香港の林鄭月娥(りんていげつが)行政長官が5月の行政長官選に立候補しないと表明した。行政長官は2期10年まで、その職を務めることができるにもかかわらず、彼女にもその意思が強かったにもかかわらず、北京の圧力前に屈した形だ。これまで、役人出身の彼女は北京の要請に応じて、民主派の弾圧など、できる限りの力を注いできたように見える。それは、たぶん、彼女の本心とは異なるものだったのではないかと私は推測しているのだが、本心がどうであれ、あれだけ香港の人たちへの弾圧に手を貸したのだから、糾弾されるべき人間である。さて、このように北京に協力した彼女がをなぜ、引きづり下されたのか。それは香港でのコロナのまん延が防げなかったことが強いようだ。ゼロコロナを掲げる習近平政権は、今、中国全土でのコロナのまん延に四苦八苦している。上海のロックダウンは指定した期限を向けても、解除されない。上海の沖合では荷揚げを待つ船舶が渋滞を起こしている。それだけ、中国経済に与える影響も大きいのである。香港からコロナが中国大陸へ拡散したことは間違いない。その処置が手ぬるいという怒りに触れたのだろう。私に言わせれば、北京の政策の方が悪いと思うのだが、これまでの経済重視ではいけないと判断したとしか思えない。次期長官には警察出身の李家超(りかちょう)政務官が選出される予定だという。ますます香港は自由な雰囲気は失われていくのだろう。もちろん、それは経済の鈍化につながっていく。(くちなし亭、2022.04.06)
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