ペグが3本立ってる!
ケメンチェっていうのは中東の擦弦リュートの総称だが、色んな形があって、丸っこい奴とか涙形のやつとかあるけど、これは細長いズッキーニ形で、黒海沿岸地方で用いられる、カラデニズ・ケメンチェと呼ばれるタイプ。ホロンという民族舞踊の伴奏などに用いられるそうですな。私は現地では見れなかったけど。
ペグ箱の裏はこんな感じ
弓なんか超ぶよぶよで、持ち手の指の当たるところにビニールテープなんか巻いてあって・・・多分二胡の弓みたいな持ち方をするんだろうな。楽器は膝の上に立てて演奏するようだけど。
見るからにバイオリンの源流楽器・・・と言う感じだけど、ペグが3本で正面に向けて立ってる。弾きながら調弦っていうのはやりにくそうだな。裏から見るとこんな感じで・・構造が分かるでしょ?
ま、何て安直なテールピースの留め方!当然エンドピンなし。
まぁ、私が持ってるのは安物だから演奏には耐えられないだろうが、スチール弦で響くこたぁ響くんだよね。
「安い楽器でもバイオリンの源流楽器に迫りたい」という気持ちと、「安い楽器ならではの手抜き部分を見て楽しみたい」という気持ちの両方を叶えてくれるなぁ・・・この楽器は。
f字孔ならぬI字孔だな。また弦の留め方が原始的でいいね。
本体部分はバイオリンにすごく似てるよね。駒の部分なんか特に。
指板のところに窪みがあるけれど、弦をここまで押さえつけろという意味ではなさそう。涙型のケメンチェは爪の凸面で、横から弦を押さえるように演奏するが、この細長いカラデニズ・ケメンチェは違うみたいだ。だが、窪みに指を立ててみるとちょうど爪の位置が弦に触れ、クリアな音が出るんだが・・・。弦が3本あるのに窪みの穴が2列しかないっていうのは解せないねぇ。
あと、弦の留め方だけど、エンドがボールになってるわけじゃないから、バイオリンみたいに穴に通すんじゃなくてギターみたいに巻きつけるタイプなんだね。