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エルガー 交響曲第1番/ショルティ&LPO

2009年04月08日 23時24分21秒 | クラシック(20世紀~)
 先日、「記憶によれば、私は交響曲の一番をずいぶん聴き込んで、「あぁ、もう少しだ、あと何回か聴けば、きっと気に入る....」くらいまでいったと思う」と書いたエルガーの交響曲第1番。ヴァイオリン協奏曲、エニグマ変奏曲とエルガーをあれこれ聴いているついでに、長年終わってない宿題のようになっている、この曲もリベンジよろしく久々に聴いてみた。演奏は先の5枚組に入っているバルビローリと他にも、ショルティとバレンボイムがあったので、あちこちつまみ食いしているところだが、とりあえずヴァイオリン協奏曲の時の経験からも、一番メリハリがありそうなショルティとLPOのものを聴いている。

 さて、この交響曲第1番だが、四半世紀前にずいぶん聴き込んだとか書いている割には、改めて聴いてみてもどこもほとんど覚えていない。むしろ、こんな晦渋な代物を20代の頃によくもまぁ飽きずで聴き込んだものだと感心してしまうくらいに、よくわかんない曲である。まぁ、全体的には「エニグマ変奏曲」と似たような雰囲気、音符が沢山出てくるので、ヴァイオリン協奏曲に比べれば、まだエルガーらしさのようなものは良く伝わってくるのだが、それにしたって全体は恐ろしく地味である。ロマン派らしい劇的なドラマのようなものが、この曲の中でいろいろ蠢いていることは分かるのだが、その動きが表向きあまりに変化に乏しく、その実相が正しく伝わってこないといったところだろうか。

 冒頭の主題は全曲に循環するモチーフのようだが、聴きようによっては「威風堂々」のヴァリエーションみたいなこれが、まずはイマイチ魅力に欠ける。エニグマのような情緒、チェロ協奏曲のような劇性がなく、なんだかひなびた田舎の式典会場のような雰囲気すらしてしまうのだ。これが一区切りすると、ようやく主部となるが、暗雲漂うような第1主題、優美な第2主題ととりあえずソナタらしいお約束で進んでいくものの、先に書いたようになにかドラマが起こっていることはわかるのだが、あくまでも他人事みたいなところがあるのである。第2楽章はスケルツォも同様だ。まぁ、慣れてくればおもしろみも出てきそうな予感はするのだが....(と四半世紀前にも思ったのだろうな-笑)。

 第3楽章は「エニグマ」の「ニムロッド」を思わす音楽で、「ブラームスin英国」みたいな音楽だと思えば、こちらは素直に楽しめる。第4楽章は第1楽章に呼応するもので、嵐の前の静けさみたいなムードで始まる、調度ブラームスの交響曲第1番の第4楽章冒頭みたいな手順である。だが、これまた本編が始まると、あれこれとドラマチックな展開をしているのだろうが、どうもこちらに伝ってこない。循環主題が登場する楽曲の統一感のようなものも、ここでは大きく目論まれているようなのだが、それもこちらには今一歩訴求力がないというのが正直なところだ。
 いやはや、これも相当な難物である。四半世紀前にどのくらい聴き込んだのか、今では全く覚えていないが、これは当時の私には歯が立たなかったのも無理はないという気もしてしまう。うーむ、この曲、もう少し聴き込んでみるしかないだろう。
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