シリアで、今

２０１２年８月２０日、紛争の地、シリアで日本のジャーナリスト山本美香さんが亡くなられた。その半年前の２月２２日、同じシリアの地、ホムズで、イギリスのジャーナリスト、メリー・コルビンさんがシリア政府軍の砲撃を受けて、亡くなられた。彼女達が送り続けた情報はこれまでにない悲惨なものであった。メリー・コルビンさんは言う。「これまで、私はリビアのミスラタでも、同じような悲惨な状況を目にしてきました。しかし、ミスラタでは一般の子供たちは逃げる場所がありました。ビルの陰に隠れて、身を潜めていれば、命を失うことはありませんでした。しかし、このホムズは違います。政府軍は戦車と飛行機で、無差別にビルというビルに攻撃を繰り返します。今も、私の目の前で、幼い子供が命を落とそうとしています。」このレポートの数時間後、メリー・コルビンさん自身も命を落とすことになります。イラク戦争やアフガン戦争という幾多の戦場を駆け巡った山本美香さんも、これまでとは違う戦場で、大切な命を失ったのではないかと思います。今、シリアでは彼女のために、鎮魂の歌を歌う暇のないほどに、多くの人たちの命が失われています。

Y-FP Office Japan