パラレルワールド。この言葉はご存じであろう。SF小説などの題材に、よく用いられる。人間は、瞬時、瞬時に、色々な選択を行う。そのそれぞれの選択により、違った世界が起こることが想像されるのであるが、その違った世界がパラレルワールドだ。そのパラレルワールドが存在すると主張する人がいるのである。しかも、まともな学者だ。1957年に当時プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エヴェレットが提唱した「Many Worlds Interpretation=多世界解釈」が起源とされるもので、今回、オーストラリアのグリフィス大学とアメリカ、カリフォルニア大学の合同研究チームが「パラレルワールドは存在するばかりでなく、相互に影響し合っている」という新理論を発表したのである。この直近の世界同士が反発するという仮説は、老人などの生活習慣に当てはまる。ひとたび、人に勧められて、良かったと感じたら、誰がなんと言おうが曲げない。使い続けたり、買い続ける。旅に出て、知らぬ街に行くと、とても開放感を感じて、今までの自分とは違った行動に走りたくなる。だから、中国人の爆買いなども自然な心理だ。でも、その別の世界が存在するにしても、その世界を覗き見ることができない私たちには、この世界こそ大切だから、自分の心を磨く以外に方法は無いのである。(2015.2.14)