市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

副市長との面談にて

2020-10-12 | 子ども
写真は、秘書課のカウンターに飾られていたお花。

ススキや菊や紫式部の実に、秋を感じます。

今日は、市内で主に児童福祉事業に携わるNPO法人の代表の方を、清宮副市長や子ども未来部の職員の皆さんにお引き合わせして、懇談の場に立ち会いました。
副市長は現在、先の乳児虐待死事件を受け設置された「要保護児童保護施策推進本部」の陣頭指揮を執っておられます。10/7付のブログでお知らせしたように、専門家による審議会が検証を行ってはいますが、すでにできるところから改革を進めているところです。
こんな時期だからこそ、ぜひとも児童虐待の現場を熟知し支援を実践している方々の生の声を届けたい!
そう思ったのです。

虐待を受けた子どもたちは社会的な経験が極端に乏しい。
10代後半の年齢の子が、ポストを知らない。手紙一つ投函できない・・・。
そんなエピソードの数々に、傍らで聞いていてショックを受けました。

副市長はじめ職員の皆さんはメモを取りながら熱心に耳を傾けて下さり、有意義な懇談になったようで一安心しました。
これを機に民間と行政の連携が進み、現場の声が生かされた地に足の着いた改善策につながるよう願っています。

「Public Community」居心地の良い公共空間

2020-10-10 | 都市・交通
自分では、起きてしまったことをいつまでもウジウジと考えないタイプだと思っているのですが、
数日前、思わず言い放ってしまった言葉が相手を傷つけているのではないかと、けっこう尾を引いています。

そんな折、フリーエディターの松本千登世さんのエッセイが目に留まりました。
仕事で訪れたパリのブティックで、美しくディスプレイされた小物の横にあった小さなプレート。こう綴られていたそうです。
「Touch by your eyes」
「触れないで」ではなく「目で触れてね」。
表現の豊かさに、心が柔らかくなるのを感じたそうです。

言葉の選び方ひとつで、相手を傷つけることもあれば心を温めることもできる。
放った言葉は自分にも返ってくる。
自分もまだまだ修行が足りません。。

さて、
今日は辰巳台地区の会議に参加しました。
辰巳台の団地のど真ん中に広がる塩漬けの市有地と、それに連なる道路や公園といった公共空間を、何とか有効活用したいという想いで持たれた集まりです。
そのイメージづくりのために購入された書籍を私もお借りして、今読み始めています。

「Public Community」


例えば公園なら、
「芝生に入るべからず」のように規制するのではなく、利用者が自由に場を使いこなし愛着を感じるような雰囲気を作る。
パブリックスペースをハード設計や管理から考えるのではなく、使われ方をデザインすることでコミュニティの醸成につなげる。
欧米では、コワーキングスペースやカフェといったコミュニティ機能をロビーに付加するホテルが人気を博し、オフィスでも市民や行政機関が自由に集えるスペースを設ける流れが活発になってきているそうです。
本書には、そんな世界中の魅力的で居心地のよさそうなパブリックスペースの写真がたくさん紹介されていて、眺めていると、まちづくりのイマジネーションが湧いてくるような内容です。
(もちろん、そのまま真似できるようなものではありませんが・・・)

私が特に面白いなぁと感じたページ。
まずロッテルダムの屋内マルシェ。

本来は人がたまる場所ではない通過動線上で食事ができるように、手すりにちょっと引っかけたテーブルが面白い。
その様子を通りがかりの人が見て足を止める、というように賑わいが生まれる仕掛けです。

これはテルアビブ。こんな通りが近所にあると良いなぁ。

昼間はアンティークショップ、夜は飲食店と、同じ場所を違う事業者が共有しているのだそうです。

これもテルアビブの目抜き通り。中央分離帯にキオスク型のコーヒーショップ!


ベルリンの公園。ここでカラオケ大会が自然発生的に行われるそうです。


こちらは2016年にリニューアルして大人気の南池袋公園。
都会のど真ん中というシチュエーションもいいですね。


パブリックコミュニティは、どこででも生みだすことができるんですね。
広い空間が無くても、道路でも、商店街でも。
人々が求めているのは仕掛けられたイベントではなく、自由で居心地のよい空間なのかもしれません。

更級日記千年紀

2020-10-09 | 観光
定例議会も終わったので議会報告の原稿を書かなければならないのですが、なかなか進みません。
今日も市政相談が終わってさぁ取り掛かろうと思っていたら、
知人からお誘いの電話があり、更科の「夢ホール」で開催されている「更級日記千年紀 記念祭」へ。
2020年は更級日記の作者の菅原孝標女がこの地を出発してからちょうど千年の節目にあたります。







牛車の乗車体験や平安時代風衣装の着装体験もできるとのことで、お言葉に甘えて恥ずかしながら私も菅原孝標女(風)になってみました。。
滅多にないチャンスですから(笑)。




昔の装束は着るだけでも大変ですね。ボランティアの方が2名がかりで着付けをして下さって。
私の体形に合ってないのか、すぐに紐がずり落ちてしまって困りました(笑)。


市原市観光協会が五日間にわたって開催していたこの催しも、残念ながら今日が最終日でした。
市内には平安時代の人々の暮らしの跡が随所に残されています。千年紀を機に、歴史をたどってみるのもいいかもしれません。
市の特設WEBサイトも力が入っていますよ。ぜひ覗いてみてくださいね。
上総国府のまちいちはら 更級日記千年紀2020

乳児衰弱死事件のその後

2020-10-07 | 子ども
今日は、定例議会の最終日。
2019年度の決算の採決を行って、ようやく閉会となりました。
(採決の結果は、共産党会派2名を除いて「認定」でした)

その後、今年1月に発生した乳児死亡事件に関して、いわゆる第3者委員会(審議会)の経過やこれまでの市の取り組み等、中間とりまとめの報告がありました。
審議会はこれまでに3回開催されていて、関係職員へのヒアリングを行ったり問題点を抽出したりするといった段階。特にこれと言って注目すべき報告はありませんでした。
検証結果の報告は、今年度末になるとのことでした。

しかし、今回の事件は全て市の関与のもとで起きたことであって、いわば内部の問題なのですから、本来は市に改革する覚悟さえあれば第3者の検証を待つまでもないのです。
その点からすると、今回初めて報告された幾つかの市の緊急対応は、当然ではあるけれども、大筋で評価できる内容だと感じました。

以下がその概要です。

・8月末の時点で1ヶ月以上安全確認されていない児童が4名いたので、緊急に安全確認を行った。
・乳児健診を受けていない等の家庭への対応(訪問など)や連携の基準(どんな場合に児相に連絡するか等)をルール化した。
・児童虐待の担当だけではなく、福祉部門の職員も虐待のリスクを認識できるようチェックリストを活用する。
・家庭訪問の際にすぐに過去の記録が確認できるよう、モバイル端末の導入。
・市独自の児童虐待予防研修の実施。
・保健師が支援する家庭の情報を紙ベースからデジタルベースへ。
・辰巳台支所に常駐する保健師とネウボラセンターがWEB会議を行う環境の整備。(これまでは電話のみで会議は無し)
・ネウボラと子ども家庭総合支援室の定例ミーティングを毎月開催。(今までは個々の担当者に任されていた)
・幹部職員によるリスクマネジメント研修の実施。
・千葉中央児童相談所との定例ミーティングの実施。(気軽に相談できる関係性をつくる)

これらは評価できるだけに、厳しい言い方をすれば、なぜもっと早い段階でできなかったのかとも思います。
幼い命と引き換えに、という事がやはり悔しい。

それから、新たに始めるという「子育てサービスデザイン事業」。これには大いに疑問符が付きます。
子育て世帯や関係者への聞き取りでニーズや課題を拾い、何らかのサービスをデザインするという、なんとも漠然とした内容なのですが・・・
これが何と丸ごとコンサル委託で5000万円。私たちは先の議会で反対しました。
投資に見合う効果があることを祈るばかりです。

一人の男の子に会いに。

2020-10-06 | 子ども
今日は「学校法人三和学園 福増幼稚園」へ、女性市議5名でお邪魔しました。


目的はというと・・・。
この4月からこの幼稚園に入園した、一人の男の子に会うためです。

睡眠時に呼吸能力が低下するという生まれつきの難病で気管切開を受けている、いわゆる「医療的ケア児」。
でも、時々痰の吸引が必要なこと以外は健康なお子さんと全く変わりません。
ただ医療行為が必要というだけの理由で公立にも断られ、ご両親は園探しにとても苦労されていました。
紆余曲折ようやく受け入れてくださったのが、ここ福増幼稚園だったのです。

実は、医療的ケア児が園(保育園・幼稚園・認定こども園など)に受け入れられたのは、市内で初めてのケース。
リスクを恐れず新しい挑戦をする姿勢のことを、群れの中で一番最初に海に飛び込む勇気あるペンギンに例えて「ファーストペンギン」と呼びますが、私はまさにこの幼稚園側が、よくファーストペンギンとなる決意をされた!と敬服しています。
先生方は痰の吸引の資格を取るために研修を受け、看護師とも契約し、病院など関係機関のバックアップも整えるなど、受け入れ体制を整えるためにも相当ご苦労されたことと思います。
今年度から新たに市から補助金が付いたのも幸いでした(もちろん十分ではありませんが)。

園庭でその男の子は、最初はどの子かわからないくらいごく自然にお友達の中に溶け込み、元気に駆け回ったりお砂場で遊んだりしていました。

「私たちも正直最初は不安でした。でも、一歩踏み出したら特別なことでも何でもなかったんです」
と園長先生。
本当にホッとしました。
この男の子をきっかけに、重い扉がようやく開いた・・・。そんな想いです。

次は学校への入学も控えていますし、他にも悩んでいるご家族がきっといらっしゃるはずです。
この先も、公立・私立問わず地域の園がどんな子どもも安心して受け入れることができるようにするためには、もう少し仕組みを整える必要があります。

写真は、理事長先生から説明を受けているところ。

私立幼稚園を取り巻く課題についても様々伺わせてていただいて、とても勉強になりました。

説明を受けた場所は、幼稚園とは別棟の地域開放型子育て支援施設「フクマスベース」。


この施設については以前ブログでも紹介しました。こちらもとっても素晴らしいんです!
驚嘆!ワクワクしてホッとする居場所「フクマスベース」』

保健室から

2020-10-05 | 教育
今日は学校薬剤師として、小学校の教室の空気中の二酸化炭素濃度や明るさなどの測定を行いました。

これは照度計。教室内の机上9カ所と黒板9カ所を測ります。


このクラスは40人弱なので、結構密ですね・・・


コロナで一時は学校現場も混乱しましたが、今はだいぶ落ち着いてきたとのことで、ホッとしました。
ただこんな状況でも、鼻水や咳など明らかに体調が悪そうな児童が相変わらず登校してきて、対応に苦慮されているそうです。
共働きなどで、風邪の症状くらいでは休ませたくないというような家庭の事情もあるのでしょうか。。

測定も一通り終わって保健室の壁に貼ってある年間スケジュールを何気なく見ると、10月は「3Dスコリオ検診」とありました。
「3Dスコリオ検診」とは脊柱側弯症を調べる検査で、小学5年生と中学2年生に対して実施されます。
この学校では5年生約70人中、8名ほどが再検査となり低線量X線撮影を受け、うち4名ほどが脊柱側弯症と診断されるそうです。

保健室は、教室とはまた違った子どもたちの様々な姿を垣間見ることができる場所です。

やっぱり目が離せない!市民点検の2日目。

2020-10-05 | イベント
今日も一日「事務事業の市民点検」を傍聴。すっかり「市民点検フリーク」です(笑)。




でも、私ほどとまではいかないまでも、もっと大勢の議員に傍聴してもらいたかったな、とは思います。(私の他に傍聴していた市議は、4名でした)
理由は、職員からの事業についての詳しい説明やコーディネーターからのプロフェッショナルな意見が勉強になることももちろんそうですが、
議会に身を置いていると、どうしても馴れ合いやしがらみが出来てしまったり、一市民としての真っ新な視点を忘れてしまったりすると思うのです。
市民点検員の質問や意見を聞いていると、また「あの頃の感覚」が蘇ってくるような気がして・・・。
これって、大事なことだと思います。

2日間通して全体的な感想としては、目的が曖昧だったり、目的と手段がかみ合っていない事業が、とても多い気がしました。
例えば、
「観光客を増やしたいのか、事業者の経営を安定させたいのか、どちらが目的なのかがあやふや」
「虐待を防ぐことが目的なのに、その手段がなぜPTA活動への補助なのか、ロジックが理解できない」
などなど。
税金を投入するのですから、そこは明快でなければなりません。
本当は、議会がちゃんとチェックしなければならないのでしょうが・・・。

最後に、コーディネーターの方が市民点検員や職員の皆さんに語った言葉も、とても印象的でした。

「自治体は国の支所ではない。国からやれと言われたから事業を行うのではなく、自分たちで選びとって行うことができる」
「最初に事業を始めるときは市民の要望から出発したのかもしれないが、続けることが正義だと思ってしまうところに落とし穴がある」
「行政は住民の税金を使う権力を持っているのに、それをあえて市民と対話を行って評価するという自治体は、全国でも珍しい。ぜひそんな市原市に誇りを持って、これからもまちの出来事に関心を持ってくれたら嬉しい」

だいたいこんなことをお話されたと思います。その場にいた皆に響いたことでしょう。

写真は、コーディネーターの前田さんと。
北海道から遥々お越しくださいました。市原市とのご縁に感謝します!

今年の市民点検も凄い!

2020-10-03 | イベント
写真は今日、庁舎議会棟を会場に開かれた「事務事業の市民点検」の様子。




無作為抽出で選ばれた市民が、職員の説明や資料を基に市の事業の評価を行うというもので、
市原版事業仕分けといったところでしょうか。

今年はコロナの影響で取り扱う事業数が少ないのがちょっと残念ですが、今回も聴きどころ満載で、とても勉強になりました。
恥ずかしながら、議会よりもレベルが高いのでは?と思ったくらいです。

今日私が傍聴したのは、農家レストランや観光農園といった、観光に関する事業ばかり。
まず、市内でこういう取り組みが税金で行われているという事を市民点検員のほとんどが今まで知らなかったという、担当職員にとってはいきなりショックな事実確認から入って、市民点検員からは次々と鋭い質問が投げかけられました。
例えば
「コロナの時代に、集客事業に税金を使うのは如何なものか」
「そもそも、市原市が観光農園に取り組む土壌があるのか」
「目的が曖昧でよくわからない」
「他の自治体でもやっている。市原ならではの差別化についてどう考えるか」
「単独に行うのではなく、他の事業や地域資源と組み合わせて総合的に仕掛けた方が良いのではないか」
などなど、もうメモが追い付かないくらい(苦笑)

中でも、高校生の市民点検員が農家レストランについて出した意見には、そこにいた大人全員が
「う~ん、参った!」と思ったことでしょう。
「市内農業の活性化が目的ならば、市内のレストランよりも、むしろ千葉市や都内などのレストランで、市原産の農産物を扱ってくれるところに補助を出す方が、宣伝効果が高いのではないですか?」
やっぱり若者の柔らかい発想はイイネ!とつくづく思った瞬間でした。

市民点検員の質問に答える担当職員。お疲れさまでした。


担当職員の説明を分かりやすくかみ砕いてまとめ、市民点検員の自由な意見をさりげなく引き出す。
市民点検の要であるコーディネーターの巧みな捌きは、さすがの一言。




最後に「ちょっと待った!(廃止・凍結)」「もう一歩!(要改善)」「いいね!(継続)」の何れかを判定します。
私が傍聴した事業は、総じてかなり厳しい結果でした。

市民点検員の皆さんは、点検員である前に納税者という立場で意見を述べられていたのだと思います。
翻って私たち議員も、納税者の代表という立場を決して忘れてはなりませんね。

市原市の児童発達支援について

2020-10-02 | 障がい者
前回チラッとご紹介したリニューアル版広報誌、もうご覧になったでしょうか?
月1回になった分、なかなか読みごたえがありますね。

私のおすすめの一つは、P10~の市原市発達支援センターの紹介記事。こんなにじっくり取り上げられたのは珍しいのでは?これもリニューアルのおかげでしょう。
同センターは、主に発達が心配な幼児に関する相談を受けたり、療育を提供したりする機関です。
多くの市民には、普段あまりなじみのない施設だと思います。

市原市の児童発達支援の充実強化については、もうこれまで本当にしつこいくらい議会で取り上げてきましたので、、
市内の児童発達支援の現状について、以前調べたデータです。
分かりやすいように、すごくザックリですが・・・

市原市は1学年あたり平均約2000名の幼児がいます(この数値は毎年どんどん減ってはいますが)。
そのうち、発達に何らかの障害を抱えている幼児は、推定約180名。1割弱ですね。意外に多いでしょう?
一方で、市原市発達支援センターで支援を受けられている子どもは、約60名です。
では残りの約120名は?というと、
民間の発達支援事業所(市外・県外を含む)を利用していると思われる子どもが約40名。
従って、約80名の幼児が「ほとんど支援を受けられていない」のです。

この10月から、法律上では市原市発達支援センターは、地域の中核施設として一層の充実が求められ、民間事業者との連携ネットワークの中心的な存在にならなければならないことになりました。
現状のキャパの範囲で受け入れている幼児以外の幼児一人一人にも、必要な支援サービスがきちんと届けられるように努める必要があると思います。
そのためには民間との連携は当然必要でしょう。

昨日、牛久にある「のぞみサポートセンター市原」を森山さんと視察しました。




4名くらいの小グループごとに、スタッフの方が子どもの興味を引くようゲームや体を使った遊びを行っていました。
どの子も目が輝いていて楽しそう!
大人の語りかけを座ってちゃんと集中して聞いている様子にとても驚きました。
このような民間施設の存在は、本当に心強い限りです。

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