荒木健太郎/KADOKAWA
POPなカバーの本だし、中身も写真やイラストがふんだんに取り入れられているのであるが、正直結構高レベルで細かく、難しいと思った。日頃、私が下ばかり向いて歩いているのと、完璧インドア派であることから、興味はあるけど疎い分野なんだよね。
本を読みながら、そういえばこの話、父がよく絵を描きながら説明してくれたなぁ・・などと懐かしく思う部分も結構あった。いつぞや、父が書いた積乱雲が林立している絵そっくりの状態が、夕方の中学校の校庭から見えて、「おっ!」と思ったら、その夜は嵐のような天気になった。そうか、あれはこの本によると、「線状降水帯」というのだな。積乱雲の動く方向の後ろ側で新たな積乱雲が次々と発生することから、その仕組みは「積乱雲のバックビルディング」というのだな。日頃、空をあまり見ない私でも、積乱雲だけはついつい見入ってしまうなぁ。
雲についてかなりのページを割いてくれているが、飛行機雲のこともきちんと書いてくれている。昔父が「飛行機が高いところを飛んでるとできるんだよ」と言っていたが、確かに低温な高い空で発生するだけでなく、空が湿っているほど長生きして成長するそうだね。1つの飛行機によってできる飛行機雲の本数は、エンジンの数によって決まってくるんだね。
あと、雨の粒は、漫画などでは先がとがって涙状になっているが、それはウソで本当はおまんじゅうみたいな形なんだとか、雷の落ちた場所でキノコがよく育つとか、2メートルの積雪が6m四方の家の屋根全体に積もっていれば、小柄な力士216人が屋根に乗っているのと同じ重量だとか、興味深い話もたくさんあった。
この分野、もう少しちゃんと勉強したい。先日見たレッドクリフでの諸葛孔明のように、空の雲を見て天気を読み、戦略を立てることができたらかっこいいなぁ。