ピアニストの中村紘子さんが亡くなられたという。72歳だという。若い。死因は大腸ガンであるという。ガンは私にとって、急に、脅威になった。怖い病気になった。身近に,ガンと闘う人が増えたからだ。ガンは転移する。沁みだすように細胞を移っていく。その過程ではガンは見えない。見えない故に、私たちにとっては恐怖だ。私の家内が乳がんになった。手術は成功したが、その恐怖と今、闘っている。見張りリンパを取ったことで、左腕は蚊に刺されてもならない。病院は寒い。手術中、私は病院の中で震えていた。患者にとっては最適な環境も、浮き添い人にとっては寒い。心も寒い。10日ほどの入院生活の後で、家内が退院した時、私は急激な悪寒とせき込みで、倒れた。緊張の糸が切れて、体内のウイルスが私の白血球を打負していた。(2016.7.29)
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