さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【DVD鑑賞録】チャイコフスキー/バレエ《くるみ割り人形》(パトリス・バール版)

2012-12-17 23:57:40 | オペラ・バレエ鑑賞
一週間後に控えたバレエ「くるみ割り人形」のオーケストラ伴奏本番のイメージ作りのために、手持ちのDVDを見る。

くるみ割りのDVDについては、去年、同じデアゴスティーニのバレエコレクションの2巻目で吉田都がプリマを演じる英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(ピーター・ライト版)のものを見た。

だが今年になって24巻目で再び「くるみ割り人形(パトリス・バール版)」をデアゴスティーニが採り上げたので、とりあえず買ってあったのだ。

本番に備えて、吉田都さんのをもう一度見るか、これを見るかで迷ったけど、折角なんでこのベルリン国立バレエ団によるパトリス・バール版を見ることにした。

いやぁ、バレエって版が違うと、全然違う話になっちゃうのね・・・とあらためて驚いた。オペラだったらどんなに演出が変わっても、ストーリーまで変わってしまうことはないが、バレエは振り付けによっては悲劇になったり喜劇になったりする。

このパトリス・バール版では、主人公はクララではなくマリー。ある大公国の公女だったマリーが幼い頃武装集団に襲われて母と離れ離れになり、記憶をなくしたままある家で育てられ、クリスマスイブの夜にパーティーに招かれた不思議な紳士ドロッセルマイヤーからくるみ割り人形をもらって・・・・という展開。だからこの版はクリスマスパーティーから始まるのではなく、武装集団に襲われるシーンから始まる。その時、ねずみの音楽が使われる。ねずみの代わりに武装集団なのだ。ちなみにイブの夜も武装集団に襲われるのだが、おもちゃの兵士たちと一緒にマリーも戦うことで、トラウマを克服していくのだ。

設定は違うけれど、ストーリーの本質はそう変わらない。むしろこちらの方が原作に近いようだね。踊り、演出、振付ともに素晴らしく、ちょうど音楽も全部知っていることもあり、一気に全部観てしまった。ちなみに去年見た英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のバージョンだと、主人公のクララの踊りが幼すぎて、途中で寝てしまい、プリマの吉田都さんが出てくるところでやっと起きたが、今日見たベルリン国立バレエ団のものは主人公のマリーは大人が踊り、金平糖の精もマリーがこなすので見応えがある。ドロッセルマイヤーに操られて、ツツツツと動くシーンも実に美しかった。

特に素晴らしかったのは雪片のワルツ、スペインの踊りと中国の踊り。雪片のワルツはコール・ド・バレエの隊列の変化が非常に冴えていて、雪の女王や家来の男性ダンサーの踊りもちょっと官能性が加わっていて、単に綺麗なだけの踊りじゃなくて、躍動的で面白かった。スペインの踊りでは淡いチョコレート色の衣装が素敵で、振付もカッコよくて何回も見ちゃった。中国の踊りは目も覚めるような演出で、二人の女の子がつながったまま踊ってるに目が釘付けになった。

トレパックでは、普通3人の男性ダンサーが、左右開脚のジャンプをガンガンやる振付を期待してたら、男性3人+女性1人の異色な振付だったのでちょっとびっくりした。その女性ダンサーの高貴な顔つきがまたロシアっぽくてよかった。

アラビアの踊りも大きな陶器杯にまたがって男女が登場するところがすごい。ターバンを巻いた男性はたくましく、ハーレムパンツの女性はなまめかしく、ベールを覆った三人の女性は怪しく・・・猛烈に雰囲気出てた。

・・・・・・

ということで、ロシアバレエなんだけどどこか新味のある不思議な演出だった。でも新しすぎず、不思議すぎないところが、ほどよくて心地よかった。振付のパトリス・バールさんはパリ・オペラ座で活躍していた人なんだね・・・なるほど。
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