2005年にリイシューされた「対」発表に併せた1994年のワールド・ツアーでの映像。私は毀誉褒貶激しい再結成フロイドについては、けっこう好意的な方で「鬱」は大好きなアルバムだし、1988年に初来日以来十数年ぶりに日本公演も、これを逃してはなるものかと、代々木のプールに何はさておきはせ参じたくらいだ。いうまでもないことかもしれないが、「鬱」や「対」といったアルバムでの音楽は、解散間際のフロイドがロジャー・ウォーターズの音楽であったのと同様、デイブ・ギルモアの音楽であった。だが、私のようにフロイドで最初に聴いたアルバムが「原子心母」であり、「炎」....いや、「アニマルズ」あたりで、いったんフロイドへの音楽的関心を失ってしまったリスナーにとっては、再結成フロイドの音楽は、1970年代初頭の頃への回帰として響いたのである。
http://blogout.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/pink-floyd-puls.html