英国の国民投票の結果、英国はEUからの離脱を決めたのであるが、この結果が、将来のEUの瓦解の方向に舵を切ったことは間違いないだろう。戦争さえ起らなければ、民主主義と一緒で、多数の独立国家でいたほうが良いのである。ヨーロッパは一時期、巨大国家を目指したのだが、それが一部の国の支配になったと多くの国の人たちが気づき始めたのである。それでも、東欧諸国のように、戦争の危険にさらされている国は、巨大国家の一員になることを望んでいるのだが、他の多くの国民は自身の独立が危ぶまれていることの方が気になりだした。それは例えば、イギリスで言えば、白人の低収入の労働者たちだ。古くからのイギリス人で、新しく参入してきた新イギリス人たちに職も、地位も奪われている人たちだ。それはフランスでも、ドイツでも、イタリアでも、政治運動化してきている。このベクトルの動きは右に行ったり、左に動いたりする。イギリスからの分離独立を目指すスコットランド民族党のスタージョン党首は早速、この結果を受けて、「スコットランドがEU=ヨーロッパ連合にとどまるため、あらゆる手を尽くす」と発言した。だが、大方の関心はギリシャのEU離脱である。(2016.6.25)