さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

ブラタモリ「黒部ダム スペシャル」 を見て

2020-06-04 12:08:38 | 映画・番組等、各種鑑賞録

アンコール放送真っ只中のブラタモリ。視聴者リクエストが非常に多かったという黒部ダムの回。黒部ダム・・そんなにイイかな?と思って見始めたら、感動した! いやぁ~見てよかったよこれは!

黒部ダムには中学3年生の時、修学旅行で行ったことがある。

その時の修学旅行のしおりが秀逸でねぇ・・・一首詠めとか書いてあるんだよ。そこで友人が詠んだ歌は、お定まりのように次の歌。

「黒部ダム ああ黒部ダム 黒部ダム ああ黒部ダム ああ黒部ダム」

私が詠んだのは、・・・ううん、最後の「照り返しかな」しか覚えてない。だがこの出来事で私に何らかのスイッチが入ってしまい、それから短歌を詠みまくり・・苦手な現代国語の試験の答案用紙の裏に10首ばかり自作の短歌を書いて提出。そしたら、その自作短歌で10点もらえてやっと平均点・・・凹んだ~。それくらい現代国語は苦手だったのである。その後、新聞に投稿したりもしたが、自分の作品が駄作の嵐であることを認識し、いつしか歌詠みはやめたのであった。

で、その時の修学旅行のしおり、アルバムを探してみたらあったよ。これがその該当ページ。

あ~あ、漢文まで使おうとしてて、馬鹿だ~私。

これが私が詠んだ歌で・・・やっぱり駄作である。

この時、黒部ダムは放水していなかった。だから私はダムよりも黒部湖の方に目が行ってしまったんだね。

こちらが当時の私で・・・うん、カメラの前で笑うことを知らなかったみたい。今みたいにじゃんじゃん写真撮る時代じゃないもの。写真が現像されてくるたびに、面白くなさそうにしている自分の顔を見るのが嫌いだったよ。

当時の私はまじめだったんだかなんだったんだか、アルバムをきちんとまとめていた。冒頭の写真は私のアルバムで、汚らしい字で、何かを写したと思われる文章が並んでいる。お、「破砕帯」という字がちゃんと出て来るではないか。きっとわかってないで書いてたなワシ。

ブラタモリで見た、トンネルの中から今も見学できる破砕帯・・・猛烈に冷たい水がいまも滝のように流れている。こんな中で作業したら、おぼれる危険はもちろん、冷たすぎて死んでしまう。アルバムにも7年の歳月と171人の犠牲と書き込んである。だがブラタモリを見ているうちに、これを逆に7年で作ってしまうことの、当時の日本のすごさを感じざるを得ない。

そもそも人が行けないようなところにあったのだ。断崖絶壁に人が一人通れるような木組を作って通っていたような昔。ダムを造るにはそれではだめだからここまで行きつくトンネルを作るわけであるが、そのトンネルづくりが先ほどの破砕帯もあり、難航するわけである。またダムを造るなったら、それはそれで問題があり、純粋なアーチ式ダムはこの地形では作ることが出来なかったのだ。アーチ式ダムはアーチの強さのおかげで建材が少なくて済む。だが両端がちゃんと固定されていないとアーチはちゃんと支えられない。だが地形の関係で両端をアーチにできず、重力式という、自重で水圧に耐える形のダム(コンクリートがたくさん必要)にしてあるのだ。なので、冒頭のアルバムでの私の記述はアーチ式としか書いてないので不足があるわけだ。またそのアーチも傾斜をつけてさらなる水圧に耐えられるようにしてあるなど、ああ頭のイイ人達でないと出来ない仕事だなぁ。

そこまでして何故この地にダムを造ったのという話であるが、より下の位置にある発電所のところまでの落差が稼げるという点と、大きなダム湖を作ることが出来、発電に必要な水量を確保できる水がめとしての機能を期待できたからだという。ちなみにこの黒部湖は黒部第四発電所だけでなく、黒部川流域の10カ所の発電所に水を供給しているのだとか。おかげで発電量も約23万kWから約90万kWに増大。関西の電力事情を一気に改善したわけである。

私がさらに感激したのは、そのように大きな水がめを作れた地形上のヒミツである。黒部湖は立山連峰と後立山連峰に挟まれた谷合に作られた。立山連峰と後立山連峰・・両方とも3000メートル級の山脈であるが、そのような双子の巨大山脈がどうやって出来たのか。番組ではチョコレートを使って説明していた。

この地点では2つのプレートの沈み込みが重なっている影響でマグマがとっても多いんだそうだ。そのマグマだまりに熱せられ、柔らかくなった地殻がさらに東西から押されることによって隆起し、頂上付近で粘度というか張力というかの限界がきて二つに割れたのが立山連峰と後立山連峰だという(その後、雨水が入り込み、浸食され、はっきりと二つの山脈に分かれた)。番組では大きな板チョコを日本列島に、アルコールランプをマグマに見立てて、両側から押す実験をしていたが、期待通り、立山連峰と後立山連峰らしきものが出来たよ。(ちょっと離れたところから火山まで噴火してきてしまって笑ったけど。)

最後は放水している真っ只中へ。タモリさんが子供のように喜ぶ顔を見て癒された。もし中学三年の頃の私がこの放水シーンを目の当たりにできていたら、もっと違う歌を詠んでいただろう・・と思うのであった。

 

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