市原市は、2017年度から2026年度まで10年間の計画に沿って市政運営を行っています。
いま7年目ですね。終盤にさしかかったところです。
さて、このほど市長は、最終年度を待たずに総合計画を作り直すことを決めました。
理由は、
2019年の台風豪雨災害や新型コロナウィルス感染症の蔓延、
SDGsの意識の高まりやデジタル化の進展など、
社会状況が大きく変化したから、とのこと。
現計画は、目標値を「人口27万人維持」などとしていますが、
現時点で既に26万9000人と割り込み、達成は絶望的。
そもそも私は以前から、
人口規模ありきの考え方に基づく計画はこれからの時代にそぐわないので
見直すべきと主張してきましたから、
今回の市長の決断に対しては全く異論はありません。
先日、新たな総合計画を策定するにあたり、
行政が市民(無作為抽出)と対話をする『いちはら未来会議』が開かれました。
現計画書を手に取って「初めて知た!」「知らなかった」と口々に仰る参加者の皆さん。
やっぱりそうですよね・・・。
計画は誰のためにあるのか?
他でもない、自分たちのための計画なんだと納得することから出発。
「市民が計画づくりに関われば、市政がもっと自分事になると思う」
という嬉しいご意見も出されました。
6班に分かれ、職員も入ってまちの「望まない姿」や「ありたい姿」を出し合ってまとめる作業。
最後に各班ごとに発表し、市長がそれぞれに対して丁寧に答えるという流れでした。
(高齢男性より)
「賑わいのあるまち」といっても、若者が集まって賑やかというイメージではなく、
子どもも高齢者も、障害者も外国人も、多様な人々が交わるまちにしたい。
(若者世代より)
若い世代の多くはミニマムに暮らしたいと思っている。
身近に豊かな自然環境があったり、生活の延長線で小規模に気軽に農業を営むことができれば良い。
これらご意見に象徴されるように、これからの総合計画は
「ダイバーシティ(多様性)」「インクルージョン(包摂性)」「サスティナビリティ(持続可能性)」
こんなところがキーワードになりそうですね(私の希望的観測も大いに入りますが)。
社会状況の変化と同時に、人々の価値観も驚くほど変わっている。
新たな時代の総合計画は、理想郷を掲げて無いものねだりをするのではなく、
限りある資源を前提とした現実的な計画、そしてロジックで語れる計画に向かいたい。
傍聴して感じたことを、とりとめなく。