宦官長のスンビュルの恋は悲劇的な結末に終わった。彼が恋人の家で酒に酔い、ヒュッレム妃が秘密の部屋で御前会議を盗聴していることをバラしてしまったせいで、スレイマンにも伝わり、ヒュッレムは窮地に陥る。ヒュッレム妃の命令で恋人とを毒殺せざるを得なくなったスンビュル。彼はなんてイイ奴なのだろう。恋人を殺したショックで体調の悪化したスンビュルを見舞うヒュッレム。でもスンビュルは恨言一つ言わない。全ては自分が招いたことだと。ヒュッレムはスンビュルに土地を与え、宮殿から解放し、自由にした。スンビュルもまたある日突然連れてこられ、突然去勢された人だったのだ。
それに引き換え、ナーゼニンの愚かなこと。ベネツィアではヌルバーヌーに使えていた彼女は皇帝妃になったことで皇子妃であるヌルバーヌーより立場が上になった。彼女のヌルバーヌーに対する悪口雑言を聞けば、どんなにヌルバーヌーが嫌いでも、ヌルバーヌーを応援したくなるだろう。実際にはヒュッレム妃はヌルバーヌーにナーゼニンを殺害するよう指令を出していた。ヌルバーヌーがしたことは悪口雑言に耐え、ナーゼニンのペンダントを引きちぎって下に落としただけ。ナーゼニンは、テラスから身を乗り出すが、柵が壊れて落下し、死亡した。
で、筋に関係ないことを1つ書くとすると、当時の手紙は賞状をしまう時のように筒状に丸めている。大事な書簡は、賞状入れならぬ、筒状の立派なケースに入れて持ち運ぶ。秘密の恋文は人差し指ぐらいの大きさの筒状に丸めてリボンで結ぶ。絶対折ったりしないのだ。で、どうやらこれは公文書も同じようなのだ。公文書が収められている書庫の様子を見てびっくり。それぞれの棚に、筒状に丸めた紙が無造作に置かれており、しかも筒の外側には何も書かれていない。筒状の紙では場所もとるし、外側に何も書かれていなければ、分類も難しい。これじゃ、見たい資料に行きあたるのは至難の技だぞ・・と思ってみていたが、有能な人はちゃんと情報を集められるようである。へ〜え。