世界はカオスの中にある。米中貿易戦争の勃発やら、中国の習主席の動向、さらには、トルコショックまで起こって、いつ世界恐慌に連動するか分からないと小資本家の動揺は深まるばかりである。だから、ちょっとした軍事的な緊張が世界恐慌の引き金になるかもしれないのである。我が国の周りでは、何と言っても、南シナ海と北朝鮮情勢である。その北朝鮮の金正恩委員長の9月にロシアののウラジオストックで開かれる東方経済フォーラムへの参加が見送られたようだ。これによって、日本の安倍首相との会談はなくなった。なぜ、見送られたのかと言えば、同じ時期に開催される南北首脳会談のためである。だから、韓国の文大統領の参加もない。東方経済フォーラムはロシアのプーチン大統領の肝いりでできたもので、これまでは主に日ロ韓の首脳が集まり、この地域の経済発展を議論してきたのだが、ロシアの対面がつぶされた格好となった。この背景には、北朝鮮の非核化の動きが進まず、逆に北朝鮮にとっては、見返りの進展がない状況で、打開の道が閉ざされ、どうしたら、自分たち主導の交渉ができるかと南北朝鮮首脳の焦りさえ感じるのである。しかも、どちらの首脳も、これに成功しなければ政権に大きなダメージとなるのである。ただ、北朝鮮の金正委員長は現在、誰と話すことが重要かと言う意味では道を間違えているように感じる。(2018.08.21)