所者と思っていたのが実は同じ言葉を話す「国」であることが判明し、他に国がある事がわかった。

他の国と他の国が貿易をしてお互いの生産性を上げている事実が明らかになった。それに追いつくには貿易上の罰則を撤廃して、お互いに儲けることが大切であることが証明された。

しかし長老は頑なに拒んでいる・・・・・。

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