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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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BOB JAMES / H

2007年01月20日 14時09分24秒 | JAZZ-Fusion
 「Touch Down」から本作までの三作は、ボブ・ジェームスがもっともボブ・ジェームスらしかった、いってしまうえまば黄金時代の三部作といっていいようなもので、どれも甲乙つけがたい作品だと思いますが、個人的にはこの作品が一番好きですね。冒頭を飾る「Snowbird Fantasy」は、恐らくボブ・ジェースの最高傑作で、アコスティックでトラディショナルな旋律からシンセ・サウンドとアコピによるテーマ演奏を経て、ブラス隊が加わりラテン風味も交えつつ、ちっょと哀愁っぽいムードを大きく展開していく訳ですが、こう書けばわかる通り、この曲、この時期の彼のほとんど全ての要素が網羅されているといってもよく、その意味は、まさに「ボブ・ジェームス・サウンドの完成」と呼ぶに相応しい出来といえましょう。まぁ、完成度云々はともかくとして、こうしたジャズ・フュージョンの世界から、こうした映像的というか、ある種のドラマを感じさせる風景を見せてくれたというだけでも、なかなか凄いものがあります。

 2曲目の「Shepherd's Song」は、アコスティック・キダーとアコピの絡みで進んでいく、やはりトラッドっぽい曲で、従来の感覚でいえば、これも完全にジャズの領域を逸脱したサウンドで、もう少し後に出てくるニュー・エイジ・サウンド的な淡い色調なのがなかなか先駆的な音です。4曲目の「The Walkman」は「Touch Down」路線の軽快かつダイナミックな曲ですが、よりシンセをフィーチャーしているがその後の変化を予見しているといえるかもしれません。5曲目の「Throughbred」は「Snowbird Fantasy」的な哀愁+ダイナミック・サウンドといった感じの曲ですが、こちらはよりホットで途中スパニッシュ調になるあたりなかなかどうしてジャズ的感興が盛り上がります。4,6曲目はどちらもしっとりとソフトなニュー・エイジ路線で、どちらはもグロバー・ワシントンJrのサックスをフィーチャーしています。あっ、そうそう、このアルバムでボブ・ジェームスは自分の弾くキーボードの比重をエレピからアコピに移し替えてます。アコスティックな雰囲気が強いのはそのせいもあるかもしれませんね。
コメント
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