日本人の労働生産性が低下しているのは、大集団であった団塊の世代がリタイアさせられたからである。企業にとっては、団塊世代に対する高賃金から解放されたことは大きいのかもしれないが、日本全体にとってみれば、きわめて大きな損失である。だから、何とかして、労働生産性を上げなければならないのだが、女性の社会進出も幾多の壁の前に思うほどに進んではいない。こんなことをしているとどうしても安易な外国人労働者に頼らざるを得ない状況になり、日本もいつの間にかイギリス化して、社会不安を引き起こしかねない。さて、そのような中で、休日出勤が有効ではないかと感じた。実は、日本人の休日出勤率は６％程度なのだが、ノルウエー人の休日出勤率は２７．５％にも上るそうである。ただ、日本人の考える休日出勤は皆が遊んでいる休日に、書類を抱えて、会社に行き、デスクでパソコンと向き合うというもので、どうしても、モチベーッションが上がらない。だが、ノルウエー人の休日出勤は違う。昼間、家族と十分に楽しんだ夜に、自宅の机に向かって、月曜日の会議の準備をするというものだ。私の経験では私も、サラリーマン時代、同じように自宅の机で、仕事の準備をしていたが、あくまで無給であった。決められた時間内に仕事が完了しないのは無能の証だった。ノルウエーのように、フレキシブルに仕事時間を選べるようになれば、今は、労働者になれきれない人を含めて、進んで労働参加することができるように思える。(2016.7.04)
