皆さんは、現在の安倍政権の外相が誰であるかご存知でしょうか。現在の各国内の力関係は明らかに、首相だったり、大統領だったり、主席であったりする人に権力が集中しているようです。そのうえ、各国の関係がより密接化しているので、内政と外交とを分けることが難しくなっているという側面もあります。しかし、私たちの歴史の中では、外相の活躍が重要であった時代もありました。日露戦争における小村寿太郎氏やアメリカのニクソン政権下のキッシンジャー氏のような方が有名です。そして、ペレストロイカ時代のソ連の外相、エドアルド・シェワルナゼ氏がいます。ソ連の最後を飾るペレストロイカの推進者として、ゴルバチョフ政権を支えた外相として新思考外交を推進したそのシェワルナゼ氏が故郷のグルジアで亡くなったそうです。８６歳でありました。歴史の証人としては意外に若いという印象を受けますが、このシェワルナゼ氏は、ソ連崩壊後もグルジアに帰り、大統領として迎えられました。その意味では、政治家としては、ゴルバチョフ氏より息が長かったのです。だが、その彼も、２００３年、大統領を追われることになりました。歴史上から消え去っていたのです。
