Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

BolgOut in 光華商場

2008年12月14日 22時46分41秒 | 台湾のあれこれ
 光華商場は台湾のアキバである。かつては、新生南路と松江路という道路がクロスする光華橋の下にあったそれこそアキバの東京ラジオデパートのような雰囲気の場所であった。私はかつて二度ほどここに立ち寄ったことがあったのだけれど、2層構造の狭い通路の両側に様々なメディアやパーツ、そしてコピーソフトのショップが並びところ狭しと商品を怪しげな陳列してある様は、ヤバさにおいてアキバの数倍という感じだったが、台湾もこうした点も先進諸国においつきつあっただろう。2度目に行った時はコピーソフトは一掃されていたし、しばらく台湾に行かなくなったと思ったら、光華商場そのものが取り壊されていたという話も聞いたのだった。

 さて、今回訪れた光華商場は、かつての場所からけっこう近い場所にリニューアルされたもので、ご覧のとおり近代的な6階のビルになっていた。記憶によれば、このあたりは小さいテンポが通り際にびっしり立っていたような気がするのだが、ひょっとするとそれは全部取っ払ってこれを造ったのかもしれない。記憶違いかもしれないが、もしそうだとすれば、相変わらずパワフルな街である。今回は昨日のハードスケジュールがたたったのか疲れ気味だったので、ココは1時間ほど立ち寄っただけだが、怪しげな雰囲気はほとんどなくなっているが、巨大なビルにこれだけのショップが集合しているのはさすがに壮観である。電脳街らしく、コスプレ風ギャルがチラシ配っているし、パーツの価格表が大きな紙に殴り書きされ、無造作に店頭を飾ってたりするあたりもアキバと全く同じで、異国の地とは思えないムードであった。

 私がやる台湾ツアーといえば、あちこちせわしなく歩き回る....みたいなパターンが定例化しているのだが、もしまたココに来ることがあったら、今度はあちこちつまみ食いせずに、半日くらいかけて、ゆっくりとここを探検するのも一興かな....と思った次第。とかいいながら、夜はしっかり臨光街観光夜市(ココも10年振りかな)にいったりしてるんだが(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BolgOut in 高雄

2008年12月13日 23時46分41秒 | 台湾のあれこれ
 実質1日目、朝9時くらいに台北駅を出発し高雄へ向かう。台湾を九州に例えると、ざっくりと台北は博多、高雄は鹿児島ってことになるだろうか。高雄は台湾第二の都会だが、旅行客が行くには電車を使うと4時間くらいかかってしまい、オプショナル・ツアーではたいてい飛行機を使っていたような記憶ある。ところが2007年に新幹線が出来たおかげで、1時間半で高雄を行けるようになったため、それを利用して今日一日は高雄で過ごそうということになった訳だ。

 新幹線は日本の技術を輸出したただけあって、ほとんど違和感はないが、車内の騒音や揺れという点でみると、いささか日本のそれに比べて劣っているように感じたが、いずれにしても1時間半である、あっという間に高雄(正確にいうと左榮駅)に到着する。そこからタクシーで蓮池公園というところで観光、蓮池公園は龍虎塔という七層の等がツインで立っていて、龍の口から入って、虎の口から出てくると、不浄が落とせるみたいなご利益があるらしい。ちなみに写真はその龍の部分である。しかし高雄は暑い、日本なら6月下旬から7月上旬という感じである。観光客はほとんど長袖なのだが、駅を出てこんなもん来てくるんじゃなかったという顔をしているのが微笑ましい。もちろん、私もそのひとりだったのだが....。

 続いてタクシーで高雄市街まで移動、高尾駅の近くある「高雄駅帖食堂」という野趣満々、いかにも熱帯地域にある露天食堂ってな雰囲気の食堂で飯を食べた後(どれもうまかった)、古き良き日本を思い出させる帝冠様式で作られた高尾駅の旧駅舎をみたり、建国二路電脳街(ココは台湾の日本橋かな)でぶらぶらしたり、海の近くにある高雄最大のナイトマーケット、六合夜市にいったりして、あっという間に夕方になってしまった。この時点でほとんど足が棒のようなっていたが(笑)、そのまま新幹線で台北に戻り、MRTを使って公館夜市へと向う。公館夜市は台湾大学の近くにある夜市で、初めて訪れる夜市である。場所柄故か、台北の若者達でごったがえしていて、他の夜市とはちと違うムードがあった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BolgOut in 台湾 2008

2008年12月12日 22時01分49秒 | 台湾のあれこれ
 昨年に続き、めでたく本年も実現した台湾ツアー。今回は12日から15日まで三泊四日というスケジュールで、二泊三日、実質フリーで動けるのが一日しかなかった昨年に比べれば、今回はフリータイムが丸々2日あるのはうれしい。ただし、往路:成田空港集合17時、復路は6時には台北出発という、時間的には一番キツいスケジュールなのは、激安ツアー故に仕方ないところか。ちなみに今回のツアーは秋口、つまり折からの石油高騰のまっただ中に予約したため、燃料のサーチャージが2万近く付いてしまい、昨年に比べれば金額的には倍近くかかってしまったのは、ちとイタかったのだが....。

 さて、今回のツアーだが、前記の通り成田空港に17時に集合し、19時出発だから、時差を含めても台北市街に入ったのは、もう現地時間で23時半くらいである。なので、初日はほとんど何もできない。幸いにも今回は天成大飯店という台北駅の目の前にあるホテルだったので、一応、台北ツアーのレギュラーコースである三越裏の路地などにも行ってみたのだが、いかんせん時間が遅すぎた。CDショップも食い物屋も、コンビニ以外ははほとんど閉店、人もまばらな状態であった。まぁ、どっかの夜市の方にでも行けば、まだまだ人はいたんだろうけど、さすがに同行した相方ともども、昨夜はほとんど睡眠をとれないままに、このツアーに突入したため、この時間から遠出する気もなれず、すごすごとホテルに引き返したのだった。という訳で一日はほとんど移動のみ。

 ちなみに写真は宿泊したホテルの近くにあるセブンイレブンの前で撮ったもので、昨年ちょっと書いたCityCafeである。あれから一年経った訳だけど、相変わらずキャラクターには王心凌(シンディー・ワン)が使われていて、ちょっとうれしくなってましった。見た目ではだいぶ大人になったよーな感じがするんだけど(なにせ26歳だからなぁ、これでアイドルできる台湾は凄い....といか、日本が異常なのかも-笑)、相変わらず日本の女子高生みたいなノー天気な服装して、例の豪快にキャピキャビした歌をうたってるんだろーか?。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基隆2007c

2008年02月10日 11時08分57秒 | 台湾のあれこれ
 こちらは忠二路からちょっと脇の道路だったと思う。夕暮れ時だったのでそろそろどの屋台でも灯りをつけ始めた頃だったと思うのだが、それがのがいいムードだった。前にもちょっと書いたけれど、屋台っぽい野趣とか規模などという点でいえば、基隆の屋台は士林には比べれば、それほど驚くようなスケールではないし、扱っているものも食い物主体なのだが、屋台街のど真ん中に昨日書いた慶安宮などがあったり、どことなくのんびりしたところも妙に風情があって、個人的には士林より好きなところである。また行き帰りに通る基隆港のムードがあっていい。そういえば、帰り道-もうすっかり夜だったが-港越しにある基隆駅の近くにあったとおぼしき、スターバックスは何故かイルミネーションが何カ所か欠けて妙な感じになっていた。日本だったらすぐに直すだろうに、どのくらい続いているか、そのままなのはいかにも大陸的なのんびり感あってよかったな(よくねーか-笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基隆2007b

2008年02月09日 11時08分11秒 | 台湾のあれこれ
 基隆の屋台街には、メインストリート(忠二路)からちょっと入ったところに慶安宮という寺がある....というかメインストリートから脇に入ると、そこはもう境内という感じなのだが、この境内周りには当然の如くびっしりと屋台が軒を並べている。それもおみやげとか宗教がらみのアイテムとかではなく、全て飲食店である。先のツアーでは二泊目は成り行き上、夕食をここでとることになったのだが、排骨だのぞぼろがけご飯だのをぱくつきながら、とにかく熱気みなぎる台湾屋台の雰囲気を満喫できた。ちなみに先ほどネットで調べて、こみに祀られているのは航海の神様だとか、全くそういう感じはしなかったのだが(笑)、さすがに港町ならではある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基隆2007a

2008年02月08日 11時05分52秒 | 台湾のあれこれ
 最近、ほとんど音楽聴いていないので、穴埋めに昨年末台湾にいった時の基隆の風景を3連打。基隆駅は10年振りくらいに行って大分今風な駅になってしまったけれど、基本的には戦前に日本が作った典型的な日本の駅の体裁をとった駅だ。いわく入り口と出口が別エリア、入り口の改札の上にデカイ時刻表、鉄パイプを多用した改札口、駅舎のとなりある別棟の便所などなどだ。こういうスタイルでは台中駅がなんといっても、まんま戦前の日本という感じで既視感を誘うような雰囲気があったのだが、こちらはそれなり近代化しちゃってるのが、観光客としては残念。こちらの思いこみもあるけれど、こういう駅に来ると、映画「ラストエンペラー」での冒頭で溥儀が逮捕される場面をおもいだす。あれは確かハルビン駅だったと思うのだが、あれも日本製だったのだろうか?。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香鐵蛋

2008年01月25日 19時06分31秒 | 台湾のあれこれ
 こちらも豆乾同様、台湾みやげである。もっとも自分が買ってきたものはこの年末に平らげしまっていたのが、同行した友人が先日お裾分けしてくれたのでまた食べることができたという訳だ。豆乾も香鐵蛋も台湾の珍味だが、おそらくポピュラリティという点からすると、こちらの方が圧倒的に有名だと思う。淡水などにいくと、これを売っている屋台、おみやげ屋のオンパレードだ。ちなみにこれだが、一口にいうとゆで卵の燻製とでもいったらいいような代物である(真っ黒なのはそのせい)。
 味は醤油+八角という典型的な台湾スタイルだが、やはりユニークなのはその食感だ。とにかくゆで卵の白身は燻製したけっかガムのように弾力のある食感にかわっていて、これをかむと中から黄身の味がお出ましになって、これが合わさって非常にユニークな食感になるのだ。ふわふわした黄身とゴムのような白味という、決して相容れない食感のブレンド、そしてピリ辛の台湾の味付け、まさに珍味そのものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒胡椒豆乾

2008年01月24日 23時58分18秒 | 台湾のあれこれ
 先月台湾にいった時に購入してきたもの。豆乾とはよくわかんないんだけど、豆腐を乾かして油で揚げたものだ、いろいろなスタイルがあるのだろうが、台湾のデパ地下で購入してきたこれはそれを甘辛く似たような代物である。形状としはガムの長さ2倍なったような感じで、これが折れたり、よじれたりして袋に収まっている。非常にねっとりとして手でもつと、ねばねばになってしまう。味は甘辛い、これは黒胡椒と銘打っているだけにより一層なのだろうが、一緒に購入してきた普通の豆乾に比べて、それほど違いがある訳ないように感じた。
 あとこれもよく分からないのだけど、店ではたいてい肉乾と並べて置いてあるし、肉を食べたくても食べられない人向きの、ある種ヘルシーフーズみたいなもんなのかもしれない(屋台なんかでもこういう似非肉料理が台湾には沢山ある....というか、これは中国の文化なのかもしれないが)。食感といい味といい、確かにぱっと見肉を食べているような気はなる。もっとも油で揚げてしまっていては、これ食って痩せるとかは論外だろうけどね(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蘇慧倫 vol.1 Lemon Tree 鴨子

2008年01月07日 00時11分26秒 | 台湾のあれこれ
 台湾ポップスの映像ディスクというと、私はもっぱら蘇慧倫ばかりを買い集めているのだが、そのほとんどはCDVである。だが、既に何度も書いているとおり、並のDVDでさえ「普通」くらいにしか見えない現在、CDVはもう全滅である。これまで、何度も画質にこだわらないとか書いてきたクセに、十分にこだわってじゃねーかといわれそうだが、これは最低ラインを話である。発色がどうの、明るさがどうかといったこと以前に、とにかくノイズの目立たない、とりあえず心やすらかに画面が楽しめる....といった水準が液晶テレビの場合、やたらと高いのだ。こういうのは、過渡期に現象というべきなのかもしれないが、なんとなく倒錯したものを感じないでもない。

 さて、このDVDはもちろん蘇慧倫のビデオ・クリップ集である。しばらく前に購入した高勝美のDVDを購入した時に併せて購入したものだが、Vol.1とついているからには当然Vol.2もあって、この2巻あれば彼女のビデオ・クリップ集のおいしいところは、あらかた楽しめますよ....という趣向なのだろう(収録曲は2巻で約40曲)。もちろんこのディスクに入っていない曲も沢山あるのだけれど、近年カムバックしたとはいえ、歌手として勢いは到底一時に及ばないので、大ヒット曲でも出せばもちろん話は別だが、現状ではあまり網羅的な復刻は望めないのは明らかだ。なので、しばらくはこれを楽しむしかないだろう。なにしろこのディスクでさえ、本国の台湾製ではなく中国本土で作られたものなのだ。

 ともあれ、ブロックノイズ出まくり、カラオケとヴォーカル入りのトラックが左右に振られている奇妙なステレオではなく、こうしてきちんとしたクウォリテで彼女のヴィデオ・クリップを観ることができるのはありがたい。もっとも画質としてはそれこそ「普通」くらいでとりたてて喜ぶほどでもないのだが....。収録曲は第1巻に入った90年代中盤あたりの曲が絵的にはいい。前にも書いたけれど、彼女はこの時期が一番「ガチできれいないい女」していたと個人的には思っているので、アイドルっぽい作り笑顔にしても、泣き顔にしても、憂いを帯びた表情にしても、この時期はまさに光り輝いていたという感じだし、「哭過的天空」でのステージの様子など、大スターらしい華と風格のようなものまで感じさせてくれて、最高に素敵だ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖誕舞曲

2007年12月22日 20時44分47秒 | 台湾のあれこれ
 いつだか忘れたけれど、たぶん7,8年前に台湾に行った時に購入してきたカセット・テープである。私が訪台するのは何故か12月上旬になることが多いので、台北のショップにはクリスマス関連の商品が置かれていることが多く、おそらくどこかで見かけて「台湾産のクリスマス・ミュージックってどんな感じ?」ってなノリで、バカ安だったに違いないこのカセットを購入してきたのだろう。今、調べてみたらクリスマス・ミュージックこそこれだけだが、演歌系のテープは10本近くあったから、いろいろ買い込んでいたのである。ちなみに先の訪台の際、CDショップの数があまりに激減していたのは愕然としたことは既に書いた通りだけれど、こういったカセット・テープを媒体とした音楽商品もほぼ完全になくなっていた。当たり前といえば当たり前だが、さすが7年という年月の流れを感じさせた。たぶんショップの激減と時を同じくして、このメディアも駆逐されていったのだろうな(VCDはまだ生き残っているが)。

 さて、このアルバム、タイトルは「聖誕舞曲 -X`Mas Dance Songs-」とあり、この手の投げ売り商品らしく、アーティスト名はない。おそらく台湾のスタジオ・ミュージシャンによるやっつけ仕事で出来上がった商品だと思うが、内容的には大昔の音源らしく、ストリングスを中心としたオーケストラ・サウンドをベースにしつつ、ドラムスがほんのアクセント程度にしかバランスされていないサウンドが、いかにも時代を感じさせるからだ。また、よくわからいが、いくつかの音源をピックアップしているようで、イージーリスニング・オーケストラ風、ビッグバンド風、オールディーズ風、邦画のサントラ風とスタイルはいろいろだ。また、「ドレミの歌」とか「いとしのクレメンタイン」といった、日本だとクリスマス・ソングというにはちと苦しい曲も入っているのは、台湾というお国柄なのだろうか。ともあれ、仕上がりとしては、その泥臭さ、ある種の線の細さのようなものは、調度の日本のスタジオ・オーケストラによる映画音楽集を聴いているように、チープさがあって楽しい。ちなみに、台湾らしいといえば、一曲だけ、アイリッシュトラッド風な雰囲気の中、何故か日本の懐メロの一節が引用される曲があって、これはなかなか脱力物なおもしろさがあった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

許茹芸(ヴァレン・スー) /我愛夜

2007年12月19日 22時51分15秒 | 台湾のあれこれ
 こちらは確か中国本土で出た蘇慧倫のベスト盤を購入した時に注文したもので、2004年の作品となる(中国盤)。私は彼女のアルバムというと1999年の「眞愛無敵」しか聴いていないが、あのアルバムが正統派の台湾バラード的音楽でもって全編を染め抜いた作品だったとすると、5年後に出したこのアルバムは-特に前半は-かなり毛色が違ったけっこうモダンな音楽になっている。ちょっと前に「眞愛無敵」をレビュウした時に、「現在も人気シンガーとして活躍中の彼女は、今いったいどんな音楽をやっているのだろうか」と書いたけれど、案の定、2000年前後の台湾ニュー・ウェイブ以降、彼女もけっこうアップ・トゥ・デートな方向で変わっていた訳だ。

 とはいっても、許茹芸は他のみんなのように流行りのギター・ロック系の音をとりいれた音楽をやっている訳ではなく、どちらかというアンビエント・テクノ風というか、エレクトリック・ミュージック的なアレンジを採用しているのがユニークだ。そのあたりは1曲目のタイトル・トラックで明らかだけれど、アンビエント風でちょいとアブストラクトなシーケンス・パターンを配し、リズムは当然打ち込み系、ただし、全体の雰囲気は妙にトロピカルでサロン風な上品さがある上にチャイナっぽい旋律が見え隠れするという、非常にユニークな仕上がりとなっているのだ。許茹芸のヴォーカルはちょいとこまっしゃくれた舌足らずなところが、妙にファンタジックな個性を感じさせると思うのだが、おそらくそのキャラクターを考え抜いた上のアレンジなのだろう。まさに彼女のぴったりのサウンドとなっている、非常にチャーミングだ。2,3,7,10曲目あたりもそういった方向でのアレンジになっている。

 一方、従来のバラード路線としては4曲目の「只说给你听」9曲目「信号」あたりが典型的な王道路線でちょっとほっとする。また、5曲目「众里寻他」はちょっとシャンソン風にアンニュイな表情をみせるメランコリックな旋律が印象的だ(日本人が好みそうな陰影ある旋律でもある)。8曲目の「遇见另外一个人」はアコギをバックに歌った既視感を誘うようなバラードでこれもなかなかの出来である。アルバム・ラストのデュエット曲はさしずめ先のモダン・サウンドと台湾王道路線のドッキングで、フォークロア風な雰囲気、ハウス風なチャカポコリズム、チャイナ風な旋律、アンビエントっぽい浮遊感、大仰なオーケストラといった要素が入り乱れる作品だが、それが不思議と奇妙な調和を見せ、最後に相応しいドラマチックな作品になっているのもおもしろい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

周/精選 兒絶版

2007年12月16日 22時22分13秒 | 台湾のあれこれ
 先日、台北のCDショップ光南大批發で購入したもの。周(チョウ・ワイ)が2003年に出したベスト盤だが、しばらく前にネットのショップでこれの存在をしったものの、時既に遅しでどこでも品切れ状態になっていて悔しい思いをしたからで、光南大批發でなにげなくCDにラックに収まっているのを見つけた時、「おぉ」とばかり迷わず手にとったという訳だ。周はこれまでアルバム数枚出していて、私はそのうち2枚をもっているだけなので、彼女の買うべきアルバムといえば当然レギュラー・アルバムの方なんだろうけど、新曲が3曲入っている点といい、例によって細長の紙ケースのジャケといい、なんとなく購買意欲をそそられるアルバムだったのである。

 さて、周のアルバムはどういう訳か、いつも精選というベスト盤と同義語なタイトルがついているだけれど、これは正真正銘のベスト盤である。どうやらこのアルバムを出した時点で彼女は3作レギュラー・アルバムを出していたらしく、そこからベスト選曲+新曲3つで構成されている。先に書いた通り私は彼女の1,2作は既に購入してあるので、内容的にはそれほどありがたいものでもないが、先の訪台で頭がすっかり台湾モードになっているのに加え、先日聴いた梁静茹の「崇拝」があまりといえば、あまり素晴らしい台湾パラードだったので、音楽の方もすっかりこちらの方にシフトしてしまっているので、旧作のレトロスペクティブとはいえ、この内容はうってつけ。新曲がふたつばかり終わると、1作目のトップを飾った「不想譲[イ尓]知道」と同じく2曲目にラインナップされていた「約定」がそのまま出てくるのはうれしいし、同アルバムではちょいと地味なところ入っていたが「預言」などもこういう順番で聴くと名曲で、台湾バラードの王道をしっかり楽しませてくれる。

 それに比べると、第2作の方は-実は当時からいささか不満に思っていたのだが-どうもアコスティックなフォーク路線に多少シフトしてせいか、いささかメロディックなところが後退してしまっているようで、1作目の曲と比べるとちょっと訴求力に欠ける気がする。私がもっていない第3作目から選ばれた曲もそういう傾向があるように感じだ。ひょっとすると、2000年あたりの時期って、例の台湾ニュー・ウェイブが席捲していたせいで、正統派台湾バラードが多少陳腐化してしまっていて、遅れて登場した大型新人だった周も多少ひねりを入れざるを得なかったのかなという気もする。ちなみに1,2曲目を飾る新曲は、そのあたりを反省したのか-どうかはわからないが-、見事に第1作の頃に回帰したような素晴らしいバラードで、聴いていて「これだ」という感じで楽しめる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蘇慧倫/同名專輯

2007年12月14日 00時07分11秒 | 台湾のあれこれ
 これは先の訪台で入手してきたものではなく、昨年リリース直後に既に購入してあったものだ。彼女は2001年の「戀戀真言」以来、5年ほどシンガーとして活動を停止していたらしく、このアルバムは久々のカムバック作といった趣があったのだが、なんとなく聴きそびれていたところ月日が経ってしまい、先の訪台では本作に続く「左利き」が既にリリースされていて、当然そちらを購入してきたので、そろそろこっちを聴いておこうと思った訳である。それにして、台湾のトップ・アイドル、国民的な人気者として君臨していた彼女はどうして歌手として活動を停止していたのだろう?。レーベルも上華に移籍しているところからして、プロダクションのごたごたがあったのか、元々女優指向の強い彼女のことだからして、アイドル的な活動にうんざりして女優業に専念したのか、異国の地にいるファンにはよくわからないのだが、おそらくその両方なのだろう。

 さてこの5年振りの新作だが、音楽の佇まいが大分かわっている。前作までの数作にあったギター・ロック路線がけっこう後退して、オーソドックスなバラード路線をベースになだらかで拡がりのあるナチュラルな感触になっている感じである。ここ数作にあった楊乃文ばりのギター・ロック・サウンドや、アイドル後期のこまっしゃくれたポップ・センスも悪くなかったが、やはり私には生真面目なスターが無理矢理特定のキャラを演じているような不自然さを感じたのも確かで(発売元の滾石の意向が強かったのかもしれない)、このアルバムで聴けるような、あまり演出臭のないさらりとしたサウンドでまとめた音楽の方が、むしろ蘇慧倫のような人には合っていると思う。ただ、その分台湾ポップらしい抑揚あるメロディックなセンスさだとか、メリハリといったものも後退しているので、全体としては地味な作品になってしまっているのも事実である。このあたりは聴く人の好みということになると思う。

 曲としてはオーソドックスなバラードに回帰したような1曲目の「不想想太多」、ちょっとサロン風なアコスティック・サウンドにのって、心地よいヴォーカルを聴かせる4曲目の「輪廓」が出色の出来だ。6曲目の「找到幸福那年」も「満足」の頃を思い出せるバラードで、なんとなく「おかえり、ターシー」といいたくなるような仕上がりでうれしくなるし、8曲目の「我們」できける宇宙的といいたいような拡がりも、かつての「鴨子」の頃にもどったような趣があって、どことなく懐かしい。ともあれ、5年振りにカムバックした彼女の新作は、本当の意味で着流しの自然な蘇慧倫が出た作品になったと思う。前述の通り彼女は既にこれに続く「左利き」という作品を出している訳だけれど、そこでもこれに準じた内容になっているのだろうか?。まぁ、それはともかく、しばらくはこの作品を聴き倒すしかあるまい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

王心凌(シンディー・ワン・シンリン)/Fly Cyndi

2007年12月13日 22時33分10秒 | 台湾のあれこれ
 という訳で、この訪台で一番街角で見かけた女のコだったシンディー・ワンのアルバム。台北空港へ向かう途中、CityCafeでコーヒーを飲みながら、ふと「このコ、ほんとによく見かけたよなぁ」などと思いつつ、飛び立つ直前に台北空港内のCDショップ店に入ったらすぐ見かけたので、ものはついでにと購入してきてしまった。それにして台北市内のショップに比べると空港内は200元(800円)くらい高くて、買値はほぼ500元、つまり2000円もしたのであった。こんなことになるなら、光南大批發で購入しとけば良かったと後悔したものの、後の祭りである。「まぁ、日本に帰ってきてネット・ショップでもこのくらいの価格になってしまうからいいか」と自分を慰めたものだったが....(笑)。

 さて、このアルバムだが、調べてみるとなんと5作目であった。デビュウ作は2003年に出ているから、もうけっこうなベテラン・アイドルである。音楽を聴いてみると、これが実に賑々しいアイドル・ポップで1曲目など、ガムラン風なリズム、中華風のメロディ、そこにロリ風なアイドル声のヴォーカルが乗っかるという、外国人が聴いたらさぞや「おぉ、台湾のアイドル!」って感じで喜びそうな音楽になっている。とにかく元気一杯、怖い物はなにもないってな、突き抜けたような幼児っぽいパワーを感じさせるヴォーカルなのが印象的だ。ただ、この手の賑々しいアイドルポップばかりかというと、実はそうでもなく3,4曲目あたりからは、ごくまっとうなしっとり系なバラードも歌っていて、こういう曲ではおおよそとはバラードとは無縁そうなロリ声で、しっかりバラードを歌いこなしてしまうあたりは、彼女のけっこうな実力を感じさせたりもするから侮れない。7曲目の抑揚あるメロディを危なげなく歌いこなすあたりはなかなかだ。ルックスは「堀北真希+優香」といった感じだが、音楽的には「アイドル寄りにシフトした大塚愛」といったところだろうか。シンディー・ワンの所属レーベルはエイベックス・トラックス台湾である。

 ちなみにこのアルバム、おまけにDVDがついている。ピンナップの撮影風景と1曲目のMTVが収められているだけなので、ホントのおまけだが、今やそのマケケもかつてのようなVCDではなくDVDになったのは7年という時代の流れを感じさせる。それにしても、このDVDを見ると「堀北真希+優香」って感じでもないかもしれないと思い始めた。もうすこしバタ臭いというか、アジア的な濃さがあるルックスなんだよな。ついでに書くと、彼女は現在25歳、日本ならとっくにアイドルをやっている年齢ではないが、それでも様になってしまうのは台湾の風土の大らかさというものだろうか。まぁ、カタログを見ると歴代の彼女のアルバムでも、今回が一番若作りだったりするのだが(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梁静茹(フィッシュ・リョン)/一夜長大

2007年12月13日 00時43分03秒 | 台湾のあれこれ
 さきほど「崇拝」のレビュウで、「アルバムを購入したのは多分これが初めてである」と惚けて書いたのだが、どうも梁静茹という名前を我が家のCD棚に既にあるような気がして仕方なかったので、今し方あれこれ探してみたところ、これが出てきた。CDシングル使用の薄いプラケースに入っていて、「Promotion Only Not For Sale」と刷られているから、きっと他のCDを購入した時にオマケでもらったかなにかしたのだろう。曲は「一夜長大」その他全部で5曲がフィーチャーされている(ジャケ写真もまじめな女子大生風で若い)。変わっているのはこの5曲が3セット入っていることで、計15曲入って勘定になる。聴いてみるとヴァージョン違いということでもないらしく、まるっきり同じ5曲が3回繰り返されることなる訳だ。きっとショップでBGMとして連続再生させることを前提にした作りなのだろうか、プロモーション・ディスクらしくておもしろい。

 さて、収録された5曲だがどれも1999年のデビュウ・アルバム「一夜長大」に収録された曲で、こういう代物が作られたこと自体、彼女はデビュウ時から滾石唱片の期待の新人だったことを伺わせたりもするのだが、内容の方も中々である。もちろん昨夜聴いた「崇拝」のような練りに練った歌唱という程には円熟している訳でもないが、ちょっとハスキーな声で、クールでドライさと、ウォームでウェットな情感を妙な具合にバランスさせたユニークな個性は既にこの時期から出来上がっているのは凄い。さすがにジョナサン・リーに2年に薫陶を受けただけはある完成度の高い歌唱と個性である。音楽的には王道台湾ポップスなのだが、随所にウェストコースト風なアコースティック・サウンドが味付けとして随所に顔を出すのが印象的で、1999年といえば台湾ニュー・ウェイブは既に始まったいたから、そのあたりを考えて、多少、ロード・ミュージック的な線で売ろうとしていたのかもしれない。特に「一夜長大」や3曲目などそういった趣がある。一方「色虹」と4曲は、極上の台湾バラードで、これは素直に楽しめる仕上がりとなっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする