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(【読書録】歴史のミステリー60)
本巻にはモーツァルトの「魔笛」にまつわる謎の話が載ってるんで、それをネタに書いてやろうと思いながら読んでたのだが、残念ながらそっちにはあまりビッグサプライズはなかった。
それよりもサプライズだったのは、 西アフリカのギニア湾沿岸部で、現在のベナン共和国の位置にあった「ダホメー」という王国の話。周辺の部族を襲って捕まえ、奴隷貿易商人に売り渡して、国家としての利益を得ていた国だ。
こういうことをやっていた王国が存在したことまでは知っていたのだが、今回驚いたのは、実際に周辺部族を狩る役割を果たしていたのが、屈強な女性兵士達だったということだ。彼女達は奇襲戦法を得意とし、スパイ活動も積極的に行ったという。
ダホメー王国自身も、建国から100年ほどの間は、逆に周辺諸国から狩られる立場だったというから、ある意味「やらなきゃやられる」ということだったのかもしれないが、そこで活躍してたのが女性だけで構成された部隊であり、彼女達が王国の軍の主力であったと知り、何を書いてよいか分からないほど複雑な思いに駆られた。
強力な中央集権体制の下、奴隷狩りのみならず生贄として沢山の人間の血を流しながら、300年近くもダホメー王国は繁栄した。新たに市場を開く際は生贄の血によって清めるのだが、その生贄は必ず王の名のもとに行わなければならないため、市場の乱立が避けられていたという。穀物の輸出なども厳しく管理されていたためか、ダホメー王国には歴史を通じてほとんど飢饉の記録が残っていないそうだ。
・・・と、歴史のミステリー60にはここまでしか書いてないのだが、そんなダホメー王国もフランスによって1890~1894年にかけて征服された。だがダホメ王国に対して闘った軍隊の成員のほとんどはアフリカ人であったという。彼らがダホメ王国に対して相当な敵意を持っていたことは想像に難くない。周辺諸国を狩って繁栄した王国は、最終的に周辺諸国に狩られたのである。
因果応報だのなんだのと、後から部外者が言うのは簡単であろうが、本来憎むべきは彼らではない。
本巻にはモーツァルトの「魔笛」にまつわる謎の話が載ってるんで、それをネタに書いてやろうと思いながら読んでたのだが、残念ながらそっちにはあまりビッグサプライズはなかった。
それよりもサプライズだったのは、 西アフリカのギニア湾沿岸部で、現在のベナン共和国の位置にあった「ダホメー」という王国の話。周辺の部族を襲って捕まえ、奴隷貿易商人に売り渡して、国家としての利益を得ていた国だ。
こういうことをやっていた王国が存在したことまでは知っていたのだが、今回驚いたのは、実際に周辺部族を狩る役割を果たしていたのが、屈強な女性兵士達だったということだ。彼女達は奇襲戦法を得意とし、スパイ活動も積極的に行ったという。
ダホメー王国自身も、建国から100年ほどの間は、逆に周辺諸国から狩られる立場だったというから、ある意味「やらなきゃやられる」ということだったのかもしれないが、そこで活躍してたのが女性だけで構成された部隊であり、彼女達が王国の軍の主力であったと知り、何を書いてよいか分からないほど複雑な思いに駆られた。
強力な中央集権体制の下、奴隷狩りのみならず生贄として沢山の人間の血を流しながら、300年近くもダホメー王国は繁栄した。新たに市場を開く際は生贄の血によって清めるのだが、その生贄は必ず王の名のもとに行わなければならないため、市場の乱立が避けられていたという。穀物の輸出なども厳しく管理されていたためか、ダホメー王国には歴史を通じてほとんど飢饉の記録が残っていないそうだ。
・・・と、歴史のミステリー60にはここまでしか書いてないのだが、そんなダホメー王国もフランスによって1890~1894年にかけて征服された。だがダホメ王国に対して闘った軍隊の成員のほとんどはアフリカ人であったという。彼らがダホメ王国に対して相当な敵意を持っていたことは想像に難くない。周辺諸国を狩って繁栄した王国は、最終的に周辺諸国に狩られたのである。
因果応報だのなんだのと、後から部外者が言うのは簡単であろうが、本来憎むべきは彼らではない。